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子どもたちのために立ち上がる! いじめられっ子だった稲葉篤紀が、子どもたちへ伝えたいこと


 4月17日、北海道日本ハムファイターズの稲葉篤紀“スポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)”が、新たなプロジェクト「K.I.D.S.プログラム」をスタートさせた。

 「K.I.D.S.プログラム」とは、子どもの体力低下という課題解決に向けて「“こども”の“育成”のために“道産子”みんなで“スポーツ”に親しみ、触れる環境を作っていこう」という目的の頭文字を取って命名したもの。昨年10月に稲葉SCOが札幌市内の幼稚園を訪問した際、「園児たちが楽しくスポーツに触れるのはもちろん、子どもたちの成長に大きな影響を及ぼす“先生”にも運動習慣の大切さ知って欲しい」と実感したことから、今回のプログラム企画に至ったという。

 実はこのちょうど1カ月前、『野球太郎』も出席した稲葉SCOの囲み取材のなかでも、子どもたちに期待したいこと、そして自身の「野球に助けられた子ども時代」を明かしていた。

野球は人生を大きく変えるスポーツ


「僕は昔、いじめにあったこともあるんです」

 3月17日、日本ハムは “こどもが主役の街”「キッザニア東京」内に新パビリオン『ソーセージ工房』をオープン。そのオープニングイベントで行われた囲み取材で、稲葉SCOは少年時代の“いじめられっ子”経験について言及を始めた。

 稲葉少年がいじめられっ子だった、というのは有名な話だ。これまでにインタビューで何度もその経緯を語り、自著『HOP STEP 稲葉JUMP!』でも詳しい。その辛い経験を乗り越えることができたのは野球のおかげだった、と振り返る。

「何に救われたかといえば、野球で救われました。野球というのは人生を大きく変えるスポーツだと僕は思っています。たくさんの友だちを見つけるものにもなるということを、これから子どもたちに伝えたいなと思っています」

 新学期、新天地。春は環境がガラリと変わる季節だ。人間関係で悩む人もいるかもしれない。そんなとき、野球に救われた稲葉少年のエピソードは、前を向くキッカケのひとつになるのではないだろうか。

 一方で、昨今の野球界は暗い話題も多い。野球人口の低下も問題視されている。だからこそ、子どもたちに「野球の素晴らしさを伝えたい」と続けた。

「野球というスポーツは団体競技であり、個人競技でもあります。仲間とひとつになることが求められ、一方ではバッターとピッチャーの一対一の勝負という側面もあります。そういった両面を持ち合わせているスポーツってなかなかないと思うんですよね。それと、野球は『間のスポーツ』。その間を使って『考える』ことも求められます。そこが野球の素晴らしいところですよね」

子どもたちには夢に向かって進んでほしい


 さて、冒頭で紹介した「K.I.D.S.プログラム」に話を戻したい。4月17日の初回プログラムでは、札幌市近郊を中心に158名の道民が参加。ケガ防止のため柔らかいボールを使用し、正しいフォームを身につけるコツや両手でやさしくキャッチする方法などを講師陣がわかりやすく指導した。

 稲葉SCOは「将来的には北海道の子どもの体力が全国No.1になるくらい目標高く取り組んでいきたい」と、このプログラムを通しての将来的な夢を語った。

 同様に、今回オープンした日本ハムの新パビリオン『ソーセージ工房』を通じても、子どもたちには夢を持ってほしい、と語った。

「この施設で、いろんな仕事について職業体験をする。そして夢を持つ。これが一番大事なことだと思います。ぜひ、子どもたちには夢に向かって進んで欲しいと思います。これからの日本は子どもたちにかかっています。僕にも子どもがいますので、こういった体験をさせていきたいなと思います」


文=オグマナオト(おぐま・なおと)

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