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2015年の栄光はどこへ? 二塁・山田哲人以外を固定できないヤクルトの内野事情

2015年に優勝を決め胴上げされるヤクルト・真中満監督

 5月14日に松山で行われたヤクルト対中日。荒木貴裕(ヤクルト)が今シーズンチーム2本目となるサヨナラ満塁本塁打を放った。

 ヤクルト恒例の松山シリーズは2年連続でサヨナラ決着。守護神・秋吉亮が逆転弾をくらった前日の悪夢を振り払う一撃に、現地観戦者は大いに盛り上がっただろう。

 「だろう」と書いたのは、筆者は現地で観戦していないからだ。筆者は神宮球場での試合は全試合観戦するものの遠征には行かない。理由は遠出をしてヤクルトが負けたら嫌だからである……。

 さて、その試合には勝利したものの、今シーズンのヤクルトは苦戦を強いられ、16勝22敗の借金6で5位に沈んでいる。その要因の一つが内野陣の不安定さにある。

内野陣で固定は山田だけ


 春季キャンプ中に川端慎吾が離脱し、暗雲が立ちこめ始めた内野陣。開幕戦の内野は一塁・畠山和洋、二塁・山田哲人、三塁・西浦直亨、遊撃・大引啓次という布陣だった。

 一塁は、畠山が4月18日を最後に戦列から離れた後、昨シーズン同様に西田明央が守ったが、ほどなくして武内晋一、鵜久森淳志がローテーションで器用されている。

 二塁は開幕戦から山田が出場を続けているが、三塁は西浦、谷内亮太、荒木貴裕、藤井亮太の4人が先発出場。やはり川端不在の穴は大きい。遊撃は大引がメインで守り、大引の休養時には西浦、谷内がスタメンに入る。

 このように、山田以外の内野陣を固定できていないのが現状だ。

2015年の内野陣はほぼ固定されていた


 優勝した2015年は一塁・畠山、二塁・山田、三塁・川端がほぼ固定。遊撃は大引の故障離脱があったため、今浪隆博、森岡良介、西浦らが穴を埋めた

 固定された3人は打撃も好調で、2番・川端、3番・山田、4番・畠山で他球団の投手陣を圧倒した。川端は、日本ハム時代に「恐怖の2番打者」として名を馳せた小笠原道大以来といってもいい「日本人の攻撃型2番打者」として君臨。山田はトリプルスリーを達成。山田との勝負を四球で避けようにも、畠山が後ろに控えるため避けられないという、まさに理想的な打線を築いていた。

 内野陣の固定は打線の固定にも繋がる。2015年は山田が本塁打王、川端が首位打者、畠山が打点王と3人で打撃主要3タイトルを独占した。


昨シーズンの優勝チームも内野陣は固定


 昨シーズンの優勝チームである日本ハムと広島。両チームともに内野陣は固定されていた。日本ハムは一塁・中田翔、二塁・田中賢介、三塁・レアード、遊撃・中島卓也。全員が136試合以上に先発出場した。ほぼ全試合、固定メンバーで内野を守ったことになる。

 しかし、今シーズンは中田が一時離脱。現在、中島も戦列を離れており内野陣の固定化できていない。大谷翔平の離脱も痛いが、それも日本ハムのネックとなっている。

 昨シーズンの広島は二塁・菊池涼介、遊撃・田中広輔が固定。一塁、三塁は併用だった。とはいえ、一塁は新井貴浩、エルドレッド、三塁はルナ、安部友裕と、相手投手の「左右」などに応じて柔軟にスタメンを変更する戦略的な起用法だった。

 今シーズンも、ルナが退団したものの、一塁と三塁は昨シーズン同様の起用法で上位争いを繰り広げている。

 ヤクルトに話しを戻すと、ネックとなっている三塁、遊撃で若手のポジション争いが起こり、チームが上昇気流に乗る。そんな状況を交流戦、そして後半戦で見たい。

 2軍で腕を磨いている廣岡大志、渡邉大樹、奥村展征ら若手が1軍に定着。そんな日を願っているヤクルトファンは多いのではないだろうか。

(成績は5月17日現在)


文=勝田 聡(かつたさとし)

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