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レジェンドたちが次々と引退! 引退選手たちの若手時代(セ・リーグ投手編)

 90年代から00年代にかけて球界を盛り上げ、ファンから愛されたレジェンドたちが次々と引退を表明している。

 この記事では球界を担った彼らの若手時代、ターニングポイントを振り返ってみよう。



朝倉健太(中日)

≪1999年ドラフト1位 東邦高≫

 地元・愛知の快速右腕。現在ほど150キロ投手が多くなかった時代に、高校生にして149キロをマークしていた朝倉は大いに期待されていた。

 しかし、高卒1年目は9試合を投げ、防御率14.02とプロの壁に直面。2年目も15試合で0勝5敗、防御率5.44とドラ1たる結果を残すことはできなかった。

 そこで朝倉は2年目の終わりから大胆なフォーム改造に着手。その「すり足投法」が功を奏し、3年目に31試合で11勝11敗、防御率2.61の成績を叩きだし、若手のホープとしてブレイクを果たした。

 そこからの野球人生はケガとの戦いであったが、ケガのたびに投球スタイルを変え、自分自身の把握と進化への努力を忘れなかった。その姿は「今年はやってくれる」とファンに思わせ、朝倉は幾度も不死鳥のように蘇った。

 目を見張る剛速球を持ちながら、固執することがなかった朝倉。3年目のフォーム改造が朝倉の長き野球人生に最初の灯をともした。


橋尚成(巨人〜アメリカ〜DeNA)

≪1999年ドラフト1位・逆指名 東芝≫

 安泰を捨て、メジャーに果敢に挑んだ橋は1999年、長嶋茂雄政権下の巨人に逆指名で入団。抜群のコントロールを武器に1年目から24試合で9勝6敗、防御率3.18の好成績を挙げ、日本シリーズでも完封を記録するなど、まさに即戦力だった。

 橋の若手時代を語る上で成績以上に忘れられないのが、「尻出し」だ。2000年の日本一祝賀会では大はしゃぎ。「酔うと尻を出す」という前評判通り、全国放送で何度も尻を見せつけ、「橋尚成=尻」「明るい」のイメージを一気に全国区に広めた。

 実力もさることながら、献身的なムードメークは長嶋監督も大いに評価し、ミスターから「宴会部長」に指名されるなど、自分のポジションを確立した。

 ちなみに2002年のリーグ優勝時にも期待に応えてヒョウ柄のTバックで登場し、何度も尻を露出。さすがにこのときは、日本シリーズの対戦相手の西武・伊原春樹監督が不快感を示し、原辰徳監督からも「今は妻子がいるんだから…」と苦言を呈された。

 日本復帰後、本人は「若気の至り。忘れたい過去」と語っていたが、多くのファンをつかんだことは間違いない。巨人で主戦を張った実力もさることながら、「宴会芸」で記憶に残る選手は後にも先にもただ一人だ。


山本昌(中日)

≪1983年ドラフト5位 日大藤沢高≫

 プロ生活32年、今年で50歳を迎えた「中年の星」もついに引退を決意した。山本昌の若手時代の転機といえば、プロ5年目のアメリカ留学だ。

 小・中学生では補欠、高校時代は全国的に無名であった山本昌はプロの壁に直面。当時、解説者でのちに監督となる星野仙一は、山本昌の姿を見て、特段の期待ができる選手ではなかったと語る。

 プロ3年目で1軍デビューを果たしたものの、その年も翌年も防御率は2ケタという凄惨たる投球内容。迎えた5年目、アメリカ・ベビローチでの春季キャンプ後、野球留学という名目でドジャース傘下のチームに預けられた。

 当時、プロ野球界で流行していた野球留学。しかし、実情は育成目的よりもメジャー球団との提携維持のため、というニュアンスが強かった。

 そんなネガティブな理由で、アメリカに置き去りにされた山本昌だったが、若くして渡米しドジャースで世話人を務めていたアイク生原と出会い、二人三脚でトレーニングを開始。そして、1980年代にメジャーリーグで活躍した左腕、フェルナンド・バレンズエラ(元ドジャースほか)のスクリューを倣って決め球を獲得することに成功した(正確にはバレンズエラのスクリューは模倣できず、チームメイトのスクリューを参考にしたという)。

 そこからの山本昌はうなぎ登り。1A級ながら25試合で13勝7敗、防御率2.00の好成績を残すと、メジャーの他球団のスカウトも視察に訪れるようになり、急成長を認めた中日は急遽、山本昌を日本に呼び戻した。

 帰国後の山本昌は8試合で5勝0敗、防御率0.55の好投でリーグ優勝に貢献。短期間での覚醒を果たし、日本プロ野球界でブレイクを果たした。

 当時23歳。この活躍がなければ、プロ6年目すら危ない身だった山本昌のレジェンドへの道はここからはじまった。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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