ぽっちゃりとは違う!? ただのデブじゃない！ 鍛えぬかれた巨漢外国人選手のココがスゴい！
前回は、今季活躍している「ぽっちゃり体型」の日本人選手を紹介した。今回は活躍できないとシーズン途中でもゴーホームしてしまう、パワー自慢の「巨漢」外国人選手たちを紹介したい。
ブラッド・エルドレッドの趣味は釣り？ それとも釣り球打ち？
来日5年目のブラッド・エルドレッド（広島・196センチ122キロ）はアスリート型巨漢選手。といっても足が速いわけではなく、上半身はガッチリしているがヒザから下はキュッと締まっている。
月間MVPこそダヤン・ビシエドに譲ったものの、開幕から好調を維持するエルドレッド。相手投手が投じる、ウエストボール（釣り球）も本塁打にしてしまう圧巻のパワーは見逃せない。
釣りといえば、エルドレッドの趣味は魚釣り。アメリカでは専用の釣り船を保有しているといい、広島でも、「釣りをしている外国人を見たら、エルドレッドを疑え」と言われているとかいないとか。今季の好調の秘訣は、釣りによる精神統一で集中力を養っていることにあるのかもしれない。
キューバの至宝問題は解決？ 真打ち登場アレフレド・デスパイネ
近年、日本球界にやってくる助っ人外国人たちのなかでも、キューバ出身選手の数が増えている。退団してしまったユリエスキ・グリエル（元DeNA）やフレデリク・セペダ（元巨人）ら、「キューバの至宝」とのふれこみで来日するも、ホントに至宝なのか？ と疑われても仕方ない成績や素行が目立った。
しかし、ここにきて「キューバの至宝」の真打ちが登場。アルフレド・デスパイネ（ロッテ・175センチ95キロ）はホンモノの至宝ではないだろうか。
今季3年目のデスパイネは、日本の野球にも順応。カリビアン・シリーズ出場の影響で、オープン戦未出場もなんのその。開幕からヤマイコ・ナバーロがいないなか、助っ人外国人としてチームを牽引して、勝負強い打撃を見せてきた。
5月15日、QVCマリンフィールドで行われた楽天戦では、サヨナラ安打を放ったデスパイネ。試合終了後は、当日のイベントで配布されたレディースＴシャツを着てお立ち台に上がった。その様は、明らかにＴシャツはピチピチで、はち切れんばかり。腹回りはややタプつき、その柔和な表情も相まって、デスパイネは「ぽっちゃり型」選手の代表といっても過言ではないだろう。
今年は家族が6月に来日するといい、より一層の活躍が期待される。奥さんの手料理で、食生活が充実し体重が増加し過ぎないことが心配か？
打撃とパフォーマンスの二刀流!? はゼラス・ウィーラー
ポテトヘッドこと、ゼラス・ウィーラー（楽天・178センチ100キロ）のパフォーマンスが熱い。タイムリーを打つと塁上で敬礼ポーズ。“BURN”に続く、楽天の新パフォーマンスとして伝染中だ。
“明るいデブ”はどこの世界でも人気者。打つ方も4番としてチーム最多の本塁打と打点を記録。昨年は9月以降、帳尻合わせともいう「スーパー・ウィーラーモード」で大爆発。一気に成績を挙げて、翌年の契約を勝ち取った実績がある。今季もこれから、さらに調子を上げてくるかに注目だ。
フリースインガーとは言わせない！ ダヤン・ビシエド
キューバ発MLB経由のダヤン・ビシエド（中日・185センチ108キロ）が止まらない。開幕から3戦連続本塁打でファンの度肝を抜くと、その後も打ちまくって、3・4月の月間MVPを獲得した。
100キロを超える体格に相応しいパワーはさすが。さらに逆方向にも打てる器用さまで持ち合わせている。前評弾では「フリースインガーの大型扇風機」という悪評も、自らのバットで吹き飛ばした。
唯一の悩みは、打ちまくるとメジャーからオファーがきてしまうという点か。ビシエドが打てば打つほど、中日ファンの悩みのタネになりそうだ。
助っ人外国人選手は「ぽっちゃり体型」というよりは「巨漢」という表現が適切かもしれない。彼らの体内には、シーズンを乗り切る体力やパワーの源が蓄えられているのだ。
おなじ体重でも、元々のぽっちゃり体型と鍛えられた巨漢で意味合いは変わってくるだろう。次回以降は肉体改造での大型化についても探ってみたい。
文＝勝田 聡（かつた さとし）
松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。
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