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データを見ると交流戦優勝は逆に不安。ソフトバンク・交流戦Vからリーグ優勝への道を探る

データを見ると交流戦優勝は逆に不安。ソフトバンク・交流戦Vからリーグ優勝への道を探る

 今年で13回目となったセ・パ交流戦は、最終戦で広島を破ったソフトバンクが3年連続7回目の交流戦最高勝率をマークした。

 この勢いでリーグ制覇へ……といきたいところだが、実は過去のデータを紐解くと、ソフトバンクは交流戦に優勝しても安心できない。

 昨シーズンまで、交流戦に優勝した6回のうち、シーズン優勝を果たした年は2回だけなのだ。

ダブル優勝は2回だけ


 交流戦が始まった2005年以降、ソフトバンクがパ・リーグ最高勝率でシーズンを終えたのは5回(2005年はプレーオフで敗れ、記録上は2位)。

 そのうち交流戦も優勝したのは、先に述べた通り2回。2011年と2015年のことだ。2011年は史上初の全11球団に勝ち越しを決め、日本シリーズも制しての完全優勝。2015年も8月5日にマジック点灯。シーズン90勝と圧倒的な強さで優勝した。


後半失速で最下位も!


 交流戦優勝もシーズン優勝を逃したことは4回ある。

 2008年は交流戦MVPの川崎宗則が北京五輪でケガを悪化させ離脱。中継ぎ投手陣の不調もあり、後半戦に大失速して12年ぶりの最下位となった。

 2009年は打線が空回りする試合が多く、2013年は攝津正以外の先発投手陣がまったく振るわず。いずれも夏以降の失速が響き優勝を逃した。昨シーズンは日本ハムの大躍進を止められず2位に。柳田悠岐のケガによる離脱も非常に痛かった。

 さて、今シーズンである。現時点でリーグ2位と、圧倒的強さで優勝した2011年と2015年の例には当てはまらない。

 そして、内川聖一、デスパイネ、和田毅、武田翔太、千賀滉大、スアレスと故障者が続出。リーグ優勝を逃しても、川崎離脱の2008年、柳田離脱の2016年と同じ言い訳ができる……。

 いやいや、負ける理由を探してはいけない。逆転Vへのシナリオを考えてみよう。

ケガ人が次々帰ってきて超投手王国!


 千賀、武田が近いうちに復帰する見込みだ。これだけで、交流戦後半で先発ローテーションを守った6人のうち2人が溢れてしまう。そうなるとファームで格の違いを見せまくっている攝津、寺原隼人の1軍での先発入りは難しそう。

 ただ、先発枠から外れた投手が、中継ぎにスライドすることでお疲れ気味の中継ぎ投手陣の層も厚くなる。

 2015年、ヤクルトとの日本シリーズでは、勝利の方程式を確立する中継ぎ陣に寺原と千賀が加わり、「ソフトバンクは投手が多すぎるよ」とヤクルトファンにため息をつかせた。

 今シーズン、一戦必勝で楽天とのゲーム差を縮めるためには、攝津や寺原らロングリリーフもできる先発格の中継ぎがいると心強い。また、そこに売り出し中の石川柊太が加わるのも面白い。そうすれば、優勝の目が現実になってくるはずだ。


内川、デスパイネが居ぬ間にレギュラーを奪え!


 チームの主力を欠く状況は、控え選手にとっては試合に出場できるチャンス。2連敗で迎えた6月15日の巨人戦。そして、勝てば交流戦最高勝率となる6月18日の広島との最終戦。工藤公康監督は珍しく打順を組み換えた。その結果、江川智晃、福田秀平、高田知季ら控え陣がスタメンで活躍した。

 選手層が厚いと言われながら、野手陣のスタメンをあまりいじらないソフトバンクの場合、野手においては「スタメン」と「控え」の壁が厚すぎる。

 だからこそ、内川とでスパイネの主砲2人がいない今こそが控え選手にとっての最大のチャンスだ。筆者は思う。「吉村裕基、城所龍磨。早く1軍に戻ってこい!」。そして「塚田正義、真砂勇介。今がチャンスだぞ!」と。

 首脳陣がやりくりに困っている今だからこそ、彼らには図太くアピールしてほしい。

 そして工藤監督。交流戦後半戦のような大胆な選手起用をこれからも期待しております!

文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業運営。最近名刺を渡すと、「ホークスのコラム、見てますよ」と言われることが増えた。札幌という地なので、だいたい相手は日ハムファンなのです。「ありがとうございます」と「どうもすみません」の2つの言葉を言い、一応、大人の対応をしている。

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