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《テリー伊藤インタビュー4・最終回》いまのプロ野球は黒田みたいなスターが必要なんです!

「面白いことをしゃべる監督が少なくなっちゃったよね。そもそも、発言が足りないんですよ」


 『長嶋茂雄を思うと、涙が出てくるのはなぜだろう』(ポプラ新書)を上梓したテリー伊藤に訊く、プロ野球の今。最終回は「ダメ監督評論家」を自任するテリー伊藤から見た監督像、そして今の球界に一番必要なスター、黒田博樹について語ってもらった。

*   *   *

 今の野球界に必要なことって、野球をあまり知らない層をどう取り込んでいくか、というアイデアだと思うんです。「野球は面白いんですよ」ということを噛み砕いて説明する人が必要なんですよ。

 その意味で、監督に求められる役割って重要だと思うんです。でも、自分の言葉を持っている監督が今は少ないですよね。それどころか、大事な局面で悩んでばかりで、試合時間まで長くなる。悩むっていうことは止まるっていうことだからね。

 もうね、おっちゃんが悩んでる姿なんて、わざわざ高い銭を出してまでファンは見たくないんですよ。それはサッカーが基準になってしまったから。サッカーは監督が悩む場面はないじゃないですか。そこを知ってしまったから、野球ファンもこれからは、「悩んでんじゃねーよ、バカヤロー! 金返せ!」みたいなことが増えていくと思いますよ。


もっと選手をスターにしていく努力を


 でも、本来は監督が目立っちゃダメなんですよ。意外に思われるかもしれませんけど、僕は「長嶋ジャイアンツ」みたいに、監督名が先に来るようなチームって、実はあまり好きじゃないんです。だって、昔は「川上ジャイアンツ」なんて言わなかったんだから。監督名がチーム名より先に来るようになったのは長嶋さんからだと思いますよ。

 だから、球団も監督も、もっと選手をスターにしていく努力をする必要がありますよね。“スター選手”というと大げさかもしれないけど、どうやったらもっとファンに認知してもらえるか。

 それこそ「デーブ大久保」なんてミスターが命名したのが、今でも呼ばれてるんですよ。他にも、原始人みたいだから「ゲンちゃん」(河野博文)とかね。ニックネームをどんどんつけて親しみが湧く、っていうこともあると思うんです。

 今、それができているのはDeNAの中畑清監督くらいかなぁ。エライですよ。今年はなんとかAクラスに入ってほしいですね。

黒田博樹に期待する夢のある展開


 それにしても、今年のセ・リーグは面白いよね。ジャイアンツなんて、今の戦力でよく戦ってますよ。原監督がインフルエンザになって、阿部(慎之助)も坂本(勇人)も内海(哲也)もいない。大竹(寛)もどっかにいっちゃったでしょ。よくこれでAクラスを維持してるなって感心しますよ。
※取材を行ったのは4月21日

 でも、実は今年、半分は広島ファンなんですよね(笑)。

 やっぱり黒田(博樹)が見たいですよ。なんでも黒田がジャイアンツと戦うのはローテーションの関係で8月になるらしくて、ジャイアンツの営業サイドはがっかりしてるらしいです(笑)。

 黒田に関しては、もう皆さんと同じ感覚で楽しみな存在です。こういうわかりやすいスターが必要なんですよ。だって今、ちびっ子もおじいちゃん・おばあちゃんも、みんな黒田のこと知ってるでしょ。黒田が出るだけでどれだけ視聴率があがるのか!?


 だから、今年、広島が優勝する。少なくともクライマックスシリーズには残ってもらえれば、どんなに楽しいか。そして日本シリーズで黒田が4連投……とまではいかなくても、2勝とかしたら大変なことになりますよ。そういう夢のある展開が見たいですよね。

 それはジャイアンツが優勝するよりも、よっぽど日本のためになるし、プロ野球のためにもなるし、野球を知らない人たち、子どもたちにとっても「野球ってこんなにすごいんだ!」ということを気づかせるキッカケにもなりえる。だって、20億を蹴る、ってサッカーじゃありえないことでしょ。

 そして、個人的に期待しているのは、広島が優勝した後、「お役目は果たした」と来年また黒田がヤンキースと契約すること。「最後は広島のユニフォームを着て選手生活を終えたい」と言ってましたけど、別にいいんじゃないのーって(笑)。それもまた新しいプロ野球のあり方だと思うし、誰も怒らないよねぇ。


■プロフィール
テリー伊藤(てりーいとう)/1949年東京都生まれ。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大に入学。大学卒業後、テレビ番組制作会社「IVSテレビ」に入社し、『天才たけしの元気が出るテレビ』(日本テレビ系)、『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ系)などヒット番組を手掛け、演出家として名を馳せる。その後、ラジオパーソナリティ、コメンテーター、そして、これまで共著も含めて40冊以上を刊行する著作家としても活躍する。最新刊『長嶋茂雄を思うと、涙が出てくるのはなぜだろう』(ポプラ新書)が発売された。

■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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