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《週刊巨人特集》アンチ巨人が生観戦で発見した“巨人のすごいところ”


 筋金入りのアンチ巨人とは筆者のことだ。1999年、小学4年で野球に目覚め、阪神ファンになって以来、やはり巨人への強いライバル意識と嫉妬があり、折しも巨人が各球団の4番打者を乱獲していたことも相まって、自身のプロ野球観は「平和」には形成されなかった。

 少年〜青年期が過ぎ、過激なアンチ巨人思想は薄れつつあるが、中立が求められるライター兼編集者になった今でも、心のどこかに「巨人が負けるとメシがうまい」と感じる惰性がある。

 贔屓球団が変わり、さまざまな取材を通して野球の見方が変わっても、まるで味がなくなったガムのごとく「アンチ巨人」を噛み続けている。

 そんな意地っぱりのアンチ巨人であるが、近年巨人戦を生観戦すると、「やっぱり巨人はすごい」と感じることが増えてきた。危うくも「好きだ」と言ってしまいそうな点を発表したい。

キビキビとしたバックアップ


 テレビ中継では伝わりにくいところだが、巨人のすごさを感じる部分はバックアップだ。他球団では“アリバイ”程度にトボトボとバックアップをしている選手もいるが、巨人のバックアップは本気度が違う。

 とくにランナーがいるときのキャッチャーからピッチャーへの返球は必見だ。悪送球に備えてセカンドとショートが二塁ベース寄りにバックアップに入ることは一般的だが、巨人の場合はサッと入る。まるで二盗を封じるかのようにキビキビと動くのだ。

 この動きひとつで、スタンドから見ても「盗塁は難しいんじゃないか」と思える威圧感がある。プレーに直接関わらないところでも、観察すればするほど“強豪感”を発見できてしまうのだ。

不覚にも惚れてしまったあの主力


 そのバックアップの中心となっているのがキャプテン・坂本勇人だ。

 はっきり言って筆者は坂本が嫌いだった。その理由は明らか。「同年代で年俸数億を稼ぐ巨人軍主将」というだけで、十分、理不尽な嫉妬の対象である。

 筆者がガード下の安い居酒屋で鳥皮ポン酢を「うんめぇ、うんめぇ」とつつき、ウーロンハイを飲んでいる間にも、きっと坂本は西麻布や六本木の高級店のVIPシートで女の子を侍らせて高いシャンパンでも飲んでいるのだろう……という妄想が、己を「坂本嫌い」に駆り立てていた。

 しかし、生で坂本を観察すると、「ぐぬぬ……」と言わんばかりの動きをいくつも発見してしまう。

 先述のキビキビとしたバックアップもそうだが、坂本は若手投手の登板時にマウンドにスッと近づいて声をかけることが多い。それもタイミングが最高なのだ。ピンチのときだけではなく、球場の雰囲気がフワッとしたときに坂本はマウンドに近づくのだ。

 悔しいことにそれだけではない。球際の守備も見事で、捕球までのステップと送球へのステップが合理的につながり、お手本のような舞いを見せる。

 贔屓球団の選手が際どいショートゴロでアウトになっても「坂本なら仕方ない」と思える。むしろ不覚にも「いいものを見た!」とすら思ってしまうのだ。

 悔しい、悔しい、悔しい……。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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