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奇跡の大逆転劇で勢いに乗る阪神。リーグ制覇に向け「守り勝つ野球」を徹底できるか!?



 まさかの大逆転劇だった。

 5月6日広島戦、阪神は6回表が終了した時点で9点のビハインド。ワンサイドゲームだと誰もが疑わなかったなかで、奇跡は起こった。

 「決してあきらめてはいけない。野球はゲームセットまで何が起こるかわからない」と言われている。

 しかし、水を差すようだが、この試合で阪神首脳陣は6点ビハインドの4回終了時点で4番の福留孝介を交代させている。

 要するに次の試合に備えたのだ。

 ましてや、続く5回表に3点を追加され、9対0となったとあれば、あきらめなかったといえば嘘になる。

 ところが、そんな敗戦ムードとは裏腹に選手たちは5回裏に1点、そして6回に一挙7点をもぎとり、9対8と1点差にまで詰め寄った。

粗い野球と広島・菊池の不在が生んだ阪神の逆転劇


 この日の6回裏のビッグイニングには伏線がある。

 前日の試合でも7回裏に一挙5点を奪い、見事な逆転劇を演じていたのだ。選手たちはこの逆転劇で自信をつけ、3連戦の2戦目にあたる試合に臨んでいた。

 広島は、開幕から横綱相撲で他を寄せつけなかった。打線の破壊力、足を使って相手をかく乱する攻撃は、昨シーズンのそれを上回っていた。

 ただ、ここにきて大味な試合が目立ち、四死球で自滅するなど、投手陣が踏ん張れない試合が続いていた。この日も、6回裏に阪神が挙げた7点には5つの四死球が絡んだ。

 また、甲子園3連戦では、名手・菊池亮介の故障リタイアが響き、広島の守備陣は精彩を欠いていた。

 今回の大逆転劇の背景には、阪神の勢いだけではなく、リズムを崩した広島の粗い野球と菊池の不在もあったのだ。

金本監督の理想とするチームに仕上がりつつある


 では、広島をかわして阪神が首位を奪うに至った要因は何か?

 まずは、チーム防御率2.94が示すように投手力が安定していることだろう。

 先発陣はメッセンジャーを筆頭に、藤浪晋太郎、秋山拓巳、岩貞祐太、能見篤史の5人が試合を作っている。中継ぎ陣も桑原謙太朗、高橋聡文が要所を締め、8回、9回はマテオ、ドリスのドミニカンコンビがしっかり抑えている。

 投手陣は、先発から抑えまでの「勝利の方程式」ができあがっているのだ。

 また、打線は糸井嘉男、福留孝介、鳥谷敬のベテラン勢がいずれも打率3割台。「打つべき人が打つと勝つ!」というムードを作れているのが大きい。

 さらに、上本博紀、中谷将大、梅野隆太郎がポイント、ポイントでいい働きを見せている。昨季ブレイクした高山俊、北條史也、原口文仁は「2年目のジンクス」にぶち当たりながらも、徐々に調子を取り戻している。

 金本知憲監督が理想とする、ベテラン、中堅、若手がうまく融合したチームに仕上がりつつあるのだ。


阪神は守り勝つ野球をしてこそ優勝が見えてくる


 阪神はこのままの勢いでペナントレースのテープを真っ先に切り、リーグ優勝を果たせるのであろうか?

 阪神のウイークポイントは、開幕から散々指摘されてきた守備だ。チームの失策数31はリーグワースト。記録に表れないミスを入れると、その数はさらに膨れ上がる。

 開幕からの破竹の勢いでペナントを制するかと思われた広島が、菊池のリタイアでリズムを狂わせたのを見ると、やはり「守りのリズムがいい攻撃を生む」という定石を思い起こさざるを得ない。

「野球は守りから」。

 今後、ますますのデットヒートが予想されるペナントレースにおいて、最後は守り勝つチームが制するように思えてならない。

 投手力には抜群の安定感がある阪神。バックがしっかり守って盛り立てれば悲願達成は夢ではない。

(成績は5月11日現在)


文=まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。

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