週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

今シーズンの台風の目はエース2枚の穴埋めOKのオリックス。塩見泰隆、村上宗隆が台頭のヤクルトだ!

文=勝田聡

今シーズンの台風の目はエース2枚の穴埋めOKのオリックス。塩見泰隆、村上宗隆が台頭のヤクルトだ!
 オープン戦が終了し、ペナントレースまであとわずかとなった。多くのメディアで今シーズンの予想順位や展望が話題となっている。そんななか、台風の目となりそうなチームはどこだろうか。オフの補強やオープン戦の結果を踏まえ、セ・パ両リーグから1チームずつをピックアップした。

投手陣が安定し、代表の4番が揃ったオリックス


 今シーズンのパ・リーグは混戦となりそうな気配が漂っている。昨シーズンの覇者である西武はこのオフに菊池雄星(マリナーズ)、浅村栄斗(楽天)、炭谷銀仁朗(巨人)が移籍。彼らを補うほどの補強、現有戦力の底上げを行うことはできていない。また、CSで西武を破って日本シリーズに進出したソフトバンクはFA戦線に参入したが、補強は叶わなかった。上位2チームの補強がほぼドラフトのみとなっているのである。

 一方で3位の日本ハムは台湾の大王こと王柏融に金子弌大、そして秋吉亮に谷内亮太と次々に補強を行い、戦力の増強を図った。4位以下に終わったチームも同様に補強は行っている。オリックスはメキシコ代表チームの4番を努めたメネセス、ロッテは大砲候補のバルガスを補強した。バルガスはオープン戦で少し苦しんでいたが、3月19日の西武戦で待望の初アーチ。上昇の兆しが見える。

 最下位に沈んだ楽天はFAで浅村栄斗を獲得し、4番候補のブラッシュも迎え入れた。ブラッシュはオープン戦で好調をキープしており、4番として開幕を迎えることになりそうだ。

 このように西武、ソフトバンクは上積みがなく、3位以下のチームは補強できた。もちろん、戦力として機能するかは別の話となるが、全体的な差は縮まった感がある。

 そのなかで台風の目となりそうなチームとしてオリックスを挙げたい。

 このオフに西勇輝が阪神へ、金子が日本ハムへ移籍。エース格の投手2人がチームを離れた。しかし、その空いた2枠に入らんとすべく、若手投手たちが躍動しているのである。3月19日終了時点で12球団トップの2.10と、それはチーム防御率にも現れている。

 セットアッパーから先発転向となった山本由伸、復活を期する東明大貴、松葉貴大らが揃って結果を残している。また、育成上がりの榊原翼も3月17日の広島戦で7回1安打の無失点投球。ローテーション入りに名乗りを挙げた。

 また、中継ぎ陣も増井浩俊、澤田圭佑、岩本輝らが順調な仕上がり。先発転向の山本の穴をどのように埋めるかが課題となるが、右ヒジの張りで離脱していた近藤大亮が実戦に復帰。穴は埋まりそうではある。

 野手陣では日本の4番となった吉田正尚、そしてメキシコの4番のメネセスがともに好調。強力なコンビを形成することになりそうだ。また、中堅には高卒2年目となる西浦颯大が抜擢された。3月8日の巨人戦では菅野智之から3ラン本塁打。大きな自信となったはず。新しい風をチームに吹き込みたい。

 2014年の2位以来、Bクラスが続いているだけに、そろそろAクラス入りを果たしたいところだ。

若手の躍進が目立つヤクルト


 セ・リーグもパ・リーグ同様に優勝チームの広島から丸佳浩がFAで巨人へと移籍し、戦力ダウンとなった。人的補償で実績のある長野久義が加わったとはいえ、MVPの穴を埋めることは容易ではない。

 ほかのチームでは巨人が大型補強を敢行したが、ヤクルト、DeNA、中日の3球団に目立った補強はなかった。

 一方、最下位に沈んだ阪神はオリックスから西、中日からガルシアを相次いで補強。メッセンジャー含め昨シーズンの2ケタ勝利投手が3人となったのは心強い。また、中継ぎとして獲得したジョンソンもオープン戦で好投を続けている。カットボールの精度がよく、守護神の座を射止めてもおかしくないほどの出来である。矢野燿大監督は外国人枠に頭を悩ませることになりそうだ。

 優勝した広島の戦力がダウンし、最下位に終わった阪神が大幅な戦力アップ。見かけ上はパ・リーグ同様に差が縮まった。そのなかで台風の目となりそうなチームとしてヤクルトを挙げたい。

 昨シーズンは2位でCSに出場したが、巨人の前に2連敗。悔しいシーズン終了となった。今シーズンは前述の通り大きな補強がなかったのは事実。しかし、五十嵐亮太、寺原隼人といったベテラン投手たちを戦力外から獲得。スアレス、マクガフと2人の外国人投手も補強した。

 また、実績はあるが年齢層の高い外野陣に待望の新星が現れた。2年目の塩見泰隆である。オフのアジア・ウインターリーグ、オープン戦で絶好調。打撃、走塁で力を発揮しており、レギュラー陣を脅かすほどの成績を残している。塩見が好調を維持できれば、ベテラン勢に休養を与えやすくなり、シーズンを戦う上では大きなプラスとなることは間違いない。

 そして村上宗隆だ。19歳にして侍ジャパンにも選出された若き大砲候補は三塁のレギュラーを奪い取りそうな勢いがある。塩見と村上の躍進はチーム全体の底上げとなり、世代交代を進めることもできる。

 優勝を目指しながら、若手を育成し世代交代を図るのは決して容易なことではない。しかし、それをやってくれそうな勢いがヤクルトにはありそうだ。

文=勝田聡(かつた・さとし)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方