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スカウト部の“トップ”に突撃取材〜鳥原公二編(東京ヤクルトスワローズ/ 編成部次長チーフスカウト)〜

 秋のドラフト会議に向け、今夏もスカウトたちは各地の球場スタンドから目を光らせるはずだ。その前に、スカウト部のトップ二人に、現時点ではどんな選手が評価されているのか訊いてみた。今週は鳥原公二氏(東京ヤクルトスワローズ/編成部次長チーフスカウト)の意見を紹介する。先週は中田宗男氏(中日ドラゴンズ/スカウト部長)が登場した。

東京ヤクルトスワローズ/ 編成部次長チーフスカウト
鳥原公二(とりはら・こうじ)

<プロフィール>
1954年生まれ、宮崎県出身。宮崎商〜東洋紡績岩国〜日立製作所〜ヤクルト。77年ドラフト5位でヤクルトに入団。投手として9年プレーし、引退後はスカウトに。北海道・東北などを担当し、現在はチーフスカウト。


昨年より有望株少ないが松井は即戦力
 今年の高校生は、昨年に比べると有力選手が少ないのが現状です。今、高校生を130名ほどリストアップしていますが、実際に注目して見ているのは12人ぐらい。大学・社会人を含めても1位候補は限られています。

 少し調子を落としているようですが、九州共立大の大瀬良大地くんも評価の高いピッチャーの一人です。ヤクルトは、昨年から「即戦力重視」の方針で優勝するための戦力を最優先にして指名しています。素材よりも、早い時期に戦力となる選手。高校生でいえば松井裕樹くん。高卒でも即戦力として十分にやれる。どの球団もそれだけの評価をしているでしょう。

松井 裕樹
桐光学園(神奈川・3年)
投手/174cm74kg/左投左打


ドラフトでの重複1位指名は濃厚
 複数球団がドラフト1位で指名するでしょう。チェンジアップを覚えて、またレベルアップしました。特徴は、ストレートと変化球を同じ腕の振りで投げられること。スライダーはプロの打者でも、なかなか見極めがつかないのでは。高卒で体が小さい投手が活躍したイメージがあまりないのですが、気になるのはそこだけです。

安樂 智大
済美(愛媛・2年)
投手/186cm85kg/右投左打


馬力型の今後の推移が楽しみ
 2年生にしてあの体で、あれだけのストレートを放っている。どちらかというと馬力型のピッチャーですね。プロが好むのはしなやかで柔らかいピッチャーですが、投手陣の中で1割は馬力型のピッチャーが欲しいもの。来年どう変わってくるかじっくりと見たいです。順調に成長すれば、ドラフト1位候補に入ってくるでしょう。

森 友哉
大阪桐蔭(大阪・3年)
捕手/170cm80kg/右投左打


木製バットでもすぐ対応可能
 バッティングはすぐに木製バットに対応できる技術を持っています。何よりいいのは広角に長打を打てること。パワーだけでなく、打ち分けるミート力を兼ね備えています。プロで長くやっていくには、個人的には内野、特にセカンドで鍛えたらどうかと思いますね。あれだけ打てますから、内野ができれば面白い野手になりますよ。

上林 誠知
仙台育英(宮城・3年)
中堅手/184cm80kg/右投左打


バット操作白眉で上位指名の素材
 バットコントロールの巧さが目立ちます。甲子園でワンバウンドを打っていましたが、彼だからこそできることでしょう。イチロー(ヤンキース)のようなタイプ。打つだけでなく、足もあり、守れる。上位で指名される素材だと思います。

園部 聡
聖光学院(福島・3年)
一塁手/184cm88kg/右投右打


30本打てる打球角度かを見極めたい
 力強いバットスイングが目立ちます。ただ、そのわりには打球があまり飛んでいかない。ライナーの打球が多い印象があります。ファーストでプロで勝負するとなると、ライバルは外国人。30本打てるだけの力があるか、です。

若月 健矢
花咲徳栄(埼玉・3年)
捕手/178cm80kg/右投右打


守備は森より上、センバツで高評価
 センバツで気になった選手で、高い評価をしています。ノーステップであれだけ飛ばせるのは、相当なパンチ力の持ち主。ディフェンス能力も、大阪桐蔭の森より上だと思います。体の強さもありますし、将来的に楽しみなキャッチャーです。

平良 拳太郎
北山(沖縄・3年)
投手/180cm70kg/右投右打


希少価値はあるがプロ環境合うか?
 スリークオーターから独特の投げ方をしていますね。プロでもなかなかいない面白いタイプで、三振が取れる。ただ…、沖縄出身の選手は期待よりもプロでは活躍していない現状があり、ここをどう判断するかでしょうね。

鳥原公二チーフスカウト注目の4選手

渡邉 諒
東海大甲府(山梨・3年)
遊撃手/180cm78kg/右投右打

送球次第だがレベル高い三拍子揃う
走攻守三拍子揃った内野手。スイングスピードが速く、走れる足もある。ただ、大きな課題としてはスローイングにクセがあります。捕るところまではいいのですが…。内野で勝負するのなら、スローイング次第です。

鈴木 翔太
聖隷クリストファー(静岡・3年)
投手/183cm73kg/右投右打


柔らかい投げ方だが気になる故障歴
非常に柔らかい投げ方をしています。ヒジを柔らかく使えて、腕の振りが抜群にいい。素晴らしい素材ですね。将来的に面白いピッチャーになるでしょう。課題は体の弱さで、故障の経験も持っているのが気がかりです。

甲斐 翼
宮崎日大(宮崎・3年)
投手/188cm78kg/左投左打

調子を取り戻せるか? 評価が分かれる
調子を崩しているようですね。いいときは速い球を放っていたので、力はあるはずです。その感覚がどこまで戻ってくるか。いいときの状態を知っているスカウトは、気になる存在。正直、評価が分かれるピッチャーです。

浦嶌 颯太 Sota Urashima
菰野(三重・3年)
投手/183cm86kg/右投右打

腕の振りが魅力的な将来性ある原石
センバツで短いイニングしか投げませんでしたが、気になるピッチャーの一人です。腕が振れるのが、一番の魅力です。タイプは即戦力ではなく将来性。こういうピッチャーをファームで育ててみたいですね。


他にもこんな選手が
 気になるのは浜田商の東方伸友くんです。まだ確認できていないですが、担当の岡林洋一スカウトが「ぜひ見てほしい」とイチ押ししています。あと、センバツを見て気になったのが広陵の下石涼太くん。ピッチャーではなく、野手としてです。内野を守れるようになったら面白いですね。

 2年生で注目しているのは横浜の高濱祐仁くんです。右投げ右打ちで飛ばす力を持っている。長距離砲として期待したい一人です。これからの成長を見守りたいと思っています。

▲東方伸友(浜田商・3年)

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