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東都大学リーグ戦閉幕後……そして大学選手権、入替戦へ

●拓大史上初の1部個人タイトル受賞! そして新人賞に輝いたのは?

 東都大学リーグ春季リーグが閉幕して約2週間。1部の優勝決定戦となった亜細亜大vs國學院大は劇的な幕切れだった。

 優勝の喜び、涙を味わう亜細亜大ナインの一方で、國學院大の選手たちは涙に暮れていた。そんな悲喜が入り混じった余韻が残る中で行われた閉会式。

 1部の最優秀選手賞と最優秀投手賞は亜細亜大の山?康晃(4年・帝京高)がダブル受賞。

 首位打者には拓殖大・水野敬介(4年・静清高)が輝いた。拓殖大にとって初めてのタイトル受賞選手となった。


▲首位打者を獲得した水野。拓殖大野球部に新たな歴史を刻んだ

 水野を追いかけていた國學院大・小木曽亮(4年・中京大中京高)は、一時は水野を上回る打率を残すも、最終戦でノーヒットに終わり獲得を逃した。

 新人賞は青山学院大・遠藤康平(1年・常葉学園菊川高)。全試合ショートでフル出場を果たし、打率.324とベスト10入りを果たす大活躍ぶり。一方の守備では4失策と苦しんだが、こんなシーンがあった。

 中央大との順位決定プレーオフ試合前の打撃練習中、ポジションについていた遠藤がセンター前に抜けようかという当たりに対し、素早い反応と脚力を見せて追いつき、不安定な体勢ながらも一塁へストライク送球を見せた。捕球した位置は、二塁ベースよりも少し一塁寄り。もちろん打者走者はいなかったが、恐るべきポテンシャルの高さを見せつけられた。

 まだ青山学院大は1部残留をかけた入替戦(6月16日からの予定)という大切な試合が残されているが、来季以降の活躍が大いに楽しみな存在だ。

▲鮮烈なデビューを飾った遠藤(中央)

●日本一をかけた戦いが開幕

 本日より全日本大学野球選手権大会が開幕した。東都大学リーグ代表の亜細亜大は昨年、決勝戦で上武大に敗れて準優勝。2011年に東洋大学が優勝して以来、東都代表は日本一の栄冠から遠ざかっている。

 数字にしてみればそれほど期間は空いてないように思うが、実は3年連続で東都以外の連盟が優勝するというのはこの約25年では起こっていない(1987年〜1989年以来)。つまり少なくとも3年に1度は東都を勝ち上がった大学が優勝を果たしてきていたことになる。

 特にエース・山?にとってはこの大会にかける思いは人一倍だろう。昨年の決勝では先発するも、6回途中でマウンドを降り、敗戦投手になっている。

 今春リーグ戦では5勝(2敗)をマークしたが、安定性に欠いた印象がある。しかし、最終カードの國學院大戦ではエースの意地を見せつけた。今シーズン、140キロを超えるボールを投げたピッチャーは決して多くない。山?も140キロ台のボールはそれほど多くないが、ピンチの場面など、ここぞの一球では140キロ中盤の速球で打者を手玉に取っている。リーグ戦では1部最多となる69回2/3を投げた鉄腕が、全国の舞台でどのようなピッチングを見せてくれるのか楽しみにしたい。

 また、攻守にわたっては北村祥治(3年・星稜高)に注目したい。

 東都のあるキャッチャーは、亜細亜大で一番、「打席での雰囲気」を感じると北村を評していた。セカンドとしての守備も非常に安定しており、これまでの5シーズンでわずか3失策。ベストナインも今春を含めて3度受賞している。

▲長打力のあるバッティングも魅力的な北村

 リーグ戦の亜細亜大は1番、2番がなかなか定まらなかった打順も、藤岡裕大(3年・岡山理大付高)と北村で最終的に固定。1年時から亜細亜大の連覇をグラウンド上で支えてきた経験豊富な2人がどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

 全国26連盟の代表が集結し、日本一の栄光をかけて争う大学選手権は、本日より6日間、神宮球場と東京ドームで行われる。


■ライタープロフィール
山田沙希子(やまだ・さきこ)/東京都出身。早い時期から東都大学リーグの魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速。ナックルボールスタジアム主催のイベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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