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2015年シーズン、絶対に球場で見ないとわからない、足で“飯を食う”走塁職人たち

 松坂大輔(ソフトバンク)が出遅れたり、阿部慎之助(巨人)が早くも捕手に戻ったりと、波乱含みのプロ野球。やっぱり、何が起こるかわからないからこそ、野球は楽しい。驚きとドキドキを求めて、今日もスタジアムに足を運ぶ人は多いはず。

 そこでオススメしたいのが『野球太郎No.014』の巻頭企画「絶対に“生でみるべき選手”名鑑2015――NMBP48【プロ10部門別】」だ。野球太郎が誇るライター陣と編集部で激論を交わし、各部門別に“生でみるべき選手”を選定している。

 選ばれた選手が誰なのか? は本誌をご確認いただくとして、このコーナーではその選定過程の様子を余すところなく実況中継していきたい。プロ野球の長いシーズンを満喫するために、一芸で魅了する選手から、総合力で胸をときめかせる超実力派まで、多種多様な選手を選抜した。特に、「今季」「球場で」という2つをキーワードに、名前が挙がってきた精鋭たちの素晴らしいパフォーマンスを、生観戦で目に焼き付けてほしい。

《“生でみるべき選手”は誰だ!?〜走塁・盗塁部門〜》

──走塁・盗塁部門です。攻撃的な「足」を見せる選手を評価していきたいと思います。

 わかりやすいのは巨人の鈴木尚広ですよね。あれだけマークされている状態で決めるのはすごいことです。期待に応えてくれます。


――確かに、代走で鈴木が出てくると、東京ドームの何万人というファンがみんな「走るぞ、走るぞ」と期待して見るわけですから。そんな状況で、昨季通算200盗塁を達成。あのプレッシャーの中で、ということも加味すれば、本当にスゴいことだと思います。

京都 盗塁をさせない投手・久保康友(DeNA)との勝負が見たいんですよね。「ホコタテ」みたいに、それだけを30分くらい見たい(笑)。絶対盗塁する鈴木vs盗塁させない久保&捕れれば刺す黒羽根のDeNAバッテリー。

 黒羽根がポロリをしそうです(笑)。

高橋 あとは、鈴木が起用される試合終盤まで、久保がマウンドにいるのかという別の問題が。

京都 そうなんですよ! だから、久保が先発のときに、鈴木がスタメンで出てくれれば……。

──でも、その対決こそ、確かに球場で観るべき作品だと思います。期待したいですね。

 巨人でいえば片岡治大なんかは、もう走塁には期待できないんですかね?

京都 去年は31回走って24回成功でした。西武ほどフリーパスじゃないのと、一度足をケガしているのは大きいかもしれないですね。

高橋 私が推したいのは楽天の岡島豪郎。盗塁数は少ないんですけども、昨季の内野安打28本はリーグ最多でした。こういう「足」もあるかな、と。楽天が掲げる「超機動力野球」の象徴です。楽天って、去年まではとにかく盗塁を仕掛けても失敗が多かったんですよ。

京都 去年の楽天は、チームで108回走って、成功は64回だけでした。

──4回に1回は失敗してるんですね。

高橋 だからこそ、岡島がもっと走らなきゃいけない。去年は成功数(9回)よりも失敗の数(10回)の方が多いんですから。

久保 楽天の走塁、という意味では、オリックスを退団して楽天に拾われたペーニャの走塁が楽しみです。謎のタッチアップをしたり、隙を突かなかった味方に怒ったりとか、アグレッシブな走塁が結構多いんですよ。あれは隠し芸の極みだと思います。

京都 ペーニャ、走塁意識高いですよね。その流れでいくと、本気になったときのブランコ(オリックス)も結構速いですよ。

──昨季の盗塁数上位は、セ・リーグがDeNAの梶谷隆幸(39個)、中日の大島洋平(28個)、広島の丸佳浩(26個)でした。パ・リーグが日本ハムの西川遥輝(43個)、ソフトバンクの柳田悠岐(33個)、オリックスの糸井嘉男(31個)でした。この辺のメンバーはいかがでしょうか?

