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【プロ野球】ファームでもソフトバンクが優勝! タイトル争い&期待の若手は?(ウエスタン・リーグ編)

 前回のイースタン編に引き続き、今回はウエスタン・リーグの順位&タイトル争いを見てみたい。

 西日本のプロ野球を引っ張るニュースターは現れるのか!?

【順位】(9月23日時点)

ソフトB 107試合65勝33敗9分 --
広  島 106試合60勝41敗5分 6.5差
阪  神 117試合57勝53敗7分 14.0差
中  日 102試合40勝55敗7分 23.5差
ORIX 106試合32勝67敗7分 33.5差


 3軍制を敷き、なおかつ1軍は優勝した戦力で、選手層にスキなしのソフトバンクがファームでも優勝。4年連続の優勝はウエスタンリーグ史上初の快挙となった。チーム打率(.271)、チーム防御率(2.42)もトップで、充実した選手層が光る。近年の育成上手な一面が如実に現れているといえるだろう。

 2位の広島は、1軍経験のある野手が多く、こちらも選手層が厚い。ロサリオ、グスマン、シアーホルツなど、枠の関係で2軍出場した外国人もそれぞれ実力を発揮している。

 阪神、中日、オリックスは1軍の選手層の薄さから、少しでも活躍した選手はすぐに昇格している状態。特にオリックスは投打に目ぼしい選手がおらず、先行きもあやしい。

【打撃部門】
≪打率≫

1 上林誠知(ソ)  .330
2 カニザレス(ソ) .316
3 安部友裕(広)  .303

≪本塁打≫
1 カニザレス(ソ) 17
2 江川智晃(ソ)  16
3 猪本健太郎(ソ) 15

≪打点≫
1 カニザレス(ソ) 53
2 猪本健太郎(ソ) 51
3 奥浪鏡(オ)   50

 1軍選手層が厚すぎるソフトバンクの選手が主要3部門をほぼジャック。なかでもカニザレスはファーム三冠王も狙える位置だ。李大浩、サファテ、バンデンハーク、スタンリッジと欠かせないピースが揃っているだけに1軍出場はわずか14試合だが、「2軍抑留」と言われても仕方がないほどの好成績を残している。他球団であれば、即1軍外国人枠に食い込める人材。1軍で見てみたいと思うファンも多いはずだ。

 猪本、江川はやはり実力上位。あとは1軍での少ないチャンスを生かすことに尽きる。高卒2年目の上林は早くも打撃開花の兆し。1軍デビューも果たし、来季は1軍定着を狙いたい。

 オリックス・奥浪も高卒2年目でさっそくスラッガーの片鱗を見せている。本塁打も8本と好位置につけており、.248とやや物足りない打率が上がれば1軍デビューも近い。

 広島の安部と下水流は、1軍での結果待ち。両者ともに20代中盤を迎え、「2軍の帝王」か1軍定着かの分岐点となる時期だ。


≪盗塁≫
1 上林誠知(ソ) 16
1 釜元豪(ソ)  14
3 牧原大成(ソ) 12
3 友永翔太(ソ) 12

 積極盗塁の指針で経験を積ませているソフトバンク。活きの良い若手が上位を独占している。特に牧原は49試合の出場でこの数字。昨年のウ・リーグ首位打者に引き続き、今年も打率.323(規定未満)と結果を残している。


 工藤公康監督も大いに期待しており、1軍でスタメン起用も。2012年に育成から昇格した牧原と同じく、釜元も今年7月に支配下登録されている。

【投手部門】
≪防御率≫
1 岩嵜翔(ソ)  1.50
2 千賀滉大(ソ) 2.00
3 東浜巨(ソ)  2.05

≪勝利≫
1 岩嵜翔(ソ)  10
2 千賀滉大(ソ)  9
2 加治屋蓮(ソ)  9

≪セーブ≫
1 ザガースキー(広) 10
1 飯田哲矢(広)   10
1 石崎剛(神)    10

 野手と同じく、1軍にスキのないソフトバンク勢が先発部門を総ナメ。岩嵜、東浜は1軍が優勝安全圏になったことから、すでに昇格している。しかし、2人とも1軍防御率は6点台と冴えない結果となっている。

 年功序列で次にチャンスが巡ってくるのは加治屋と千賀。千賀はスタンリッジの産休で巡ってきた1軍先発で7回無失点と結果を残したが、その1試合だけで御役御免。他球団であれば、先発ローテに食い込める可能性すらある。

 セーブ数でトップのザガースキーは外国人枠の不運。春に1軍で19試合で防御率2.40とまずまずの成績を残していたが、リリーフで絶好調のヒースに競り負けた形だ。

 ルーキーの飯田は抜群の制球力を見せた。投球回数20.2で与四死球は3個、防御率2.18。1軍では緊張からか四球が増える傾向にあるが、防御率は2.63と大きな崩れはなし。緒方孝市監督は四球を毛嫌いするタイプなので、本来の制球力さえ出せれば、勝ちパターンでの起用も見えてくる。

 阪神・石崎はセーブ数こそ上位だが、防御率4.21は物足りない。キレのあるストレートと鋭いスライダーは目を見張るものがあるが、アマチュア時代から指摘されている乱調癖が抜けていない。フォームが安定して制球力を増せば、2軍での好成績どころか1軍での活躍も見込めるだろう。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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