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シーズンの行方を占うプロ野球開幕戦!? 開幕投手にまつわる奇策と記録

 3月27日(金)に開幕したプロ野球。ファンの期待を背負い緒戦のマウンドを担う開幕投手にまつわる奇策、記録をクローズアップしてみた。

▲日本ハムvs楽天の開幕戦ではプロ3年目で初となる大谷翔平(日本ハム)と新人から3年連続で務める則本昂大(楽天/写真)の投げ合いとなった。

開幕戦にも相性あり!?


 各球団がエースを立て、シーズンの緒戦を戦う開幕戦。NPBでは近鉄で活躍した鈴木啓示が1967〜1974年、1977〜1980年、1984、1985年と歴代最多となる14回開幕投手を任され、歴代最多の9勝を挙げている。

 また、阪急で12年連続開幕投手(1975〜1986年)の金字塔を打ち立てた山田久志も、歴代記録の5連勝を含む8勝2敗と開幕戦との相性抜群だった。

 この連勝記録に挑むのが、今季ソフトバンクの開幕投手に内定している攝津正だ。攝津は2012年から3年連続で無傷の3連勝を挙げており、今年勝利すれば山田久志、稲尾和久(元西鉄)、斎藤雅樹(元巨人)に並ぶ開幕戦4連勝。山田久志の5年連続勝利の連勝記録にリーチがかかる。

 反対に開幕戦を苦手としている投手もいる。その筆頭が三浦大輔(DeNA)だ。1999、2002、2004〜2007、2009年と過去7回開幕投手を任された三浦だが、結果は0勝7敗で歴代ワーストの連敗。2007年に至っては、プレーボール直後の初球を高橋由伸(巨人)にライトスタンドに運ばれ、史上2人目となる開幕戦先頭打者初球本塁打も献上している。

 連敗というわけではないが、広島の開幕投手に内定しているマエケンこと前田健太も過去4回の登板で1勝2敗、防御率3.96と相性は今ひとつ。今季期待を集めるカープの初陣を白星で飾れるか注目したい。

ゲン担ぎ、復活祈願……奇策もあり


 開幕投手はエースでなければならないというルールはない。それを逆手に取ったのが1996年のロッテだ。伊良部秀輝、小宮山悟、エリック・ヒルマンと好投手を擁し、前年2位となったロッテだが、新たに就任した江尻亮監督は開幕戦の対戦相手であるダイエーと相性のよい園川一美を大抜擢。前年成績は8勝9敗、防御率3.52と平凡だった園川だが、指名に奮起し、5回途中まで2失点でまとめ、勝利に貢献。敗戦したダイエーの王貞治監督は「開幕投手には格というものがあるだろう」と悔し紛れに語った。

 そんな王監督であるが、王監督自身も開幕投手の起用で奇策を打っている。2000年の開幕投手に、エース格の若田部健一らではなく西村龍次を指名したのだ。ヤクルト時代の1992〜1993年、ダイエーで1999年と開幕投手を務めた年のすべてでチームが優勝した縁起を担いだ形。前年度は及第点の成績だった西村だが、この年はケガの影響もあり、開幕戦のみの登板に終わる。

 しかし、チームが優勝したこともあり、王監督は翌年の2001年もなんと西村を開幕投手に。優勝率100パーセントのゲンを担いだが、この年は優勝を逃し、西村も2試合登板で同年引退した。

 一方で、願いを込めた開幕投手起用もある。中日は2004年に川崎憲次郎、2014年に川上憲伸と「復活」の期待を込めた起用をしている。

 2013年にWBCでの疲労が残る田中将大(現ヤンキース)に代わって、NPBでは29年ぶりの新人開幕投手となった楽天の則本昂大は将来を嘱望されての大抜擢。その年、期待に応えて新人王を獲得。今年も3年連続の開幕投手となり、新人の年から3年連続で開幕投手を務めるのは1958年〜1960年の杉浦忠(元南海)以来2人目だという。

 スタートダッシュのカギを握る開幕投手。チームに勢いをつけた投手は誰だったのか?

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