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日本のプロ野球でも導入される「チャレンジ制度」。メジャーリーグでのチャレンジ成功率は?

日本のプロ野球でも導入される「チャレンジ制度」。メジャーリーグでのチャレンジ成功率は?

 11月13日、NPB実行委員会は日本版「チャレンジ制度」の導入を決めた。メジャーでは2014年から採用されているチャレンジ制度(※)だが、日本では今季まで本塁打、本塁でのクロスプレー、併殺阻止の危険なスライディングに限り、リプレー検証が採用されていた。

 メジャーでは各球場で7台から12台の専用カメラを設置し、ニューヨークのスタジオで審判団が判定を下していたが、日本版チャレンジ制度はテレビ中継の映像を活用する。

 リプレー検証を要求できる回数は9回までは2度。延長戦に入るとそれまでの回数は引き継がず、1度の権利が与えられる。成功の場合は権利が復活する。また、メジャー同様、ストライクかボールかを見極める判定には使用できない。

 ファン、現場待望の制度だが、メジャーでの成功率はどうなっているのだろうか?

(※チャレンジ制度=判定に意義がある場合、監督がビデオ映像によるリプレー検証を要求できる制度)

成功率は約50パーセント


 今季のメジャーリーグでは、ベンチから1172回のチャレンジがコールされた。結果は589回の成功(判定変更)、583回の失敗。ほぼ50パーセントの成功率だ。

 リプレーの導入により、本当に微妙な判定にもチャレンジすることができる。成功率50パーセントはやや低く感じるが、試合を左右するシーンでためらわずにリプレー判定を要求した結果ともいえる。

チャレンジ専門のスタッフも!?


 ちなみに成功率が高いのはヤンキース。毎年、メジャー上位の成功率を収めているが、実はヤンキースはリプレー検証専門のスタッフが待機している。

 試合を行う両チームのベンチ裏にはモニターがあり、球場に設置されたリプレー判定用の映像が流れている。ヤンキースではそこに専門のスタッフが張りつき、逐一電話で連絡を取っているのだ。

 日本では専門のスタッフを雇用する可能性は低いだろうが、その分、コーチには判断力が求められる。視力のいいコーチがいるチームがチャレンジを制するかもしれない。


日本版名称は「リクエスト」


 なお、日本版チャレンジ制度の名称は「リクエスト」に決まった。リプレー検証検討委員会のアナウンスによると「審判とチームが協力しあって、正しい判定を求めていくという意味を込めた」という。

 チャレンジとほぼ変わらないシステムで、わざわざ柔らかくすることもないと思うのだが……。

 ちなみにメジャーでは本塁打の判定など、主審の権限で審判団がチャレンジを利用することもある。そもそもチャレンジの単語自体にリクエストの意味が含まれており、決して「complain(不平を言う)」ではない。

 国際的かつ多くのスポーツで使用される「チャレンジ」でいいのではないだろうか……。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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