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オコエだけじゃない! 高校野球・甲子園大会で魅せたハーフ&留学生球児列伝

 熱戦が続く夏の甲子園。ここまでの試合で最も目を引いた選手の一人が、関東一のオコエ瑠偉だ。


 オコエはナイジェリア人の父と、日本人の母の間に生まれたハーフで、その身体能力は「超」が付くほどに抜群。特に走力はプロ野球トップクラスの選手にも引けを取らず、チーム内外から「チーター」と呼ばれているほどだ。

 既に関東地区では「オコエの俊足は一見の価値あり」と評判高かったが、そんなオコエがついに全国舞台に登場。11日の高岡商戦に1番中堅手で出場すると、いきなり強烈な流し打ちで一塁手を強襲。ボールがグラブを弾き、ファウルグラウンドを転々とする間に目にも止まらぬ速さで二塁に到達した。

 ボールを弾いた一塁手も考えていなかったであろうアグレッシブな走塁でいきなり甲子園を沸かせると、打者一巡の攻撃を見せた3回には2打席連続の三塁打。聖地・甲子園でも自分の武器を遺憾なく発揮した。

 オコエをはじめ、近年の高校野球ではハーフ球児や留学生の活躍が目立っている。そこで、近年の甲子園の舞台で輝いた彼らを振り返ってみよう。

ダルビッシュ有(東北)

 イラン人の父と日本人の母を持つダルビッシュ有。2年生になる2003年センバツで甲子園デビューすると、そのモデル体型と端正なマスクで人気が爆発。ケガと戦いながらも4季連続で甲子園に登場し、12登板で防御率1.47と抜群の成績を残した。

◎ダース・ローマシュ匡(関西)
 ダルビッシュ二世と呼ばれたのは、元日本ハムのダース・ローマシュ匡(たすく)だ。父がインド人、母親が日本人のハーフであるダースは、2年次の2005年夏に甲子園初出場を果たすと、翌年はエースとして春夏連続出場した。

 センバツではのちに日本ハムでチームメイトとなる早稲田実業の斎藤佑樹と延長15回引き分けと再試合の壮絶な投げ合いを演じた末に敗れ、リベンジを期した夏の甲子園では、1回戦で文星芸大付に最大5点差をひっくり返されサヨナラ負け。マウンドにうずくまり、地面を叩く姿は高校野球ファンの心に強く残っている。

伊藤ディエゴ&奥田ペドロ(本庄一)

 2008年夏、甲子園初出場の原動力となったのがブラジルからやってきた日系ブラジル三世の伊藤ディエゴと奥田ペドロだ。

 ブラジルヤクルト商工が設立した野球アカデミー「セントロ・トレイナメント・ヤクルト」でしのぎを削った彼らは、高みを目指して正真正銘の野球“留学”。ついには聖地への切符をつかみ取り、1回戦で奥田はサヨナラ本塁打を放つ活躍を見せた。

 卒業後、伊藤は大学野球に挑戦。奥田はマリナーズ傘下に入り、2013年のWBCではブラジル代表メンバー入りを果たした。

 その他にも昨夏の甲子園では、佐久長聖のマッカーシー龍海鳩(りゅうみっく)、近江のサラサルアレキサンダー英二など、名前が驚きの長さのハーフ球児も登場している。

 国際化が進む時代だけにハーフ球児や留学生球児はこれからもどんどん増えるだろう。韓国や台湾から日本の高校野球に挑戦する話題も多い。卓越した身体能力、ハングリー精神あふれるプレーを見せる彼らの一層の活躍に期待したい!

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