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《君はこんなもんじゃない!》足踏みを続ける盟主の正捕手候補・小林誠司はレジェンドになれるか!?


 プロでの活躍を期待されながら、殻を破りきれず、「鳴かず飛ばず」で期待を裏切り続けてしまう選手たち。もう一歩で覚醒しそうな選手たち。『野球太郎』本誌では、そんな選手を「君はこんなもんじゃない!」選手(君コン選手)と呼んで、過去に特集も組んできた。

 週刊野球太郎では、2017年の幕開けに、ライター陣がピックアップする12名の最新「君コン」選手を取り上げ、愛情たっぷりに鼓舞したい。

 今回、ライター・森田真悟氏が挙げる「君コン」選手は巨人の正捕手候補・小林誠司だ。

前途洋々に見えたルーキーイヤー


 阿部慎之助の後継者と期待され、2013年のドラフト会議で巨人から1位指名された小林。当時はインサイドワークや強肩など守備面を評価されており、打撃が課題とされていた。

 そんななか、2014年のシーズンが始まると打撃でも光るものを見せる。初めてスタメン出場を果たした4月6日の中日戦で初ヒットを打つと、スタメン2試合目の4月10日には早くも猛打賞を達成。

 そして、スタメン4試合目となる5月7日にはプロ入り初本塁打を放つなど、前評判を覆す活躍を見せた。

 このシーズンは最終的に63試合(内スタメン29試合)に出場し、打率.255をマーク。2本塁打、14打点を挙げた。「打撃に難あり」と見られていたなか、即戦力と期待される社会人出身のドラ1捕手として、1年目としては悪くない成績だろう。


飛躍の2年目が一転して……


 いいイメージでルーキーイヤーを終えた小林は、その年のオフの日米野球で日本代表に選出され、さらに2015年の開幕前には侍ジャパン入りも果たす。

 まだプロとしては1年しかプレーしていないが、阿部の後継者として順調……、どころか多くの予想を超える勢いで高みへと駆け上がっていく。そんな小林に舞い込んだのは、盟主・巨人の開幕捕手という大役だった。

 2015年の巨人は、満身創痍の阿部の一塁コンバートを推し進めていた。小林は阿部の後継者の筆頭だが、プロとしての経験値はまだまだ。ただ、前年の好成績と日本代表での経験を踏まえて、首脳陣は決断した。

 かくして小林は、菅野智之とバッテリーを組んで開幕戦に出場。7回を1失点に抑える好リードでエースに白星をプレゼントする。自身は3打席で2四球とヒットこそなかったが、打線でもしっかりと「つなぎの役割」をこなした。

 しかし、開幕4試合が終わっても打撃の調子が上がらない。5戦目で早くもスタメンから陥落してしまう。その後、スタメンに名を連ねることもあったが、打率1割台から抜け出せなかったことで、5月20日にはプロ入り後、初の2軍落ちを経験する。

 7月中旬に1軍に呼び戻された小林は、シーズン通算70試合出場。スタメン出場は56試合と捕手陣のなかで最も多くスタメンマスクをかぶったものの、打率は前年以下の.226に終わる。

 入団当初の打撃評からすると妥当な数字かもしれないが、それで満足できるかどうかは別の問題。この程度の数字では許されないのが阿部の後釜の辛いところだ。

ダメでも使ってもらえる親心を感じて


 「2015年はあくまで2年目のジンクス」。こう前向きにとらえて迎えた2016年。阿部の故障もあり、小林は再び開幕マスクを任されることに。すると開幕戦でヒットを放ち、2戦目で猛打賞を達成。前年とは一味違うと思わせる打棒を披露した。

 しかし、またしても好調は長く続かず、4月半ばからの打率は1割と2割間を行ったりきたり。やはり、低打率が正味の実力だったのか……。

 とはいえ、小林にとって朗報だったのは、この年から監督が変わったことだろう。原辰徳監督が退任し、新たに高橋由伸監督が就任。村田真一ヘッドコーチとともに小林を、初の規定打席到達まで起用した。

 阿部の体が捕手の激務に耐えられないコンディションにあり、他の捕手はベテランだったり若手すぎたりと一長一短。そんな巨人捕手陣の構成にも問題があるかもしれない。しかし、大手を振って正捕手だとアピールできない捕手が起用され続ける環境はなかなかない。

 それだけに、小林にはチャンスを与えられているうちに独り立ちしてほしいのだが……なんとももどかしい。いち野球ファンですらそうなのだから、首脳陣の胸中たるや言わずもがな。小林には「首脳陣が胃を壊す前に羽ばたいて」とお願いしたい。


レジェンド捕手・伊東勤の経歴を希望に


 もともとは投手兼遊撃手として広陵高へ入学した小林。高校1年の秋から捕手に転向し、2年秋から正捕手となった。捕手歴は今年で12年目になる。

 日本が誇る名捕手・古田敦也(元ヤクルト)は小学時代から捕手としてプレーしていた。経験では小林に分が悪いところもあるかもしれない。

 一方で伊東勤(現ロッテ監督)のように、高校時代(熊本工)にコンバートされ、プロの頂点を極めた捕手もいる。伊東はドラフト1位で西武に入団し、1、2年目から出場試合数は2ケタを数えた。3年目からは100試合以上に出場と、その経歴は小林と似ているところがある。

 伊東は4年目で正捕手の座を射止めているので、小林を伊東になぞらえると今年が勝負となる。名捕手への道を歩むのか、それとも正捕手未満のまま終わるのか。ここが分水嶺だ。

 今シーズンは、WBCでの経験も生かし、「小林こそ正捕手」と納得させる活躍を見せてほしい。そしてその暁には、侍ジャパンへ参加することに否定的だった首脳陣に、筆者は次のように言いたい。

 小林はあんなもんじゃなかった!


文=森田真悟(もりた・しんご)

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