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《楽天、オリックス》両チームとも大卒ルーキー野手が期待通りの活躍! 新人王争いを展開


 楽天のルーキー・茂木栄五郎が新人王を争っている。大学時代に日本代表で一緒に戦った吉田正尚(オリックス)は、ケガで戦列を離れたことがあったものの2ケタ本塁打を達成し、来シーズンに弾みをつけた。

 週刊野球太郎では、9月から10月にかけての週刊連載として今季のルーキーの働き具合をチェック。2015年シーズンの上位チームから順に、12球団のルーキーの成績を振り返ってきた。

 最終回となる今回は2015年のパ・リーグ5位・楽天、6位・オリックスのルーキーを取り上げる。

(成績は10月2日現在)

◎東北楽天ゴールデンイーグルス

【ドラフト1位】
オコエ瑠偉(外野手/関東一高/右投右打)
51試合:打率.185(119打数22安打)1本塁打/6打点/4盗塁/27三振/6四球

 1位競合となった平沢大河(ロッテ)の抽選を外し獲得したのがオコエだった。オコエはキャンプから注目され、開幕1軍切符を獲得。その後も昇降格を繰り返しながら1軍で51試合に出場した。

 主に守備固めでの出場だったが、素質の高さには目を見張るものがあった。高卒1年目で51試合出場は合格点だろう。来シーズンのレギュラー奪取へ期待したい。

【ドラフト2位】
吉持亮汰(内野手/大阪商業大/右投右打)
21試合:打率.161(31打数5安打)0本塁打/1打点/1盗塁/6三振/3四球

 ドラフト2位の吉持は期待に答えられたとは言い難い結果に終わった。3位指名の茂木にすべての面で差をつけられた。来シーズンは巻き返したい。
 
【ドラフト3位】
茂木栄五郎(内野手/早稲田大/右投左打)
115試合:打率.281(416打数117安打)7本塁打/40打点/11盗塁/94三振/30四球

 茂木は新人王候補No.1といってもいい活躍を見せた。早稲田大時代は三塁を守っていたが、遊撃へコンバート。無難な守備を見せレギュラーに定着。ランニングホームランを2本も放つなどインパクトもバッチリだ。試合中のケガで離脱はあったが規定打席にも到達。満点評価を与えたい。

【ドラフト4位】
堀内謙伍(捕手/静岡高/右投左打)
《2軍》13試合:打率.182(22打数4安打)0本塁打/2打点/1盗塁/3三振/2四球

【ドラフト5位】
石橋良太(投手/Honda/右投左打)
6試合:0勝0敗/防御率13.50/投球回5.1/奪三振4/与四球4/与死球0

【ドラフト6位】
足立祐一(捕手/パナソニック/右投右打)
71試合:打率.227(181打数41安打)1本塁打/14打点/0盗塁/35三振/9四球

【ドラフト7位】
村林一輝(内野手/大塚高/右投右打)
《2軍》25試合:打率.000(22打数0安打)0本塁打/2打点/2盗塁/7三振/0四球

 堀内、村林の高卒組はまず2軍で実績を積んで、3年目あたりで1軍昇格を目指したい。

 即戦力と期待された石橋は開幕1軍切符を掴んだが結果を残すことができず、7月20日を最後に1軍での出番がない。来シーズンこそは手薄な中継ぎ陣に割って入りたい。

 捕手の足立は嶋基宏と併用され、1軍で71試合に出場。嶋はFA権を保持しているため「万が一」に備えての起用、という意味もあったのかもしれない。打撃の確実性を上げてレギュラー奪取を狙う。

◎オリックス・バファローズ

【ドラフト1位】
吉田正尚(外野手/青山学院大/右投左打)
63試合:打率.290(231打数67安打)10本塁打/34打点/0盗塁/34三振/25四球

 1番・指名打者で開幕スタメンの座をつかんだ吉田正は、新人記録となる開幕6試合連続ヒットと好スタートを切った。

 しかし、4月23日のロッテ戦で腰を痛め途中交代。登録抹消となった。8月に再び1軍に戻ってくると、およそ3カ月半の“うっぷん”を晴らすかのように本塁打を量産。2カ月で10本塁打を放ち、和製大砲候補として名乗りを上げた。

 ケガがあったとはいえ、吉田正の存在はオリックスにとって今シーズン最大の補強となった。来シーズンはT-岡田、吉田正の大砲コンビがオリックスを熱くするはず。

【ドラフト2位】
近藤大亮(投手/パナソニック/右投右打)
1試合:0勝0敗/防御率0.00/投球回3/奪三振2/与四球1/与死球0

 開幕2戦目の西武戦でルーキーながら先発を任された近藤。3回1失点の投球を見せながら右肩の違和感で降板。そのまま登録抹消され、この試合を最後に1軍登板はなかった。ファームでは2試合に投げており、来シーズンの1軍復帰が待たれる。

【ドラフト3位】
大城滉二(内野手/立教大/右投右打)
64試合:打率.224(161打数36安打)0本塁打/7打点/1盗塁/38三振/5四球

【ドラフト4位】
青山大紀(投手/トヨタ自動車/右投左打)
1試合:0勝1敗/防御率6.75/投球回4/奪三振5/与四球2/与死球0

【ドラフト5位】
吉田凌(投手/東海大相模高/右投右打)
《2軍》12試合:2勝2敗/防御率5.79/投球回42/奪三振18/与四球17/与死球2

【ドラフト6位】
佐藤世那(投手/仙台育英高/右投右打)
《2軍》12試合:4勝4敗/防御率5.37/投球回52/奪三振39/与四球27/与死球1

【ドラフト7位】
鈴木昂平(内野手/三菱重工名古屋/右投右打)
45試合:打率.184(38打数7安打)0本塁打/4打点/0盗塁/8三振/1四球

【ドラフト8位】
角屋龍太(投手/ジェイプロジェクト/右投右打)
2試合:0勝0敗/防御率11.57/投球回2.1/奪三振1/与四球4/与死球0

【ドラフト9位】
赤間謙(投手/鷺宮製作所/右投右打)
24試合:0勝1敗/防御率3.09/投球回35/奪三振19/与四球24/与死球1

【ドラフト10位】
杉本裕太郎(外野手/JR西日本/右投右打)
1試合:打率.000(3打数0安打)0本塁打/0打点/0盗塁/2三振/0四球

 大城、鈴木、杉本の野手3名は1軍出場を果たした。鈴木、大城はシーズン終盤にスタメン出場も経験し、来シーズンのレギュラー争いに加わってくるだろう。

 青山は1軍での登板は1試合だが、2軍では18試合に登板。来シーズンは先発ローテーション争いに割って入る足かがりを築きたい。

 赤間は6月半ばからシーズン終了まで1軍登録され、中継ぎとして活躍した。来シーズンも中継ぎでの起用が予想される。

 甲子園を沸かせた佐藤世、吉田凌の2人は2軍で育成中だ。西勇輝のように高卒から1軍で羽ばたいてほしい。

 角屋はすでに戦力外通告を受けた。1年で戦力外とプロの厳しさを味わうこととなった。


 オリックス、楽天ともに今シーズンもBクラスに終わってしまった。すでに福良淳一監督、梨田昌孝監督の続投は決まっており来シーズンに向けたチームづくりは始まっている。

 この連載企画で紹介した選手たちも来シーズンは“先輩”になる。今年のドラフトで入団してくる選手たちに負けない活躍をしてくれるよう期待したい。

 今回で「2016年のルーキー」の総評が終了。はやいもので、あと1週間ほどすればドラフト会議だ。新たなスター候補誕生を心待ちにしたい。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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