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【2015夏の高校野球】《秋田観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月11日〜22日(こまちスタジアムほか)

連続甲子園目指す大曲工打線は県内屈指
エースと4番の双子兄弟で夏狙う秋田南

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●潜在能力を秘めた投手たち


 春季県大会を27年ぶりに制した秋田南の中島和俊はストレートに球威があり、こまちスタジアムでは141キロを表示したが、プロのスカウトのスピードガンでは143キロを何度か出した。

 体格は175センチ80キロと近くで見ると普通だが、マウンド上での雰囲気は独特で大きく見える。

 1年夏に甲子園を経験した秋田商・成田翔は、最速141キロ左腕だ。169センチと小柄だが、力のあるストレートと大きなカーブが特徴で、OBの石川雅規(ヤクルト)超えを目標としている。

 左腕では大館鳳鳴の2年生・佐藤宏樹もポテンシャルは高い。ゲーム作りにはまだ難はあるが、一球一球の質は高く、ミットの手前でグッと伸びるストレートで打者を詰まらせる。エースの185センチの長身右腕・佐々木拓海は、腕の振りがしなやかで、制球力次第で楽に試合を作れるだろう。

 今年のセンバツに出場した大曲工・武田龍成は、ストレートのスピードこそそれほどでもないが、スライダーとカーブのコンビネーションがよく、走者を背負ってからの粘りは驚異的だ。

 ストライクゾーンをうまく使って勝負する左腕・野呂田遼太郎(能代松陽)は投げ込み不足で春を迎えたため、本調子には程遠い状態だった。夏は満を持して挑みたい。1年春に東北大会のマウンドを経験した真坂陸(本荘)は、右ヒジ手術の影響で球速が落ちたが、夏までに回復すれば楽しみだ。

 秋田商打線を苦しめた阿部優大(大館工)、クセのないフォームから130キロ台中盤のストレートを投げる五十嵐拓海(秋田工)は、その出来がチーム浮上のカギを握りそうだ。昨夏の甲子園に出場した角館は、1年生ながら三塁でスタメン出場した小木田敦也がエースナンバーを背負い、“二刀流”として注目を集めている。


▲成田翔(秋田商)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●経験値の高い大曲工


 投手編で紹介した4番・武田を中心に、センバツ2試合で9打数5安打3打点を挙げた1番・佐々木駿一、勝負強い5番・中邑一生らが並ぶ大曲工の打線は県内屈指だ。昨秋の東北大会、今春のセンバツを経験しているが、春は県8強止まり。この夏、大舞台の経験を発揮できるか、注目したい。

 秋田南はクリーンアップがいい。三浦光貴は思い切りがよく、チームに勢いを与える存在で、野上朋輝は選球眼に優れたヒットメーカー。4番・中島貴俊はエース・中島和俊の双子の弟。長打力と積極的な姿勢が持ち味だ。

 リードに定評のある佐林瑠弥(西目)は左手親指を負傷し、県大会は外野を守った。垂れない、低くて正確なスローイングに肩の強さが光る。181センチ104キロの新山悠太(横手城南)は県大会初戦で両翼122メートル、中堅100メートルのこまちスタジアムに場外アーチをかけた。

 今年の秋田は主力に2年生が多い。中でも石垣克貴(秋田中央)は野球カンがよく、チャンスに強さを発揮する。鈴木黎(秋田工)は地区大会で2本塁打をマーク。金沢龍介(秋田)、古谷凌平(秋田商)も能力の高い選手だ。1年生では、攻守に柔らかさを見せる田村慶太(能代松陽)に注目したい。


▲佐々木駿一(大曲工)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●大混戦の秋田県、どの高校もチャンス


 毎年、本命がいない秋田県だが、今年も変わらず混戦となりそうだ。春季県大会では、昨秋の優勝校でセンバツに出場した大曲工が優勝候補に挙げられていたが、準々決勝で敗退。県大会を制したのは27年ぶりの秋田南で、ノーマークの秋田が準優勝となった。前評判が高かった秋田中央、能代松陽は8強で敗退となり、大館鳳鳴は初戦で姿を消した。はたして夏に仕上げてくるチームはどこになるのか。大混戦の秋田県を抜け、甲子園にたどり着くチャンスはどの高校にもある。

地区勢力ピラミッド

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