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新たな歴史を創るのは君たちだ! 楽天の新しい背番号物語を紡ぐものたち

 2004年のオフ、近鉄とオリックスの合併に端を発したプロ野球再編問題により、産声を上げた東北楽天ゴールデンイーグルス。日本プロ野球史上初となる、宮城県を中心とした東北地方をフランチャイズとする球団の誕生に、野球ファンは大いに沸いた。

 参入からしばらくはなかなか勝てない日々が続いたが、2006年のドラフト会議で田中将大(現ヤンキース)を獲得したことにより、風向きが変わる。

 2009年に2位になると、2013年には初のリーグ優勝。勢いに乗って、日本シリーズも初制覇。この年に田中将大が挙げた24勝0敗1セーブという成績は、今なお球団史に燦然と輝いている。

 しかし、その後は主力の移籍や故障、助っ人外国人の不発、首脳陣のゴタゴタなどが噴出。ご存じの通り、昨季は2年連続の最下位に沈んでしまった。

 ここからの立て直しは容易でないだろう。しかし、球団もただ手をこまねいているだけではない。梨田昌孝氏を新監督に迎え、首脳陣を一新。補強も積極的に行い、ドラフト・FA・新外国人と、あらゆる手を使って再建を図っている。


 特に、今オフに獲得した多くの選手には、1ケタの良背番号が与えられた。球団の期待が目に見えるようだが、今季の楽天の背番号には、どんな意味が込められているのだろうか?


由緒ある番号を与えられた今江


 このオフ、楽天は2人のベテランを獲得した。ロッテからFAした今江敏晃と、広島を退団した栗原健太だ。他球団で実績を積んだ猛者の加入は、選手層を格段に厚くしてくれるだろう。

 そして今江には背番号8、栗原には0が与えられた。

 特に注目したいのは今江の8だ。これは、かつてチームリーダーを務めた礒部公一がつけていた。今江にとっては慣れ親しんだ背番号である一方、楽天にとっても大切な番号。そういったファンや球団の期待も背負って、今季を戦い抜いてもらいたい。


松井が付ける背番号1の意味とは


 新入団選手ではないものの、楽天の背番号を語る上で興味深いのは、背番号1。昨季は守護神として大活躍した、投手である松井裕樹が背負っている。

 王貞治(元巨人)や秋山幸二(元西武ほか)など、内外野は問わないが、野手の番号というイメージが強い背番号1。投手では、12球団を見渡しても、過去に6人しか付けたことのない稀有な番号である。


 その中の1人が、通算317勝を挙げた鈴木啓示。とてつもない大投手で、楽天が誕生するきっかけのと言える近鉄の投手だ。

 松井はこの1を選んだ理由を、「慣れ親しんだ番号」と答えており、鈴木の影は微塵も感じさせなかった。しかし、ともに高卒の左投げということもあり、近鉄時代からファン歴を継承している楽天ファンには、その姿を重ねることもあるだろう。

 現在はチーム事情もあり、クローザーを務めている松井。近い将来、鈴木のように先発としてまっさらなマウンドで躍動する姿を見たい。そして田中の18や、岩隈久志(現マリナーズ)の21のように、「楽天の1といえば松井」と、背番号1がチームを代表するエースナンバーになることを願いたい。


未来を担う猛者に渡った1ケタ背番号


 楽天が球団史上初めてドラフト1位で獲得した野手が、オコエ瑠偉だ。類い希な脚力と、それに裏打ちされる守備力は、すぐにプロでも通用するといわれている逸材。楽天ファンならずとも注目したくなるスターの背番号は9に決まった。


 他にもドラ2の俊足内野手・吉持亮汰が2、ドラ3の強打の内野手・茂木栄五郎が3と、ドラフト上位に揃って1ケタが与えられた。

 1ケタ背番号は、レギュラークラス、もしくは将来を期待される選手が付けているものである。楽天とて、例外ではない。今年の上位陣が揃ってつけたこと、フロントが彼らに与えた真意を、彼らには感じてもらいたい。


新興球団だからこそできること


 2004年10月に球団が創設され、2005年シーズンから参戦した楽天は、今年が12年目のシーズンを迎える。球団史を振り返れば、日本一になったことがあるとはいえ、それ以外では2位が1度あるだけ。あとは常にBクラスという、まだまだ発展途上のチームだ。当然、背番号の系譜を紐解いてみても、他球団と比べるとどうしても歴史は浅い。

 しかし裏を返せば、現在所属している選手たち自らが、球団の歴史の創造者になれるということ。既に何十年もの歴史を持つ他球団では難しいことが、楽天ならできるはずだ。

 例えるなら、背番号に棲む選手のイメージを、自分の色にすることができる。大仕事ではあるが、やりがいは満点。だからこそ、移籍組はもちろん、松井裕樹や1ケタ背番を与えられたルーキーたちには、ぜひとも与えられた背番号にふさわしい結果を残してもらいたい。

 そして、その活躍が新たな楽天劇場の幕を開け、杜の都の野球ファンに、再び夢を見せることにつながるのだから。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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