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ふうさんデビュー、トラッキー・スラィリーのメモリアル…プロ球界マスコット10大ニュース(上半期編)

 今年も残すところあと1カ月。1年を振り返るべく、各メディアで「今年の10大(重大)ニュース」を特集する季節だ。そこで、球界マスコット事情をとりあげてきた本コラムでも、今年印象に残った10のニュースを挙げ、「マスコットこの1年」を振り返ってみたい。まずは上半期5つのニュースから。


ソフトバンク「ふうさん」デビュー! も、つば九郎にボコボコ


 今年、また一体のマスコットが球界デビューを果たした。電球のようなシルエット、しまりのない顔、圧倒的かつ無駄な巨体。そんな風貌をひっさげ、5月4日に突如現れたのがソフトバンクの新キャラクター「ふうさん」だ。

 実際は電球ではなく、ヤフオクドームでソフトバンクが勝利した後にファンが飛ばす白い風船がモチーフ。それゆえ、今年、圧倒的な強さで日本一を達成したソフトバンクの「勝利の使者」と呼ぶ……声はついに聞こえなかった。


 それよりもファンの間で話題になったのが、ヤクルト・つば九郎との因縁。交流戦でつば九郎が先輩風をふかせ、ふうさんめがけてバズーカ砲を発射! さらにのど輪攻め&蹴り、とやりたい放題。日本シリーズで再会するも、またもつば九郎に押し倒され、蹴りを入れられ、さらには逆さまにされるという、鬼の所業の三段コンポ。こちらの対戦ではヤクルトの圧勝となった。

阪神「トラッキー」、デビュー30周年も見せ場なし


 昨年のマスコット界は、つば九郎とドアラ、2大スターが揃って「デビュー20周年」ということでさまざまな企画が実施され、盛り上がりをみせた。今年、同様にメモリアルイヤーを迎えたのが阪神のトラッキー。1985年のデビューから今年で30周年を迎えた。


 ただ悲しいかな。今年の阪神といえば、球団創設80周年のメモリアルイヤーにして、伝説の1985年(唯一の日本一、バックスクリーン3連発などなど)から30周年ということで、そちらの記念行事が目白押し。トラッキーの30周年を祝う大々的な催しは残念ながら行われなかった。

 ただ、1985年デビューといっても、このときはバックスクリーン用のアニメーション。着ぐるみとしてのデビュー(&命名)は1987年だ。30周年記念のイベントはきっと2年後……と期待したい。

広島「スラィリー」、デビュー20周年も見せ場なし


 今年、同じくメモリアルイヤーを迎えたのが広島東洋カープのマスコット・スラィリーだ。1995年7月29日の対中日戦でデビューしてから今年で20年。そのメモリアルイヤーを記念して、今季のプロ野球開幕日である3月27日、自身初となるフォトブック『スラィリー、じゃけん。〜遊び疲れた、宮島の帰り……』を発売した。

 この本の発売時、宣伝文句として掲げられたのが【菊池涼介選手、推薦! スラィリー、デビュー20周年記念1stフォトブック!】の文字。ところが、「1st」とうたっておきながら、「2nd」「3rd」の声は、その後いくら待っても聞こえなかった。売れなかったのだろうか?

 もしかして地元・広島では「2nd」「3rd」があったのかもしれない。ご存じの方がいればご一報いただきたい。


DeNA・スターマン本、謎の「発売5カ月延期」騒動


 今年、メモリアルイヤーとは関係なく、本を出したマスコットがいる。DeNAのDB.スターマンだ。ちょうどDeNAが首位争いを演じ、盛り上がりをみせていた5月22日、初のフォトブック『よこはまの星になる!』を出版した。

 ただこの本、当初の発表では1月末に発売される予定が、まるでドラクエの発売日のように何度も何度も延期された。本コラムの推測では、急遽退団が決まったグリエルとの大々的な絡みがあったのでは? としたが、結局、その原因は謎のママだった。

 謎、といえば、「DB」は何の略? という質問が以前あった。これは「デブ」ではなく、「DeNA Baystars」の略であるとともに、「(D)大好き(B)僕らのスターマン」という意味も込められている。ただ、新監督となるラミレスが丸々と太って登場し、「パフォーマンスは大丈夫?」と心配されているのと同様、スターマンも少しはダイエットしてみたほうがパフォーマンスはしやすいかもしれない。



裏・交流戦「セ・パ対抗マスコット対決」で感じた違和感


 今年のセ・パ交流戦では、マスコットによる新たな取り組みが行われた。それが、「裏・交流戦」と呼ぶべき、球団マスコットによるセ・パ対抗戦だ。

 対戦種目は「ダンス」「スプーン競争」「バッティング対決」「ロデオマシーン」「叩いてかぶってジャンケンポン」「ハードル対決」。個性も体格も運動能力もまるで異なる12球団のマスコットたちがweb上で真剣勝負を繰り広げた。ただ、気になったことがいくつかある。

 そのひとつが“既視感”。「野球史上、もっともユルい戦い」と紹介されたこれらの対決、昨年末に発売されたDVD『つば九郎&ドアラ 球界No.1マスコットは俺だ! 漢(おとこ)の十番勝負!』でも似たような企画があったのだ。そして、ユルさ、において、つば九郎&ドアラ組に敵うはずもなく……。

 そしてもうひとつ、この対決で気になったのが各マスコットの「キャッチコピー」だ。

“自由すぎるポッチャリつばめ”つば九郎(ヤクルト)
“身軽な橙魂戦士”ジャビット(巨人)
“燃える猛虎”トラッキー(阪神)
“お茶目ないたずらクリーチャー”スラィリー(広島)
“King of コアラ”ドアラ(中日)
“球界の食っちゃ寝ハムスター”DB.スターマン(DeNA)

“電光石火のイケメン鷹”ハリーホーク(ソフトバンク)
“北の神対応”B・B(日本ハム)
“ジャングルの頼れる白獅子”レオ(西武)
“さすらいのドルオタかもめ”マーくん(ロッテ)
“制御不能のあばれ牛”バファローブル(オリックス)
“みんなの心をわしづかみ”クラッチ(楽天)

 何だろう、決して間違っているわけではないが、何だか物足りないこの感じ……“球界の食っちゃ寝ハムスター”あたりはなかなか秀逸だと思うのだが。

 果たして来年の交流戦でも同様の企画が組まれ、このキャッチコピーがそのまま使われるのかにも注目だ。ちょっと違う、と感じるものでも、続けていけばそれがハマる場合もある。野球もマスコットも、継続は力なり、だ。

(下半期編は次回12月8日公開予定)


文=オグマナオト(おぐま・なおと)
1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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