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甲子園は1回戦から目が離せないカードに!…今週の野球みどころランキング[8月6日(火)〜8月12日(月)]

 『今週の野球みどころランキング』は、8月第2週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!


名門・近畿大が不祥事で秋季リーグ出場辞退
―――大学野球

 まずは残念な話題から。

 古くは元ロッテの有藤通世(登録名は道世)氏や、現在プロ野球で活躍するオリックス・糸井嘉男、楽天・藤田一也らを輩出し、今春には8季ぶり44度目のリーグ優勝を果たした名門に激震が走った。

 近畿大学は2日、硬式野球部員が窃盗容疑で7月25日に逮捕されたことを明かし、31日から開幕する関西学生野球秋季リーグを辞退すると発表した。

 逮捕されたのは18歳の1年生で、5月8日の夜に65歳女性のバッグをひったくり、現金4万2000円を奪った疑い。逮捕翌日の26日に榎本保監督は浦崎直浩野球部部長とともに辞任を申し出ており、大学側も近く受理する方向だ。

 部員1人の蛮行で選手・関係者全員が重い処分を受けることになってしまったが、近大では2009年にも、関西学生リーグを36連覇するなど超名門だったボクシング部で2人の部員が強盗容疑で逮捕され廃部(今年になり復部)となっていた。その経緯もあり厳しい処分となったようだが、ラストシーズンを迎えるはずだった4年生や入退院を繰り返しながらも指導にあたっていた榎本監督の「大学野球」が奪われてしまったのは残念でならず、いたたまれない。

上原が絶好調、ソリアーノが名球会入会!?
―――MLB

 ダルビッシュ有(レンジャーズ)が2年連続で大台に到達した。
 1日のダイヤモンドバックス戦で先発すると、7回5安打無失点に抑え10勝目を挙げた。これで16勝を挙げた昨年に続き2年連続の二桁勝利となった。

 昨年同じレンジャーズでダルビッシュとともにプレーした渡米5年目の上原浩治(レッドソックス)が現在絶好調だ。4日のダイヤモンドバックス戦で4点リードの9回にマウンドへ登ると、1安打1奪三振で無失点。これで12戦連続無失点とした。また同チームの田澤純一も、3日のダイヤモンドバックス戦で2点リードの8回の無死満塁から登板。最初の打者にタイムリーを浴びたものの、後続を抑え無失点。20ホールド目を挙げた。日本人リリーバー2人が、激戦続くア・リーグ東地区の中で首位を走るチームの欠かせない原動力となっている。

 そのレッドソックスを8.5ゲーム差、ワイルドカード争いでレイズとインディアンズを3.5ゲーム差(4日現在)で追うヤンキースは黒田博樹が31日のドジャース戦に先発。7回を投げ5安打8奪三振で無失点の好投。だがヤンキース打線の援護を受けられぬまま、8回に代打を送られ降板した(ナ・リーグとの交流戦でアウェーの指名打者制なし)。11勝目はお預けとなった。

 イチローは7月31日〜8月4日の間に行われた5試合全てに出場(うちスタメン3試合)し、12打数2安打。昨年チーム最多の44本塁打を放ち、左手小指骨折で離脱していた外野手のカーティス・グランダーソンが2日に復帰。現在の調子などを考えると、あと14本(4日現在)に迫った日米通算4000本安打にも影響が出てきそうだ。

 またトレードでヤンキースに復帰したアルフォンソ・ソリアーノは3日のパドレス戦で1安打を放ち、これでMLB通算1996本安打。節目の数字まであと1歩となってきた。ここで気になるのが、広島在籍時(1996-97)に記録した2安打。これを足すと日米通算1998安打ということになり、名球会の入会条件となる「(日本でキャリアをスタートし)日本国内ないし日米通算で2000本安打」という条件を満たすまであとわずか。これにソリアーノ本人は、名球会に入ることができれば喜ばしいという旨の発言をしたが、名球会の存在は日本のメディアの質問で知ったようだ。

 一方、名球会は“日本でわずか2安打”であるソリアーノの入会が妥当かどうかということは、12月の総会にて話し合われる予定とのことである。

※この項目はすべてアメリカ現地時間で表記しています。

マー君15連勝、今夏も様々な限定ユニフォーム
―――NPB

 田中将大(楽天)の開幕からの連勝記録がついに日本記録に並んだ。
 2日に行なわれた日本ハム戦で田中は先発し、8安打1失点12奪三振で完投。チームも4−1で勝利し、これで先日、現役復帰断念を発表した斉藤和巳氏(元ソフトバンク)が2005年、間柴茂有氏(元日本ハムほか)が1981年に達成した開幕15連勝に並ぶ日本タイ記録となった。

