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春の珍事で終わるのか? 今季はひと味違うのか? プロ野球2016「春男(ハルオ)」3投手

 プロ野球が開幕して約1カ月。成績ランキングを見ていると、順調に結果を残しているおなじみの顔ぶれの中に、「おや?」と思わせる名前がチラホラと見受けられる。

 この突如ブレイクした選手たちは、何かきっかけを掴んだのか? それともこの季節特有の珍事なのか? 今回は絶好調の「春男(ハルオ)」を追いかける。

神ピッチを披露! ドラ1左腕覚醒のとき? 



 今季でプロ3年目となる阪神の岩貞祐太。1軍で登板しては抹消され、を繰り返していた昨季までとは見違えるようなピッチングを披露している。

 自身の開幕戦となった4月2日のDeNA戦で、7回を無失点に抑えたところから岩貞劇場が開幕。4試合で白星こそまだ1つだが、平均7イニングを投げ、防御率は0.95。見事なまでに先発としての役割をまっとうしている。

 この“神ピッチ”の要因は、持ち球の質が向上したことに加え、ストレートと同じ腕の振りで変化球を投げられていることが大きい。そうして打者を幻惑し、三振と凡打の山を築いている。

 この調子でいければ……というのが一番難しいのだが、まだ若いだけに夏場をしのぎきることができれば、左腕エースの座が見えてくるはずだ。


千葉ロッテに「三代目」春の妖精が誕生?



 井口資仁、荻野貴司と「春選手」の代名詞が多く所属するロッテ。これまでは打者だけだったが、いよいよ投手にも好影響が出始めたと思わせるのは、二木康太の台頭があったからだ。

 昨季の最終戦でプロ入り初登板を果たし、5回1失点と上々のデビューを果たした右腕。今季は初登板、2戦目と振るわなかったが、3試合目にプロ初白星を完投で達成。4試合目は負けはしたものの、ソフトバンク相手に8回を投げてみせた。

 ここまで挙げた2勝は、石川歩と並んでチーム2位。今やロッテ先発陣になくてはならない存在となっている。今後、首位をうかがうためにも、「春二木」と言われないよう先発ローテーションを守り切ってほしい。

ここ2年は6敗もしていた春を克服した投手とは?


 昨季終盤にヒジの手術を行った楽天の美馬学が、見事な復活劇を見せた。自身の開幕から2連勝。特に初戦は完封で飾るなど、まさに憑き物が落ちたかのような勝ちっぷりである。

 美馬自身、ここ2年は4月だけで計6敗を喫しており、春は苦手かと思っていた矢先のできごと。まして病み上がりということもあったので、見事という一言に尽きる。

 ちなみに2連勝のあとは、3戦連続で勝ち負けつかずという内容。しかし不安のある季節を黒星なしで乗り切ったのは、今後に向けて収穫になっただろう。エース・則本昂大を支え、釜田佳直や安樂智大といった若手を引っ張っていくためにも、5月以降の働きに期待がかかる。


「春男」三人衆の今後やいかに?


 終盤の大切な時期に調子を上げてくる「Mr.オクトーバー」などと違い、「春の珍事」などと合わせて、世間的にはあまりいい意味で使われない「春男(ハルオ)」。

 しかしシーズンの好成績というのは、開幕時からしっかりと成績を残していなければ達成することはできないものだ。

 今回挙げた3人には、キャリアハイはもちろん、何かしらのタイトルを取る可能性も十分にある。「春男(ハルオ)」から「夏男(ナツオ)」、そして「年男(トシオ)」になるべく、今後の活躍に期待したい。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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