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こんな選手に「オレに訊くな!」を聞きました〜西口文也(西武)と今宮健太(ソフトバンク)〜

 2月23日に『野球太郎Special Edition プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』が発売されたばかりだが、約1カ月後の3月18日に『野球太郎No.014 特集・プロ野球インタビュー「オレに訊くな!」(別冊付録・2015ドラフトスカウティングレポート)』が発売される。その『野球太郎』の新刊では、人物のイメージからは縁遠いと思われるテーマを切り口にした新感覚インタビュー「オレに訊くな!」と、ドラフトスカウティングレポートの2大特集で構成される。

 そのうち、「オレに訊くな!」を先取りで紹介したい。

 すでに『週刊野球太郎』でも掲載した3人の息子さん全員がJリーガーで活躍する高木豊さん(元大洋ほか)に「プロ野球選手の育て方」を聞くような突拍子も無い企画で、取材申請をしてもNGになることは多い。そんな中、快諾してくれたのは9名。しかし、取材を受けてもらっても、険悪なムードになることも稀にあり、普段の特集よりも、困難を乗り越えて、作られていくのが「オレに訊くな!」だ。
 今週、取り上げる西口文也(西武)と今宮健太(ソフトバンク)は比較的にスムーズな取材となった。

 171センチながら、高校通算62本塁打、投げては150キロを超えるボールを投げていた今宮。小さくても強い選手として、新たなプロ野球選手像を作るのではないか、と言われたほどの選手だった。当時のコメントで、今宮は「小さくても〜〜」とよく発していた。小ささを感じさせないような選手になるという意識が強いと同時に、コンプレックスを抱いているからこそ、意識してしまうことでもあった。しかし、今はその意識はほとんどなくなったという。

「大きいからこそ与えられる役割もあれば、大きいからこそできないこともあるでしょう。逆に小さいからこその役割もあるんです」

 チームメイトには李大浩のような大男がいれば、柳田悠岐のような規格外のパワーの持ち主もいて、大分の先輩・内川聖一のようなヒットを量産できる打者もいる。この環境で、チームの勝利に何で貢献できるか、打席で何をすべきか、考えた結果がつなぎであり、犠打だった。高校通算62本塁打の今宮が、プロでは2年連続で62犠打を成功させた話は有名である。


 こういった変化から、やはり、背が小さくてハンデを感じるのは打撃だろうかと思いきや、意外な答えが返ってきた。

「どちらかというと、守備の面ですかね」
「身長が低くて足が短い僕の場合は、他の遊撃手よりも運動量が増えてきます」

 背が高い遊撃手……たとえば、坂本勇人(巨人)と比べて、三遊間の深いゴロに追い付くには、今宮は余計に動かなくてはならなかったり、早い反応が求められたり、高い打球には届かなかったり……。

 2年連続ゴールデングラブ賞の今宮だからこその思いなのかもしれない。
 西口は記録や過去にそこまで執着しない選手と、ファンの多くも感じているが、本当にそのままの人だった。取材趣旨やテーマを説明した後の第一声は、自嘲も苦味もなく……

「運でしょ、運。それ以外の何ものでもないですよ」

 とある記録を幾度も阻まれている西口。阻まれた瞬間、悔しさを露わにすることもあれば、無表情のままの時もあった。それは記録がどうのよりも、本塁打で失点した悔しさや、延長に入っている今、失点してはならない、負けてはならないことを考えていたための無表情だったと解説してくれた。

 もし……といろいろな状況を振っても「運が全て。運がないと記録は達成できないんだと思います」と一貫して姿勢は変わらず。話を聞けば聞くほど、ブレない西口の精神や流儀の真髄に迫ってきたような感覚になる。逆に、欲望に左右されないことが長い間現役を続けられることができ、通算182勝を積み重ねられる先発投手としての力なのではないか、と感じるほど。


 「オレに訊くな!」と言われんばかりのアウトローな質問だったはずが、西口文也が西口文也たる由縁がわかるド直球のインタビューとなった。これもまた「オレに訊くな!」のおもしろいところだ。

(文=編集部)

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