京都 丸はちょっと失敗数が多いですね。去年、37回走って11回失敗しています。

 丸は塁間があまり速くないですよね。単純な足の速さよりも技術で盗塁をしているイメージです。だから、マークされると厳しいですね。

高橋 日本ハムの西川は去年、真っすぐじゃないカウントで走っているというデータがありました。ちゃんと相手を研究しての盗塁王だったことがわかります。

──でも、西川はおっちょこちょい感がどうしても抜けない印象があります。

京都 ひいき目もありますが、僕は荒木雅博(中日)の盗塁技術がとても高いと思っています。去年、18回走って刺されたのは1回だけ。ベースランニングとかスライディングも含めて、今、12球団で一番上手いんじゃないかと思います。大島にはもっと荒木を見倣ってほしい。足の速さは圧倒的に大島のほうが上のはずなのに、盗塁成功率は荒木に敵わないんですから。

──ケガの問題もありますが、ロッテの荻野貴司なんかは球場で見るのが楽しい選手だと思います。後ろ足から砂煙が出ているイメージです。

高橋 荻野は確かに生で見たい!

京都 荻野も16回走って失敗したのは1回だけでした。スピード感は荻野ですけど、修羅場をくぐってる感は巨人の鈴木尚広ですよね。荻野は季節限定のイメージ。春のパン祭りみたいな(笑)。

久保 荻野は「ファミスタ」のピノ的な使い方をしたい選手です。WBCとか大一番の代走枠、「ジョーカー」的な役割で荻野を入れたい選手ですよね。

京都 あと、ロッテでいえば、足は速くないんですけど角中勝也なんかどうでしょう? ベースランニングに無駄がない印象があります。

──鈴木尚広系ですけれども、ヤクルトの比屋野渉とか、広島の赤松真人なんかも是非、代走で見てみたい選手です。赤松はちょっとポカも多いですけど。

高橋 赤松は本当におっちょこちょい系!

久保 「インプレー中に目を離すな!」と突っ込みたくなる、逆の意味で目が離せない選手です。プラスとマイナスの両方が混在する、何か起こしそうなイメージはあります(笑)。


京都 赤松が代走に出てきても、そこまで怖くないですが、なんかしてくれるんじゃないか、と期待してしまう、よくも悪くもドラマチックな選手です。

――でも、赤松はチーム内ではすごく信頼されてるみたいですね。相手のクセを盗むのがうまくて、それを丸や菊池涼介に教えているみたいです。試合に出ていなくても走塁面でチームに貢献していると言えます。

京都 ということは、自分で得た情報を自分で生かせない(笑)。

高橋 だからこそ、彼はいっつもめげない顔をしてるんでしょうね。


〈選定会議参加者〉

◯高橋安幸
1965年生まれ、新潟県出身。昭和時代の名選手インタビューを続け、『野球太郎』やweb Sportivaなどで現在も連載を持つ。ツイッターで取材後記などを発信中。アカウントは@yasuyuki_taka。

◯久保弘毅
1971年生まれ、奈良県出身。元アナウンサーという異色の経歴を持つスポーツライター。得意技は実況風ライティング。神奈川のアマチュア野球と全国の社会人野球に強い。ハンドボールライターの第一人者でもある。

◯京都純典
1977年生まれ。データ関係の仕事を得意とする野球ライター。『プロ野球本当の実力がわかる本2015〜セイバーメトリクスで見るプロ野球〜』 (日刊スポーツ出版社)の監修を務めた。中日ファン。

◯蔵建て男
人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。ネットスカウトの草分け的な存在で、プロスカウトとの交流も。Twitterアカウントは@kuratateo。

構成=オグマナオト

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