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2年連続で全チームが同じ順位だったセ・リーグ! 今シーズンに動きが見られるかどうか戦力分析【前編】

 パ・リーグに引き続き、今週からはセ・リーグの順位予想です。黒田博樹の広島復帰&鳥谷敬の阪神残留と、年末年始も話題が堪えなかった選手移籍の最新動向も交えながら、今季のセ・リーグ順位予想を野球太郎編集部とライター陣による座談会で繰り広げます。まずは、昨季のセ・リーグBクラス(6位:ヤクルト、5位:DeNA、4位:中日)の3球団についてです。


◎東京ヤクルトスワローズ
FAで2選手を獲得も、チームを大きく押し上げる要因にはならず?

(※予想……高橋:6位/蔵:4位/持木:3位/菊地:6位/鈴木:5位/西山:4位)

鈴木 まずは、2年連続で最下位のヤクルトに関して。このオフは、ヤクルトにしては珍しく出入りが激しかったかと思います。

高橋 いつもドラフト以外の補強には奥手なヤクルトがなんとFAで2選手(ロッテから成瀬善久、日本ハムから大引啓次)を獲得。これはヤクルトにしては凄いことです。

 毎年ケガ人に泣かされていますが、さすがにもう出尽くしたのではないかと。ケガさえなければ、もうちょっと地力はあるはずだし、球団のやる気も感じられるので、今季は期待できそう。監督も小川(淳司)さんから真中(満)監督に代わったし、1年目はみんなちゃんとやるはずです(笑)。

高橋 弱かった投手陣に成瀬が加わったのはいい補強。ただ、成瀬はコントロールはいいけど、ホームランを打たれやすい投手です。特に神宮はホームランが出やすい球場なので、そこがどう出るか?

持木 成瀬が来たことでプラスになったというよりは、マイナスからようやくゼロになった、という感じがしています。ドラフトでは、補強というよりも、1年目から使えるような投手タイプばかりをとった印象です。

 新人選手に関して言えば、1軍に入ってくる投手はいるだろうけど、チームを引き上げるかといえば……正直厳しいと思います。

持木 ヤクルトの場合、「即戦力」という意味が難しい。1軍で使おう、というのと、実際に成績を残してほしい、では意味がだいぶ違う。ヤクルトの場合は前者ですよね。

 つくづく、安樂(智大)のクジを外したのは将来的な意味も含めてダメージが大きい。

鈴木 では、野手はどうでしょう? ヤクルトといえば、昨季は山田哲人を中心に打撃陣の活躍は目立ちました。破壊力に関しては12球団イチと言ってもいいかと思います。

高橋 バレンティンもアキレス腱の手術からどう回復してくるのか?

菊地 守備に関しても、外野はバレンティンがいる限り不安です。ミレッジもいますし。


高橋 確かに、バッティングは控えクラスも含めていい選手が多くて、本当に球場で観るのが楽しい球団。でも、守りはまだまだといったところです。

持木 大引は、守備を期待して獲得したんですよね? 今まで、大引みたいな選手をとってきたのはなんだったんですかね。西浦直亨あたりは丸かぶりです。大学まで同じ法政大だという。

 あと、FAで捕手の相川亮二が巨人に移籍しました。そこがどうなるか? 僕、あまり中村悠平を買ってないんですよ。投手陣が崩れるのを止める工夫があまり感じられません。

菊地 去年の順位予想でも言ったことですが、ヤクルトは畠山和洋とか村中恭兵とか、生でこそ観たい選手がとても多いチームです。素質の高い選手も多く、それもあって去年は1位に推したんですが……さすがにもう懲りました(笑)。

高橋 そう考えると、トータル的には「ひとつ上がる」というのが妥当な予想なんじゃないでしょうか。


◎横浜DeNAベイスターズ
いよいよ初のCSへ!? しかし、課題も多く、険しい道のり

(※予想……高橋:4位/蔵:6位/持木:4位/菊地:3位/鈴木:3位/西山:3位)

