週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

来季、バレンティンが外国人枠から外れる。ラミレス、ローズら日本人扱いとなった9人の助っ人列伝

文=藤山剣

大竹耕太郎、高梨雄平ら早稲田大出身左腕は下位指名でも活躍。DeNAの2ケタ投手の翌シーズンは……
 バレンティン(ヤクルト)が8月17日に国内FA権の取得条件を満たし、来季からは外国人枠の制限を受けない選手となった。全盛期ほどではないにせよ、パワフルな打撃はまだまだ魅力十分。守備にやや難があるため、オフには、DHがあるパ・リーグ球団が興味を示す可能性が高そうだ。

 現在のNPBルールでは、1軍登録できる外国人選手は4名までで、しかも野手だけで4名、または投手だけで4名というパターンはNG。枠を最大限活用するなら、野手3人&投手1人、野手2人&投手2人、野手1人&投手3人という3パターンの構成しか認められていない。

 もちろん、球団によっては外国人枠を目一杯使っていないところもあるが、それでも「外国人なのに日本人扱い」という特典は、バレンティンの魅力のひとつになることは間違いない。

 ちなみに、これまで、日本でキャリアを積み重ねて、外国人枠を外れた助っ人は、バレンティンが10人目。これまでの9人を振り返ってみよう。

日本人扱いとなった助っ人野手


 野手、投手を問わず、外国人枠を外れた9選手のなかで、唯一、名球会入りの資格を得たのがベネズエラ出身のラミレス(ヤクルト:2001〜2007年、巨人:2008〜2011年、DeNA:2012〜2013年、現・DeNA監督)だ。NPB通算13年で2017安打、380本塁打を放ち、首位打者1回、本塁打王2回、打点王4回と打撃3部門のタイトルを何度も獲得している(3タイトル同時はなし)。現役引退後はDeNAの監督にも就任し、球団初のクライマックスシリーズにも進出するなど、指導者としても実績を重ねている。

 同じベネズエラ出身ではカブレラ(西武:2001〜2007年、オリックス:2008〜2010年、ソフトバンク:2011〜2012年)も本塁打王1回、打点王1回に輝いている。とくに本塁打王獲得した2002年時は、王貞治(元巨人)、ローズ(元近鉄ほか)の持つ当時の日本記録と並ぶ55本を放っている。また、その前年は49本、翌年は50本とホームランを量産。通算357本塁打で、全盛期のパワーは歴代最強クラスと言っても過言ではない。

 長距離砲という点では、前述したローズ(近鉄:1996〜2003年、巨人:2004〜2005年、オリックス:2007〜2009年)も負けてはいない。打撃3部門のタイトルは本塁打王4回、打点王3回。通算464本塁打は歴代13位で、外国人選手では最多。2005年オフに巨人を戦力外になったあと、米球界に復帰するも打撃が振るわず、一度は現役引退を発表。しかし翌2007年、オリックスに入団し、3年間プレーしている。フォロースルーの大きい豪快なフォームが印象的な強打者だった。

 ホセ・フェルナンデス(ロッテ:2003年、西武:2004〜2005年、楽天:2006〜2008年、オリックス:2009年、西武:2010〜2011年、楽天:2012年、オリックス:2013年)は小刻みに移籍を繰り返し、日本ではトータル11年間の現役生活を送った。打撃3部門のタイトル獲得には至らなかったものの、通算打率は.282で、シーズン20本塁打以上も5回(日本通算206本塁打)。ベストナインには2度選出されている。

日本人扱いとなった助っ人投手


 160キロ近い豪速球が持ち味で、「オリエンタル・エクスプレス」の異名をとった台湾出身の郭泰源(西武:1985〜1997年)は、西武の黄金時代の主力投手。日本在籍13年の通算成績は117勝68敗18セーブで、単純計算で1シーズン3〜4個の貯金を作っていることになる。

 同郷の許銘傑(西武:2000〜2011年、オリックス:2012〜2013年)も、301試合に登板し、49勝49敗2セーブ、39ホールドと、長きにわたって日本球界で活躍した。

 セットアッパーとして、日本で4球団に在籍したのがシコースキー(ロッテ:2001〜2003年、巨人:2004〜2005年、ヤクルト:2007年、ロッテ:2008〜2009年、西武:2010〜2011年)。日本での通算成績は438試合37勝34敗58セーブ、54ホールド。来日前の2000年にはレンジャーズで10試合、2006年はパドレスとインディアンスで30試合に登板し、2012年はカナダでも投げたワールドワイドなジャーニーマンでもある。投球前に、マウンドで腕をグルグル回すルーティーンでもおなじみだった。

 スタンリッジ(ソフトバンク:2007〜2008年、阪神:2010〜2013年、ソフトバンク:2014〜2015年、ロッテ:2016〜2017年)は、来日当初の登録名は「スタンドリッジ」。日本では209試合に登板し75勝68敗1ホールド。阪神時代の4年間は、年間防御率2点台後半を3回記録するなど粘り強く投げていたが、打線の援護に恵まれないことが多く、阪神での成績は35勝36敗と負け越している。

 現役選手では、メッセンジャー(阪神:2010年〜)が2018年に国内FA権の資格を満たし、今季からは外国人枠を外れている。タテジマひと筋のメッセンジャーは、来日1年目は中継ぎもこなしていたが、2年目以降は先発ローテーションの一角を担い、昨季までの9年間で2ケタ勝利を7回と非常に安定した成績を残している。2015年以降、5年連続で開幕投手を務めており、首脳陣の信頼も厚い。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方