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育てば見返りもデカイ!プロ野球ドラフト入団高卒野手、タイムリミットは4年!?

 10月22日に開催されたプロ野球ドラフト会議。真中満監督(ヤクルト)が交渉権確定を早とちりしたり、システムトラブルなどでスムーズな進行が妨げられたりと、「無事に行われた…」とは言い難いドラフト会議であった。

 とはいえ、何といっても主役は指名された選手たち。楽天が早々と1位指名を明言した平沢大河(仙台育英高)に対して、敢然と1位指名をぶつけてきたロッテが交渉権を獲得。今年のドラフトの一番の話題となり、平沢大河の名前は、さらに注目を集めることになった。

 名門校で春夏甲子園出場。夏は3本塁打をかっ飛ばしてチームを準優勝に導き、U-18日本代表でも活躍した。そして、複数の球団が競合してドラフト1位入団。スターへの王道を歩いているだけでなく、ルックスまでもがピカイチ。1軍に上がれば女性ファンが飛びつくのは必至で、営業面でも貢献することは間違いないだろう。


ドラ1になりにくくても、球団の看板打者に多い高卒入団野手


 今年は平沢の他にも、ハズレ1位とはいえオコエ瑠偉(関東一高)が楽天から指名を受けた。高卒野手は体作りも含めて、一人前になるまでに時間が掛かることもあり、なかなか1位指名でお声がかからない。

 過去5年を振り返ってみても、最多は山田哲人(ヤクルト)が指名された2010年の3人。2011、2013年は2人、2012年は大谷翔平(日本ハム)を「投手」とすれば、橋大樹(広島)だけになる。昨年は岡本和真(巨人)1人と、合わせて9人しかいない。

 しかし営業面で考えれば、週に1回しか出番のない先発投手より、毎日試合に出る打者の方が集客力の点では優等生と言える。さらに甲子園のヒーローとして入団してきた彼らが、ファンの記憶が新鮮なうちに活躍できれば、スターの座は約束されたようなもの。ドラフト1位で高卒野手を指名することはそれなりのリスクが伴うが、入団早々に活躍すれば営業面のリターンは大きいのだ。

 古くは清原和博(元西武ほか)、松井秀喜(元巨人ほか)、最近では森友哉(西武)がそれにあたるだろう。また、セ・リーグ制覇の立役者となったヤクルトの3枚看板は、山田、川端慎吾、畠山和洋そろって高卒だ。また筒香嘉智(DeNA)、中村剛也、浅村栄斗(ともに西武)、坂本勇人(巨人)、平田良介(中日)……他のチームを見ても、現在のプロ球団の顔には、高卒入団組が並んでいる。

ルーキーイヤーから大活躍の清原・立浪は別格。勝負は3年目か


 高卒1年目での新人王となると、投手では2007年の田中将大(当時楽天)、1999年の松坂大輔(当時西武)がいる。しかし、野手では1988年の立浪和義(当時中日)までさかのぼり、その前となると1986年に獲得した清原の名前が挙がる。

 天下のPL学園高出身とはいえ、ルーキーイヤーで優勝チームのレギュラーを張った2人は別格。しかし、清原・立浪に及ばなくとも、最近では今年の淺間大基(日本ハム)、昨年の森、一昨年の大谷が1年目から1軍で結果を出している。

 日本ハム、西武ともに高卒野手の育成がバツグンに上手い球団だが、同じチームでも中田翔のレギュラー定着は4年目。西武も中村は4年、浅村は3年をかけて育て上げた。

 同じく高卒野手の育成能力が高いヤクルトも、山田が花を咲かせたのは4年目。日本が生んだ打者の最高傑作、イチロー(マリーンズ)が大ブレイクしたのも高卒3年目のシーズンだった。高卒野手が球界を代表するスター選手になれるかどうかの分水嶺は、入団3・4年目に活躍できるかどうかが、目安といえそうだ。

 平沢にオコエ、そして日本ハムに内野手として4位指名を受けたセンバツ優勝投手・平沼翔太(敦賀気比高)ら、今年も甲子園で名を売った高卒野手たちがプロの扉を開くカギを手に入れた。大学に進む同級生がプロ入りする4年後までに、どれだけの成長を見せてくれるのか、今からとても楽しみだ。


文=小林幸帆(こばやし・さほ)
野球狂の母親に連れられ、池田がPLに負けた一戦を甲子園で見た小2 の夏休みから高校野球ファンに。ヤクルト大好きの女子高時代は、ビニ傘片手に放課後を神宮球場で過ごす。

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