鈴木 続いて、何かと話題は多いDeNAです。なんと、座談会メンバーの3人がAクラス入り、2人が4位予想です。そんな中、横浜ファンの蔵さんだけが最下位予想と厳しめの評価ですが。

 昨季のDeNAは、終盤の大事なところで打てませんでした。打線のやる気がまったくなかった。もうチームにおける中畑清監督の求心力がないのでは? と感じられました。戦力以外でのそういう部分をみて最下位評価にしています。

菊地 ただここ数年、ファンクラブも含め、フロントや球団のやる気は感じられます。長谷川晶一さんの『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた!』でも、ファンクラブが改善されていったチームは数年後に強くなる、とありました。オーナーも球界初の女性オーナーとして南場智子さんが就任して色々とやってくれそう。こういった点がそろそろ実を結んでもいいのではないかと期待しています。

鈴木 戦力的にも、筒香(嘉智)と梶谷(隆幸)が昨季ブレイクして、いよいよチームを引っ張ってくれるのではないかと期待したくなりますが。

 筒香は人間的にすごく成長しましたよね。あとは、鈴木尚典みたいに20本塁打がやっとなのか、30本打てる選手になれるのか。ますます大事な年になると思います。ひょっとしたら梶谷のほうが30本打つ選手かもしれない。個人的には3割50盗塁30本を期待できる選手だと思います。

▲盗塁王を獲得した梶谷にはますますの期待がかかる

鈴木 DeNAの課題は捕手ですよね。

 昨季は何人も併用されましたけど、やっぱり黒羽根(利規)です。全てにおいて岡(賢二郎)より上ですし、城俊人はまったく打てないので。去年も、黒羽根が骨折で抜けた時期に連敗が多かったですから。ただ、黒羽根の場合、低めの球の捕球に難があるので、落ちる球を持っている選手からの信頼がイマイチです。

持木 あと黒羽根は、タバコを辞める・辞めないで球団と揉めたのがどう影響するのか。黒羽根以外でも、DeNAは社長とコーチが口論、なんて話題がよく出ます。球団として改革しようと思ってのことなんでしょうけど、それがいい方向に作用しない雰囲気がある。

鈴木 投手陣はどうでしょう?

高橋 取材してみて、「意外にいいな」という印象です。山口俊に井納翔一、そして久保康友。あとは、モスコーソが元々フライボールピッチャーだったはずなのに、昨季途中から急にグラウンドボールピッチャー、いわゆるゴロを打たせていくピッチングに変わって結果が出るようになりました。その原因を探ったら、なんと日本に来てツーシームを覚えたという。

 確かに、昨季の中盤以降、一番安定感があったのがモスコーソでしたね。あと、個人的に期待しているのは三嶋一輝ですね。去年はキャンプで調子が悪かったのに、中畑監督が「開幕だぁ!」と突き進んじゃって、結果、悪いままずっと進んでしまった。今年はもう少しやってくれると思います。

鈴木 新加入選手で気になるのは?

 1位の山ア康晃は、後ろにまわすんじゃないかと思います。ハマればセットアッパーとして1年目から活躍できると思います。

高橋 私は岡島秀樹、ロペスの元巨人勢が気になっています。特に岡島は、ソフトバンクを出たのは戦力外というより条件面で折り合わなかっただけなので。

菊地 あとは、グリエルが残ってくれたのは大きいですよね。


◎中日ドラゴンズ
マイナス要素が多く、期待や楽しみはベテラン?

