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FA宣言は大正解!? 西武を去っていった過去のFA選手から見る「岸孝之・成功の法則」


 FAで主力選手が移籍していくイメージがつきまとう西武。

 ここ2年は静かだったが、今年は岸孝之が宣言したことで負の歴史を繰り返そうとしている。

 岸の去就は今のところ不透明ながら、今回は過去の西武のFA選手を振り返りながら、岸がFA移籍すると仮定。新天地における岸の成功の確率を探ってみたい。

主軸ダダ漏れという黒歴史


 まずはおさらいとして西武からFAした選手を列挙する。

1994年:工藤公康、石毛宏典(ともにダイエー)
1996年:清原和博(巨人)
2003年:松井稼頭央(メッツ)
2005年:豊田清(巨人)
2007年:和田一浩(中日)
2010年:細川亨(ソフトバンク)
2011年:帆足和幸(ソフトバンク)、ミンチェ(オリックス)
2012年:中島裕之(現・宏之、アスレチックス)
2013年:涌井秀章(ロッテ)、片岡易之(現・治大、巨人)
(カッコ内はFA移籍先のチーム)

 20年で12名。あらためてすさまじいまでに主力が流出していることがわかる。

 次の章では、FA移籍した選手の「西武での最終年」と「移籍1年目」の成績から、FA成功と思われる選手をピックアップしてみる。

FA移籍1年目の成功確率は3割!?


【FA移籍で成功した選手】
工藤公康:11勝7敗(22先発)→12勝5敗(22先発)
清原和博:31本塁打/84打点(130試合)→32本塁打、95打点(130試合)
和田一浩:49打点(138試合)→74打点(136試合)

【FA移籍でやや成功した選手】
片岡易之:9盗塁(72試合)→24盗塁(126試合)

【FA移籍で及第点だった選手】
涌井秀章:5勝7敗(11先発)→8勝12敗(26先発)

 海外移籍の松井と中島は比較しにくいので、残る10名の成績を比較。成功といえるのは3名、やや成功と及第点がそれぞれ1名というイメージだ。

 ちなみに「成功」の3選手に共通しているのは、「西武最終年も1軍で自分の仕事を全うした」こと。和田は打点がドンと増えているが、清原と工藤は前年比でほぼ横ばい。成績を落とさないことも、立派に「成功」の部類に入る。

 「やや成功」の片岡はケガに泣かされたとはいえ、FA移籍したからにはこれくらいの成績は残さないと、という思いからこの評価に。

 涌井は中継ぎに回されることが多くなった状況で、「先発」を希望してFA。しかし移籍先のロッテでは26度の先発を任されながら、勝ち星を2ケタに乗せられなかったので「及第点」とした。


勝ち組になる可能性を秘める岸


 これらを踏まえて、岸の今季の成績を見てみよう。

 19度の先発機会で、防御率2.90、9勝7敗、投球回数130回1/3、104奪三振。

 今季は序盤に無理使いをされたことで離脱。それが響いて2ケタ勝利に届かなかったので、情状酌量の余地あり。

 と考えると、移籍先での1年目は「成功」、もしくは「やや成功」になりそう。無理使いをしてこの成績なので、無理使いをさせなければ3年ぶりの2ケタ勝利達成も明るい。

 岸の出身地である東北のチームが獲得すると噂されているが、どの球団にとってもいい買い物になるはずだ。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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