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《ロッテ、西武編》両チームとも上位指名選手が奮闘。将来の主力選手への足がかりを築く


 9月25日にサブロー(ロッテ)が引退試合で二塁打を放った。QVCマリンフィールド名物のサブローコールもレギュラーシーズンはこの日が最後。プロ野球にはサブローのように22年間現役を続けたベテランもいればルーキーもいる。そして皆、同じ土俵で戦うのだ。

 週刊野球太郎では、9月から10月にかけての週刊連載として今季のルーキーの働き具合をチェック。2015年シーズンの上位チームから順に、12球団のルーキーの成績を振り返ってみたい。

 今回は2015年のパ・リーグ3位・ロッテ、4位・西武のルーキーを取り上げる。

(成績は9月25日現在)

◎千葉ロッテマリーンズ

【ドラフト1位】
平沢大河(内野手/仙台育英高/右投左打)
23試合:打率.149(47打数7安打)/0本塁打/3打点/0盗塁/18三振/4四球

 楽天との重複指名の末に、ロッテに入団した平沢はオープン戦から注目されていた。開幕は2軍スタートだったが、5月11日に1軍登録されると、さっそく登録当日に守備から出場。5月21日に登録抹消されるまで6試合に出場し、10打席で9打数ノーヒット、6三振と打撃に課題を残した。しかし、6三振はすべて空振り三振。この積極性は評価したい。

 7月30日に2回目の1軍昇格を果たし、8月半ばにはショートで6試合連続スタメン出場を果たす。その6試合すべてでヒットを放ち、初打点初得点も記録した。9月に入り再び登録を抹消されたが、一打席勝負ではなくスタメンで使ってこその選手だろう。

 平沢がスタメンで出場する際は鈴木大地がサードに回るなど、来シーズンに向けた平沢シフトが敷かれている。球団の期待に応えるべく来シーズンの飛躍を期待したい。

【ドラフト2位】
関谷亮太(投手/JR東日本/右投右打)
16試合:5勝6敗/防御率5.52/投球回88/奪三振58/与四球34/与死球5

 関谷は5月21日のオリックス戦で初先発初勝利を挙げると、その後、3連勝をマーク。7月13日のソフトバンク戦で黒星がつくまで6戦負けなしの好スタートを切った。しかし、ローテーションは守っているものの疲労の影響からか、8月半ば以降は打ち込まれるケースが目立っている。

 大学日本代表として神宮を沸かせ、社会人の強豪・JR東日本でさらにパワーアップした関谷の実力はこんなもんじゃないはずだ。涌井秀章、石川歩に次ぐ3番手の先発投手になることを来シーズンは期待したい。

【ドラフト3位】
成田翔(投手/秋田商高/左投左打)
《2軍》7試合:0勝0敗/防御率6.00/投球回18/奪三振9/与四球13/与死球2

【ドラフト4位】
東條大樹(投手/JR東日本/右投右打)
11試合:0勝0敗/防御率10.03/投球回11.2/奪三振6/与四球14/与死球2

【ドラフト5位】
原嵩(投手/専大松戸高/右投右打)
《2軍》8試合:1勝4敗/防御率4.05/投球回20/奪三振8/与四球12/与死球0

【ドラフト6位】
信樂晃史(投手/宮崎梅田学園/右投右打)
《2軍》20試合:1勝3敗/防御率5.68/投球回44.1/奪三振27/与四球16/与死球2

【ドラフト7位】
高野圭佑(投手/JR西日本/右投左右)
14試合:1勝0敗/防御率5.87/投球回15.1/奪三振7/与四球15/与死球0

 成田、原の高卒投手は2軍で体作りに専念している。来シーズン以降の1軍昇格を目指したい。

 社会人組の東條、高野、信樂は明暗が別れた。東條、高野は1軍登板を果たし信楽は2軍でも今ひとつだ。社会人組に時間的猶予はない。来シーズンは1軍定着を急ぎたい。

埼玉西武ライオンズ


【ドラフト1位】
多和田真三郎(投手/富士大/右投右打)
18試合:7勝5敗/防御率4.38/投球回98.2/奪三振91/与四球40/与死球8

 5月に1軍登録されてから、ローテーションを守っている多和田。当初は球数も多く内容は今ひとつだったが、オールスター休みでワンブレイクいれてからは見違えるようにピッチングがよくなった。

