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【2019ドラフト採点その1】100点はヤクルトとロッテ! ロマン指名の阪神は90点。楽天は50点。

文=落合初春

【ドラフト採点その1】100点はヤクルトとロッテ! ロマン指名の阪神は90点。楽天は50点。
 今年も大いに盛り上がったプロ野球ドラフト会議。各球団の出来を週刊野球太郎的に採点してみたい。

(※本誌『野球太郎』のドラフト採点は異なります)

巨人:75点


 奥川恭伸(星稜高)を外し、次は宮川哲(東芝)が重複。結局、堀田賢慎(青森山田高)に落ち着いた。150キロ超のストレートがドカンとくる好素材。ウエーーバー順を考えると悪くはないだろう。

 2位で太田龍(JR東日本)を獲得できたのはよかったが、その他は高校生が並んだ。今季は優勝したとはいえ、投手陣はかなりカツカツだった。昨年も高校生を大量指名しており、即戦力投手を獲るのもアリだったのではないだろうか。菊田拡和(常総学院高)、伊藤海斗(酒田南高)はスラッガー候補だが、ここも昨年の指名で補強したポイントとダブり、どこか「転ばぬ先の杖」に見えてしまう。素材型が多いため、採点はそこそこの75点で。

DeNA:85点


 昨年は小園海斗(報徳学園高→広島)を外したが、今年は森敬斗(桐蔭学園高)の一本釣りに成功。先発型の坂本裕哉(立命館大)、リリーフ型の伊勢大夢(明治大)、即戦力投手を上位指名し、正捕手候補の東妻純平(智辯和歌山高)もしっかり抑えた。

 急所は埋めたが、先発陣を考えると下位で大学生・社会人投手をもっと獲ってもよかったかもしれない。

阪神:90点


 奥川恭伸を外したものの、西純矢(創志学園高)を一本釣りできたのは非常に大きい。選手の年齢層を考えれば、高校生中心のドラフトは現時点では得策。2位の井上広大(履正社高)の順位がやや高いとの指摘もあるが、片山勢三(パナソニック)が不調で実質的にドラフト回避になった以上、右のスラッガーとしては他球団も最上位だっただろう。

 及川雅貴(横浜高)、遠藤成(東海大相模高)、藤田健斗(中京学院大中京高)もネームバリューが高い好素材。注目度の高い阪神ではこういった甲子園スターの方が図太く生き抜ける気もする。合格点以上。阪神には珍しくロマンに溢れている。

広島:85点


 1位で森下暢仁(明治大)を獲得し、やや手薄な先発を確保。ただリリーフ陣の疲れを考えると、全体的にもう少し即戦力投手に寄ってもよかった。2位の宇草孔基(法政大)はスピード感のある大型外野手。今年の外野手候補のなかではかなり即戦力といえるだろう。

 全体的にはバランスのいい指名で十分に及第点。近年は素材型ドラフトを続けており、そろそろ新戦力の台頭もあるはず。

中日:95点


 昨年の根尾昂(大阪桐蔭高→中日)に続き、石川昂弥(東邦高)を華麗にゲット。三塁にスラッガー候補がバチっとハマった。

 2位の橋本侑樹(大阪商業大)、3位の岡野祐一郎(東芝)はスタミナ抜群の先発型でここも必要なピース。4位で郡司裕也(慶應義塾大)が残っていたのもおいしい。

ヤクルト:100点


 奥川恭伸を当てたのは会心。酷使が気になるところだったが、2位の吉田大喜(日本体育大)、3位の杉山晃基(創価大)、4位の大西広樹(大阪商業大)は大学球界で実績のある即戦力投手。知名度も実力もあり、例年のように「焦った結果の即戦力投手獲得」には見えない。

 欲を言えば尽きないが、まずは投手陣再建に向けて、100点満点の出来ではないだろうか。

西武:80点


 もちろん即戦力投手中心の指名。宮川哲は速球派のパワーピッチャーでパ・リーグ向きにも感じる。浜屋将太(三菱日立パワーシズテムズ)や松岡洸希(埼玉武蔵ヒートベアーズ)も好素材だ。

 ただ、宮川をクジで引き当てたことでなんとか形を保てた印象。1年目から投げられそうな奥川恭伸ならまだしも、1位入札で佐々木朗希(大船渡高)にいったのはロマンなのか。以前から佐々木を指名すると言われていたが、CSの惨状を見ると方向転換の余地はあった。今季も即戦力の松本航を一本釣りできていなかったら、投手陣のやりくりは厳しかったはずだ。

ソフトバンク:75点


 外れ1位は走攻守三拍子揃った外野手の佐藤直樹(JR西日本)。今季は外野手のケガ人が続出、上林誠知の不調に悩んだため、実利的な指名といえるが、以前ほどの余裕はなくなってきたか。

 海野隆司(東海大)は甲斐拓也の後釜には十分。面白いのは3位の津森宥紀(東北福祉大)。アンダースローの高橋礼が成功しているが、津森は速球派のサイドスロー。変則派の波に乗せてきた。

楽天:50点


 さすがに辛口にならざるを得ないのは楽天か。外れ1位の小深田大翔(大阪ガス)には多くのファンが腰を抜かしたはずだ。確かに脚力、小力、ミート力はあるが、168センチ67キロの小兵でどちらかといえば、適性は二塁。差し出がましいかもしれないが、先日、育成契約を打診された西巻賢二らに注力したほうがいいのではと思ってしまう…。

 要は一刻でも早く茂木栄五郎を三塁に移したいのだろう。やや焦った指名にも見える。「森敬斗(桐蔭学園高)が残っていない!」というオチではないと信じたいが、野手よりも投手の方がプライオリティーは高かったはず。ただし、近本光司(大阪ガス→阪神)のような例もある。小深田にはぜひ、手のひらを返させる活躍を見せてほしい。

 2位の黒川史陽(智辨和歌山)はなかなか面白い指名だが、3位の津留崎大成(慶應義塾大)はケガのため、実績が乏しく隠し玉的な指名。全体的に順位が繰り上がった感は否めない。

ロッテ:100点


 佐々木朗希(大船渡高)を引き当てた時点で100点は確定。2位の佐藤都志也(東洋大)は、正捕手の田村龍弘が捕手陣最年少であることを考えると妥当。3位の高部瑛斗(国士舘大)はミート力のある外野手で薄いところを埋めた。

 本来は即戦力投手を…と言いたいところだが、種市篤暉や岩下大輝が台頭してきており、一時期ほどの危機ではない。野手陣はかなり整ってきた。投手陣の課題は来年に持ち越し。

日本ハム:80点


 外れ1位で左の河野竜生(JFE西日本)、2位で右の立野和明(東海理化)を獲得し、手薄な先発の穴埋めは上々。ゴリッと投手陣を入れ替える展望が見える。

 3位の上野響平(京都国際高)は高校生では破格の守備力で注目を集めた逸材。ただ、支配下7人中6人が大学生、社会人で「日本ハムらしさ」は見えず。昨年に比べればやや地味か。

オリックス:80点


 石川昂弥、河野竜生を外したが、宮城大弥(興南高)を獲得し、うまくまとめてきた。近年は投手育成に成功しているが、左腕も育てば鬼に金棒だ。

 2位の紅林弘太郎(駿河総合高)は身体能力が光る大型遊撃手。会心の指名は5位の勝俣翔貴(国際武道大)。打力が光る三塁手でオリックスが求めていた存在。お買い得でドンピシャの補強に見える。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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