 この3人を比べてみても田中の成績は圧巻。間柴氏は3点台、斉藤氏は2点台の防御率での達成となったが、なんと田中は防御率1.26。リードを許しての降板も1つたりともあらず(これは斉藤も同様)、すべての試合で3失点以下、1失点以下の試合は12試合とチームに多大なる貢献をしている。現在首位につける楽天と田中の快進撃がどこまで続くか楽しみだ。

 この田中と同じく、甲子園優勝投手となりプロの世界に進んだ藤浪晋太郎(阪神)は4日の巨人戦に先発。6回6安打無失点の好投を見せ、7勝目。阪神の高卒ルーキーが巨人戦初登板で白星を挙げたのは、大投手・江夏豊氏以来46年ぶりの快挙となった。なお、先発での勝利は球団初。

 今夏も各チームで趣向を凝らした限定ユニフォームが発表されている。
 中でも度肝を抜くデザインなのが広島で、なんと全身デニム柄の超斬新ユニフォーム。8月23日〜25日にマツダスタジアムで行われるヤクルト戦で着用する予定となっている。

 パ・リーグは『レジェンド・シリーズ2013』 を開催。8月30日〜9月1日、9月3日〜5日の6日間18試合で自球団の歴史や伝統に関係するユニフォームを着用してプレーする。

 日本ハムが東京ドームを本拠地にしていた時代、西武は1980〜90年代の黄金期、ロッテは川崎球場を本拠地にしていた時代、オリックスは「がんばろう KOBE」のスローガンで初優勝した際のブルーウェーブ時代、ソフトバンクは南海ホークス時代のユニフォームをそれぞれ着用する。なお創設9年目の楽天は現在のユニフォームを使う。

 ここで紹介した以外にも限定ユニフォームが披露される予定であるので、花火などのイベント情報とも合わせて、各球団HPでチェックしていただきたい。

広島大会で大投手戦、最激戦区神奈川大会の栄冠は横浜に
―――高校野球

 各地で激戦が続いた今夏。中でも広島大会決勝戦の瀬戸内vs広島新庄の一戦は、左右のプロ注目投手2人が球史に残る大投手戦を演じた。

 28日に行われた決勝戦で、広島新庄のプロ注目左腕・田口麗斗(かずと)が15回を投げ13安打されながらも、圧巻の19奪三振で瀬戸内打線を無失点に抑えると、瀬戸内のプロ注目右腕・山岡泰輔は15回でわずか1安打しか許さず15奪三振。

 互いに一歩も許さずスコアボードに「0」が30個並ぶ0−0の延長15回引き分け再試合に。

 再試合は1日の休みを挟み30日に行われた。この再試合でも息詰まる投手戦。またもスコアボードに「0」が並んでいったが、ついに8回瀬戸内が広島新庄・田口を捕らえ、先制。この援護に山岡も応え、直後の9回も無失点に抑え、ついにこの大投手戦に終止符が打たれた。山岡の力投で瀬戸内が13年ぶりに夏の甲子園切符を手にした。

 一方敗れた田口も、予選を通じ6試合63回を投げて自責点はわずかに4の堂々たる内容。プロ志望届を提出する意向のようで、地元の広島などが今秋のドラフトで上位指名を狙っているとされている。


▲田口麗斗(広島新庄)



▲山岡泰輔(瀬戸内)

 同じく30日には神奈川大会の決勝戦が行われ、横浜が平塚学園を3−0で下し2年ぶり15回目の出場を決めた。今年は決して前評判の高いチームではなかったが、春季大会で桐光学園の松井裕樹に完封負けを喫してから奮起。その松井擁する桐光学園に準々決勝で雪辱を果たすと、勢いに乗り、全国最激戦区と呼ばれる神奈川の頂点に立った。神奈川大会で敗れた189校(全国最多)の想いも背負い、聖地・甲子園球場に乗り込む。

甲子園全出場校決定、8日開幕
―――高校野球

 7月31日に仙台育英、愛工大名電が甲子園出場を決め、これで全49地区の出場校が決まった。

 各地で強豪校が敗退する中、センバツ優勝の浦和学院は危なげなく春夏連続出場。史上8校目の春夏連覇を目指す同校は、埼玉大会の準々決勝でエースの2年生左腕・小島和哉が完全試合を達成するなど、予選を通じ50回を投げわずか3失点。決勝戦では猛打も爆発し、16−1の大勝と無敵の強さを見せつけ甲子園に乗り込んでくる。

 また夏2連覇を目指す大阪桐蔭は、激戦の大阪大会を制し2年連続出場。主将でプロ注目の捕手でもある森友哉を中心に史上7校目の夏連覇に挑む。

 この大阪桐蔭と鳴門が今大会最多の4季連続出場。夏の最多連続出場は9年連続を目指した智辯和歌山が地方大会で敗退したため、聖光学院の7年連続が最多となった。

 初出場は10校。これは昨年の倍となる。帯広大谷、弘前学院聖愛、富山第一、上田西、西脇工、桜井、有田工は春夏を通じ初めての出場だ。一方、最多出場は仙台育英の24回となった。


