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1勝10ホールドの黒木優太。勝ちきれぬ山岡泰輔。オリックス即戦力ルーキーの「明」と「暗」

2016年オリックスドラフト2位の黒木優太とドラフト1位の山岡泰輔

 オリックスへドラフト1位で入団した山岡泰輔、同2位の黒木優太。先発で5試合登板し、いまだ勝ち星のない山岡。リリーフで15試合に登板し、1勝10ホールドの黒木。ここまでのところ明暗がはっきりと分かれる結果となっている。

いまだ未勝利の山岡泰輔


 山岡は4月13日の京セラドームでのロッテ戦でデビュー。先発のマウンドに立ち、6回まで無失点で抑えていた。6回裏にはT-岡田のソロホームランでオリックスが1対0と勝ち越し、山岡に勝利投手の権利が転がり込んだ。

 しかし、7回に無死二、三塁のピンチを迎え、この日1軍登録されたばかりの細谷圭に逆転3ランホームランを打たれてしまう。7回途中で降板、105球を投げ被安打5、奪三振5、3失点で負け投手となった。

 4月23日、ZOZOマリンスタジアムでのロッテ戦。ここでリベンジを果たしたいところだった。8回94球で完投、被安打5、奪三振5、2失点と好投したが、味方の援護がなく2対0で敗れる。とはいえ、負け投手になったものの、このピッチングを続けていれば、すぐに勝ち星がつくだろうと思われた。

 登板3戦目となった4月30日の旧セラドームでのソフトバンク戦は6回を無失点に抑えるも、またしても勝ち星はつかず。

 そして、5月7日の京セラドームでの日本ハム戦。チームは4連敗中。なんとしても連敗ストップしたいところでの登板となった。

 2回までは順調に抑えていたが、3回の先頭打者に四球を出したところから急に崩れ出す。四球で走者をためた後、タイムリーを打たれ、その後、四球で満塁。そこから暴投で失点、さらに四球を出したところで降板となった。3回途中という自身最短での降板となってしまった。

 5月14日の西武戦は6回4失点でまたしても敗戦投手に。ここまでの成績は5試合、投球回28.2、0勝3敗、防御率3.45。いい投球も見せているが、課題は四球の多さだろう。9イニングあたりの四球の数を示すBB/9は4.40と多い数値だ。自慢のスライダーでストライクが取れない場合に、苦しいピッチングになっている。

セットアッパーで活躍の黒木優太


 今シーズン、オリックスの勝ちパターンの継投は、7回・吉田一将、8回・黒木優太、9回・平野佳寿というもの。ルーキーながら大事な場面で黒木が起用されている。


 黒木のデビューは3月31日の京セラドームでの楽天との開幕戦。延長10回に登板し、先頭打者の今江年晶を三振に奪うなど、無失点で締め、初ホールドを記録する。

 4月2日の京セラドームでの楽天戦は、先発の西勇輝が8回に2ランホームランを打たれ、4対2と追い上げられた場面で登板。2死二塁から銀次にタイムリーヒットを打たれ、初失点を喫した。

 5月16日の京セラドームでのソフトバンク戦。2対2の同点で迎えた8回に登板。テンポよく10球で三者凡退に抑えると、その裏にチームが勝ち越して勝利。黒木はプロ初勝利を挙げた。黒木の好投がチームの連敗を止める流れを作ったといえよう。

 ここまで16試合、1勝10ホールド、防御率2.30。5月18日のソフトバンク戦で自責点3を喫し、防御率が0.60から悪化したが、それでもルーキーとして合格点の好成績だ。黒木の魅力は150キロ台のストレート。その勢いのある火の出るようなストレートは、見ていてとても気持ちがよい。そのストレートがあるからこそ、他の球種も生きてくる。


シーズンはまだまだこれから


 明暗の分かれた2人だが、シーズンはまだまだこれからである。山岡は野手の援護に恵まれない不運な面もあった。力はあるので、近いうちに初勝利を挙げることだろう。黒木も、この先打たれることがあるかも知れないが、恐れず自慢のストレートを投げ込んでほしい。2人のルーキーの今後に益々期待したい。

(成績は5月18日現在)


文=矢上豊(やがみ・ゆたか) 関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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