(※予想……高橋:5位/蔵:5位/持木:6位/菊地:5位/鈴木:6位/西山:5位)

鈴木 中日は全員Bクラス予想です。しかも、全員5位か6位。

 そろそろ、チームとして崩壊するイメージです。年俸交渉で揉めていたし、一気にやる気を失うんじゃないかと。

持木 去年、ベテラン勢の中で、谷繁(元信)とグラウンドで揉めている選手がいました。落合(博満)監督時代を知っている人間が揉めだすというのは、さすがに問題でしょう。

菊地 実は「金子千尋争奪戦」に密かにからんでいて、そして逃してしまったというカッコ悪さ。球団内部の「反・落合」の人々が暗躍する危険性があります。だからこそ、勝負の年ですよね。

高橋 でも、中日は楽しみな要素が本当になくて……。頼みの綱である高橋周平も伸び悩んでいて、楽しみな要素が見当たらない。高橋は多少、打球が上がるようになってきましたが。

鈴木 年俸で揉めた大島洋平を筆頭に、選手のモチベーションが気になります。

高橋 当初、落合GMにはすごく期待していたんですけど、マスコミに何も言おうとしない。監督としては黙っていても結果を残していたから良かったけど、GMはやっぱりもう少ししゃべらないと。

菊地 中田(宗男)スカウト部長はよくしゃべりますけどね(笑)。

 球場でも、中田部長のそばに座るといろんな話が聞こえます(笑)。

鈴木 谷繁兼任監督は、選手としてはどこまでやれるんでしょうか?


高橋 捕手防御率、という数字があるんですが、谷繁の時と松井雅人の時では1点近く差があります。もちろん、谷繁のときの方がいい数字です。

菊地 松井に託すというのは、ちょっとシンドイですよね。

 谷繁自身が、自分の現役中に俺を超える捕手は出てこない、と言っているくらいですから。

鈴木 去年、大活躍した又吉克樹はどうでしょう? ドミニカのウインターリーグにまで行って投げたらしいですが。


高橋 又吉は質はいいので、あとは体調面。本当に投げ過ぎです。

 中日はその前の田島(慎二)にしてもそうですけど、使い過ぎる傾向にあります。新人年だけ良かった、とならなければいいけど。

持木 又吉も不安ですけど、福谷(浩司)も故障明けなのにあんなに投げてしまって。

高橋 ただ、彼らがケガなく安定して投げられれば、リリーフ陣はいいと思います。あとは先発陣がどうなるか?

鈴木 吉見一起が復活するらしいですが。他に中日で明るい話題はないですか?

持木 明るいかはわからないですが、背番号がまたシャッフルされました(笑)。堂上直倫は巨人に行った兄貴(剛裕)の番号に……。若手に関しては落合“監督”時代に育てられなかったのが大きいのでは。

菊地 あと、ショートは堂上? 高橋? どちらかをサードにまわすとなると、今度はルナをどうするんだ? という。その辺からも不満がいろいろ出てきそうです。

鈴木 そうなってくると、やはり楽しみは、和田一浩の2000本安打(現在、1985安打)と、谷繁の野村超え(野村克也氏が持つ通算出場試合数3017試合まで27試合)。今年も頼みは大ベテラン勢なんですかね。

今回はここまで


 次回は2014年セ・リーグAクラスに入った3チーム(巨人、阪神、広島)の戦力分析と最終的なセ・リーグの予想順位をお送りします。お楽しみに!

この後に『みんなで予想!野球太郎なんでもダービー』はいかがですか? この記事を読んだ後だと簡単なクイズあります。


〜座談会参加者〜

高橋安幸……雑誌『野球太郎』での連載「伝説のプロ野球選手に会いに行く」でもおなじみのスポーツライター。2月下旬発売予定の『野球太郎No.014』選手名鑑号を取りまとめており、大量の選手情報をインプットしている。

蔵建て男……人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。アマチュア野球情報に精通。プロでは港の見える球団のファン。Twitterアカウントは@ kuratateo(https://twitter.com/kuratateo)

持木編集長……母校が昨夏に続き、センバツ出場確定的。今、乗りに乗っている『野球太郎』編集長。

菊地選手……『野球部あるある』著者。新雑誌『野球太郎育児』(3月上旬発売予定)の創刊に奔走中。

カバディ西山……昨年、軟式野球の延長50回に感化され、同じ1047球数を投げ込むという暴挙を達成。

鈴木雷人……遅れてきた転校生。ロッテファンの太鼓持ちライター。

■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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