 8日の開幕に向け甲子園球場での公式練習は2日から4日間行われ、5日に組み合わせ抽選が行われた。

 注目のカードは第1日から大阪桐蔭が登場。対戦相手は近年成績の良い日本文理。第2日の第1試合に聖光学院vs愛工大名電が組まれた。深紅の優勝旗を東北に持ち帰りたい聖光学院と1988年の勝利以来、夏の甲子園で勝っていない愛工大名電の対決。勝ちたい気持ちはどちらが上回るだろうか。第3日には浦和学院vs仙台育英という決勝でもおかしくない名門校同士の対決が実現。さらに、浦和学院はセンバツ優勝、仙台育英は昨秋の明治神宮大会優勝、と現在のチームで全国優勝を果たしている対決でもある。

 第6日は第1試合に、神奈川大会で桐光学園を負かした横浜が丸亀と対戦。第2試合は日大山形と日大三の日大対決となり、第3試合は花巻東vs彦根東の「東」対決、第4試合には壮絶な広島新庄との決勝戦を演じた瀬戸内が明徳義塾とぶつかる。第6日は目が離せない好カードが揃った。そして、第7日には済美が登場。愛媛大会で157キロを記録した安樂智大は甲子園でどのようなピッチングを見せてくれるのだろうか。

 また、今大会からその都度抽選で対戦相手が決まっていく方式に戻った。初戦の組み合わせ結果で説明すると、49校目に登場する常葉学園菊川の対戦相手は開幕試合の大垣日大vs有田工の勝者であるのが近年の通例だったが、今大会の方式だと1日目に行われる3試合の勝者のいずれかと対戦する、ところまでしかわからない。

 最後に選手宣誓は15人の主将が立候補し、抽選の結果、杉浦大斗(帯広大谷)に決まった。この記事でも何度か取り上げたように、兄は國學院大の投手で今秋の有力ドラフト候補として挙げられている杉浦稔大。選手宣誓の立候補も「思い出になるはずだから」と兄に背中を押されたようだ。

 負けたら終わりのトーナメント、次がわからないほうが一戦一戦に集中でき、高校生にはいいのかもしれません。観戦側はスケジュールが立てにくいかもしれませんが…。そんな甲子園開幕は8月8日です!

■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


<<野球界の主なスケジュール>>
女子プロ野球関連

8月11、12日『ティアラカップ仙台大会〜女子野球祭り2013〜』
 11(土)、12日(日)ともに仙台市民球場で開催。第1試合は11時試合開始、第2試合は13時半試合開始予定

 また、今大会は「宮城県民感謝デー」を実施し、宮城県在住、在勤または在学であることを確認できるものを持参すると、当日券が1000円となります。

 限定のエイエイオーカードの先着順での配布が予定されています。

2013年度合同トライアウト開催のお知らせ
 日本女子プロ野球リーグでは、2013年度合同トライアウトの開催が決定いたしました。今年度は、関東・関西の二拠点での開催を予定しています。

◆関東会場◆
◎日時:2013年9月5日(木)9:00〜18:00終了予定(受付開始8:00)
◎場所:越谷市民球場

◆関西会場◆
◎日時:2013年9月6日(金)9:00〜18:00終了予定(受付開始8:00)
◎場所:わかさスタジアム京都

※両日、同じ内容となりますので、どちらかの会場にご参加ください。
※雨天時は、中止する場合がございます。ご了承ください。

◆受験資格◆
・2014年4月1日時点で満30歳未満の女性であること。
※在学中の者は、2014年3月、高校・大学・各種専門学校を卒業見込みであること。
※未成年者は保護者の承諾が必要となる。

【締め切り】
2013年8月29日(木)必着

詳しくは女子プロ野球公式HPでご確認ください。


アマチュア野球スケジュール

☆高校野球☆
8月8日〜 選手権大会(甲子園球場)
8月30日〜 第26回18U世界野球選手権大会(台湾)

★大学野球★
8月10日、11日 第4回東北地区3連盟大学野球対抗戦(岩手県営球場)
8月23日〜26日 東都大学野球・新人戦(神宮球場)
8月31日 東京六大学野球オールスターゲーム in 静岡(草薙球場)
8月末〜  各リーグで秋季リーグ戦が開幕

◎社会人野球◎
8月12日〜15日 JABA北海道大会(札幌円山球場ほか)
8月末より順次 日本選手権第2次予選スタート
9月6日〜9日  クラブ野球選手権(西武ドーム)


プロ野球の主な予定

12球団それぞれで夏のイベントを実施しています。詳しくは各球団のHPでチェック!

開催中〜8日 マツダオールスターゲーム2013 チャリティーオークション
8月17日〜21日 NPBガールズトーナメント(昭島市民球場ほか)
8月30日〜9月1日
9月3日〜5日 『レジェンド・シリーズ2013』パ・リーグ6球団合同イベント

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