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今年は星野仙一氏、平松政次氏らが殿堂入り。「野球人最高の栄誉」野球殿堂とは?


 1月16日、2017年の野球殿堂表彰者が発表された。

 現役引退後5年以上を経過した元選手を対象とした「プレーヤー部門」では西武の正捕手として長年活躍したロッテの伊東勤監督が選ばれた。

 監督・コーチを退いて6カ月以上、または選手引退から21年を経過した元選手を対象とした「エキスパート部門」では中日、阪神、楽天で監督を歴任した星野仙一氏、「カミソリシュート」を武器に通算201勝を挙げた元大洋の平松政次氏が選ばれた。

 また、特別表彰では甲子園の審判を長年勤めた故・郷司裕氏、元毎日新聞記者の故・鈴木美嶺氏の2人が選ばれている。

 毎年、1月中旬になると話題になる「野球殿堂入り」のニュース。殿堂入りは「野球人最高の栄誉」とされている。今回は、その野球殿堂にまつわる話を紹介したい。

日本の野球殿堂は東京ドーム内の野球殿堂博物館


 野球殿堂入りを果たした表彰者は、その功績を称え、肖像のレリーフが野球殿堂博物館に掲額される。野球殿堂博物館は東京ドームの21番ゲート横に入口があり、館内には日本野球の様々な資料や元選手のユニフォーム、グラブ、バットなどが多数飾られている。

 元々は1959年、野球体育博物館として当時の後楽園球場横に開館。記念すべき第1回の野球殿堂入りでは「日本プロ野球の父」と言われた読売新聞社社主・正力松太郎氏、日本初の野球チーム「新橋アスレチック倶楽部」を作った平岡ひろし氏、日本プロ野球創成期の名投手・沢村栄治氏ら9名が表彰された。

 1988年に東京ドームが開場されると現在の場所に移り、最近では、昨年11月の侍ジャパン強化試合で大谷翔平(日本ハム)が天井の隙間に放ったボールが展示され話題となった。


新世紀表彰で正岡子規らが選ばれる


 21世紀に入った2002年、2003年には通常の表彰とは別に「新世紀特別表彰」として野球普及に大きく貢献した人物を称える表彰が設けられた。

 2002年、その第1回表彰では明治時代の俳人・正岡子規と、元大リーガーで日米の架け橋となったフランク・オドール氏が選ばれた。

 正岡子規と言えば大の野球好きとしても知られ、自らの雅号を「野球(のぼーる)」とつけるほどだった。殿堂入り後の2006年には、上野公園で野球に興じた縁もあって同公園内の草野球場が「正岡子規記念球場」と名づけられた。

 続く2003年には明治初期に来日し、日本で初めて野球を教えた英語教師のホーレス・ウィルソン氏と、大正時代に軟式ボールを発明し、軟式野球を広めた鈴鹿栄氏の2名が表彰された。「新世紀特別表彰」のレリーフは、通常の四角いレリーフとは異なり、卵形のものとなっている。

気になる来年の候補者は!?


 気が早い話だが、来年の野球殿堂入り候補者にも注目したい。プレーヤー部門では来年、新たな有資格者に3名の大物が名を連ねる可能性が高い。ダイエー、ソフトバンクの主軸として活躍した侍ジャパンの小久保裕紀監督、1492試合連続フルイニング出場の記録を持つ阪神の金本知憲監督、そして巨人、ヤンキースと日米の名門球団で活躍した松井秀喜氏だ。

 この3名は、昨年、殿堂入りした工藤公康監督(ソフトバンク)以来となる有資格1年目での殿堂入りが大いに期待される。また、来年1月の時点で43歳となる松井氏が殿堂入りした場合、2014年に選ばれた野茂英雄氏の45歳4カ月を塗り替える最年少での殿堂入りとなる。

 エキスパート部門に目を向ければ、今回の星野氏、平松氏に次ぐ3番目の票を集めた元巨人監督の原辰徳氏の殿堂入りにも期待だ。

 プレーヤー部門では殿堂入りを逃した原氏だったが、エキスパート部門では今回が初めて有資格者となった。リーグ優勝7回、日本一3回という巨人監督での実績に加え、2009年の第2回WBCでは日本代表監督として世界一を達成しているだけに、有力候補といえるだろう。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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