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プロ野球2013・期待外れだった選手ランキング

 本日11月26日は、今季のプロ野球タイトルホルダーたちが一同に集結し、表彰する「日本プロ野球コンベンション2013」が開催される。その華やかなイベントに呼ばれることなく「臥薪嘗胆」を胸に秘めて秋季キャンプを過ごしているのが、2013年のシーズンを不甲斐ない成績で終えてしまった選手たちだ。

 今週の『プロ野球なんでもランキング』では「こんなもんじゃないはず、来季は頑張って欲しい!」という叱咤激励の意味をこめて、「期待外れだった選手」ランキングを敢行。ややネガティブで賛否両論あるテーマではあるが、ここはあえて厳しく綴るつもりだ。それでは栄光の? 1位からいってみよう。


T-岡田(オリックス)
【ありがたくない満場一致!?
 かつての本塁打王の今季は…】



 「最も(Most)期待外れ(Disappointing)だった選手(Player)」という“MDP”があるならばズバリ、2013年はT-岡田に贈りたい。この企画では“いの一番”に挙げられ、『週刊野球太郎』制作に関係する人たちの「満場一致」で1位となってしまったT-岡田。

 33本塁打を放ち、キングに輝いた2010年の輝きはどこへいったのか? 今季は58試合に出場して打率.222、18打点…。そして本塁打は新人時代を除けば最小の4本に終わってしまった。過去に肉離れを発症した左太もも裏に「爆弾」を抱えつつ、ケガとの戦いを繰り返した今季ではあった。しかし、本人は「何もできなかった。ケガもありましたが、これだけの数字に終わったのは単純に打てなかった」とコメント。

 ここ2年間の「統一球」から反発係数が上がったボールが使われた2013年シーズン。豪快な本塁打を期待していたファンにとって、その思いを裏切るシーズンとなってしまった。

 来季のオリックスは李大浩の退団が決定的で、再び四番打者に返り咲く舞台は整っている。日本人離れしたパワーと類い希なスイングスピードは、他チームのファンからも「純日本製の本物の長距離砲」として一目置かれているだけに、まずはケガを完治させて来季こそ、本塁打王のタイトル奪回を誓ってほしい。

吉川光夫(日本ハム)
【昨年のブレイクの反動か?
 寂しすぎる昨季のMVP投手…】


 タイトルといえば昨季、パ・リーグ投手部門を総ナメした吉川も大きく期待を裏切ってしまった。最優秀防御率をはじめ、ベストナインやセ・パ交流戦優秀選手賞、そしてパ・リーグMVPもゲットした昨季の吉川の先発登板回数は25回。「今季は調子が悪い」と言われながら、今季も先発登板回数は同じく25回だった。しかし昨季の14勝5敗、防御率1.71から、今季は7勝15敗、防御率3.31という成績に終わった。その原因はズバリ、「三振が奪えなくなったこと」に尽きる。登板数はほぼ同じでも、昨季は奪三振158(173回2/3)に対して今季の奪三振は125(160回1/3)まで下落。来季、吉川復活のカギは「奪三振数」にあると睨む。

 他にも原因として挙げられるかもしれないのが、今シーズンを通じて発言していた栗山英樹監督の吉川批判。優勝を逃した際の「一番ダメなのはオレとアイツ(吉川)」というコメントは、奮起を促す意味があったにしても、吉川が可哀相でならない。

堂林翔太(広島)
【成績が伸びず、ケガにも見舞われ…
 出場しない間にチームは上昇…】



 今季は3位でペナントレースを終え、16年ぶりにAクラスに輝いた広島。続くクライマックスシリーズでは2位の阪神を撃破するなど、チームにとってもファンにとっても思い出に残るシーズンであった。

 しかし「鯉のプリンス」堂林とそのファンにとっては、残念なシーズンだったに違いない。8月下旬に死球を受けて退場し、その後は一軍に復帰することなくシーズンを終えてしまった堂林。結局、今季は105試合に出場も打率.217、6本塁打、27打点とパッとせず、期待されたほどの成績を残せなかった。

 球宴公式サイトなどでファン投票を実施し、得票数が最も多かった選手を選出する「プラスワン投票」で出場した今季のオールスターで、堂林は「ふさわしい成績を残していないので複雑ですが…」とコメント。ファンの期待を裏切る成績しか残せなかったことを、誰よりも解っているのは堂林自身だろう。打撃面はもちろん、守備でも試合を「悪い意味で」決めてしまうプレーを見せていただけに、今オフは守備力も徹底的に鍛えてほしい。

筒香嘉智(DeNA)
【そろそろ結果を出さないと…
 若手が育ちつつ流れに乗れるか!】



 堂林の場合、チームは好成績を収めたのでまだ救われる部分もある。しかし自身も結果を出せず、さらにチームももう一歩前に進めなかったシーズンに終わってしまったのが筒香であり、DeNAだろう。

 チームの中軸を担う選手として期待を集めていた筒香は、3月のオープン戦で左足首を負傷。なんとか6番・三塁で開幕スタメンに名を連ねるも、その後は結果を出せず、4月1日には抹消。プロ入り4年目の今季は結局、23試合に出場して打率.216、1本塁打、3打点に終わってしまった。

 5番サードを任されたベテラン・中村紀洋とはやはり実力差があった、ということがハッキリしたシーズンだったのではないだろうか。この悔しさをバネに、来季こそ一軍定着とレギュラー奪取を目標に頑張って欲しい選手だ。

山口俊(DeNA)
【昨年のメジャー宣言とは…
 今オフは別の意味で注目も?】


 最後は筒香と同じDeNAから。今季のDeNAにとって攻撃陣の誤算が筒香なら、投手陣で誤算だったのは山口俊だろう。2010年あたりから定着した“抑え”のポジションでの活躍を期待された今季は、44試合に登板も5勝2敗7セーブと寂しい成績に終わってしまった。特に今シーズンは三度も一軍出場選手登録を抹消されるなど、調子を維持できなかったことは、チームにとっても計算が立たず大誤算だっただろう。

 一部報道では既に昨年12月3日の契約更改時にポスティング・システムで大リーグ移籍を希望したという山口俊。今季のこの成績で獲得に乗り出すMLBの球団はあるのだろうか? まずは日本で好成績を収めることを期待しつつ、一度言ってしまったメジャー入り宣言の行方にも注目したい。


 独断と偏見で選んだ「期待外れだった選手たち」は、いかがだっただろうか。他にも鳴り物入りで入団したパディーヤや「統一球」ながら恐るべき打球を放っていたペーニャ(ともにソフトバンク)などの助っ人外国人選手が大コケするなど、読者のみなさんそれぞれの「期待外れだった」選手たちは、まだまだいるに違いない。

 昨季は首位打者争いを繰り広げた坂本勇人や長野久義(ともに巨人)らも、今季はパッとしなかった印象を受けている。WBCから日本シリーズまでずっと出場し続けたことを考えると、やはりその疲労度が影響してしまったのだろうか。


 また涌井秀章(西武)は終盤戦の抑え転向で、なんとか面目躍如の活躍をみせた。しかし、本来の先発としての活躍はサッパリだったことを忘れてはいけない。FA宣言中で来季は「先発にこだわる」と宣言してる涌井は果たして、先発として活躍できるのか……。「期待外れだった選手たち」はどのように今オフを過ごすのか? ジックリと目を光らせて、追いかけてみるのも面白いだろう。

■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)…会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。"ファン目線を大切に"をモットーに、プロアマ問わず野球を追いかけている。Twitterは@suzukiwrite

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