 8月11日の日本ハム戦で初完封を飾るとそこから5連勝を記録。ドラフト1位の実力を発揮している。

 重心が低く沈み込むようなフォームから繰り出されるストレートにはノビがある。FA権を取得するエース・岸孝之の去就が不透明だが、来シーズンは右のエース候補として西武投手陣を支えたい。

【ドラフト2位】
川越誠司(投手/北海学園大/左投左打)
《2軍》7試合:1勝1敗/防御率6.00/投球回6/奪三振4/与四球10/与死球0

 西武のドラフトでは珍しくない“隠し玉”の上位指名。2015年のドラフトでは川越がそれにあたるだろう。外野手もできる二刀流候補としての指名だが、故障を抱えていることもあって、2軍でもほとんど投げていない。来季以降に真価が問われる。

【ドラフト3位】
野田昇吾(投手/西濃運輸/左投左打)
22試合:0勝0敗/防御率3.93/投球回18.1/奪三振15/与四球5/与死球1

 中継ぎの即戦力として期待された野田。期待どおりの活躍といっていいだろう。点差が開いた場面ではあるものの安定した投球を見せており、来シーズンは勝ちパターンでイニングを任せてもらう機会が増えそうだ。

【ドラフト4位】
大瀧愛斗(外野手/花咲徳栄高/右投右打)
《2軍》74試合:打率.201(174打数35安打)5本塁打/21打点/3盗塁/52三振/16四球

【ドラフト5位】
南川忠亮(投手/JR四国/右投右打)
4試合:0勝0敗/防御率2.25/投球回4/奪三振1/与四球4/与死球0

【ドラフト6位】
本田圭佑(投手/東北学院大/右投右打)
2試合:0勝1敗/防御率7.71/投球回4.2/奪三振3/与四球1/与死球1

【ドラフト7位】
呉念庭(内野手/第一工業大/右投右打)
41試合:打率.200(120打数24安打)0本塁打/11打点/1盗塁/22三振/14四球

【ドラフト8位】
國場翼(投手/第一工業大/右投右打)
2試合:0勝0敗/防御率0.00/投球回3/奪三振3/与四球4/与死球0

【ドラフト9位】
藤田航生(投手/弘前工高/左投左打)
《2軍》1試合:0勝0敗/防御率9.00/投球回1/奪三振1/与四球2/与死球0

【ドラフト10位】
松本直晃(投手/香川オリーブガイナーズ/右投右打)
2試合:0勝0敗/防御率0.00/投球回2.2/奪三振1/与四球2/与死球0

 高卒野手の大瀧は登録名を愛斗とし2軍で奮闘中。次世代のレギュラー候補だ。呉はショートの穴を埋めてはいるが、レギュラーとしてはまだ物足りない。しかし、7位指名のルーキーとしては大当たりだろう。

 南川、本田、國場、松本の大卒、社会人、独立リーグ組の投手はそろって1軍登板を果たしている。西武投手陣は先発、中継ぎともにピリッとしないだけにチャンスはある。高卒投手の藤田は2軍でも1試合しか投げていない。まずは体作りだ。


 ロッテは3位でクライマックスシリーズ進出を決めたが伊東勤監督は「屈辱的な3位」と語っている。来シーズンのさらなる浮上には若手の活躍が必要不可欠だ。

 西武は来シーズン、田邊徳雄監督に代わる新監督を迎える。現時点では誰が監督になるかはわからないが、若手はアピールチャンスとしたい。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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