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DeNA・山崎康晃登場時の「ヤスアキコール」誕生秘話も公開! 節丸裕一アナが語る実況中継裏話

聞き手・構成=オグマナオト

 サラリーマンから転身した異色の実況アナ、としても知られる節丸裕一アナウンサー。研鑽を重ねた結果、日本のプロ野球はもちろんのこと、MLB中継、ニコ生での野球中継、WBCなどの国際大会、と幅広く活躍しています。そんな節丸アナウンサーだからこそのハプニング、裏エピソードを2回に分けてお届けします。まずはDeNAの山崎康晃にまつわる節丸伝説について。

節丸裕一アナウンサー

DeNA・山崎康晃の登場演出「ヤスアキコール」生みの親は節丸アナだった!


「ヤスアキコール」と「ヤスアキジャンプ」はニコ生文化とバスケ文化の融合!?

「オオオオオ、オ♪ オオオオオオオ、オ、オオオオ♪ やっ・すっ・あっ・きっ!」

 2015年のプロ野球を盛り上げたひとり、DeNA「ハマの小魔神」こと山崎康晃。新人記録となる37セーブをあげて文句無しの新人王に輝いたその右腕の活躍を、今年も多くのファンが待ち望んでいるはずだ。

 山崎によってファンが盛り上がったのは、その投球もさることながら、横浜スタジアムが一体となる登場シーンも欠かせない要素だ。登場曲「Kernkraft400」にあわせた冒頭の“ヤスアキコール”と、そのコールにあわせてファンが跳ねる“ヤスアキジャンプ”は、球場に異様なまでの熱狂を生み出す一因となった。山崎自身もTwitterで「ヤスアキジャンプ」についてたびたび言及し、あまりの盛り上がりぶりに「相手攻撃時のヤスアキコールに賛否両論」といった議論がネット上で沸き起こったほどだ。

山崎康晃選手のTwitter
 実はこの「ヤスアキコール」と「ヤスアキジャンプ」の生みの親こそ節丸裕一アナだった。節丸アナは昨季、ニコニコ生放送で数多くのDeNA戦中継を担当している。

節丸 普通の野球中継とは違い、ニコ生中継は解説者不在。アナウンサーだけで1試合喋ります。これって結構難しいことなんです。放送スタイルをどうすべきか悩んだ結果、出た答えがニコ生の「コメント機能」を活かすこと。どんなことを喋れば、どんな中継にすればたくさんコメントを残してもらえるか? 一度踏ん切りがつけば、あとはもう、放送中に歌ったり、中継の冒頭からいきなり「山口俊〜♪ 山口俊〜♪」とただ選手名を連呼したりと、自由にやらせていただいています。

 山崎の登場シーンでも、同様の理由から中継中に歌ってみたのがすべての始まりだったという。

節丸 登場曲であるZombie Nationの『Kernkraft400』って、僕自身が元々好きな曲。だから、自然と「オオオオオ♪」と歌ったのが最初です。そして「オ」の連打って、コメントがしやすいじゃないですか(笑)。だから、「さぁ、皆さんご一緒に!」と。その結果、画面が「オ」で真っ白になったんです。

 ニコ生でコメントを増やすために歌い、そして「オ」の連打を促した結果、「オオオオオ♪」と歌い上げる山崎の登場スタイルが誕生したのだ。では、「ヤスアキジャンプ」はどのようにして始まったのだろうか?

節丸 僕がニコ生中継で歌っている、という話が山崎投手の耳にも入り、あるとき山崎選手の方から「節丸さん、歌ってるんですって!?」と話を振ってくれたんです。そこでいろいろと掘り下げたところ、山崎選手がNBAファンであること。バスケの試合でもあの曲が流れるとすごく盛り上がるから、同じようにハマスタも盛り上げたい、というファンサービスの視点から選曲した、ということがわかりました。その話をした夜、調べごとをしていたら、アメリカのバスケの試合でZombie Nationの曲に合わせて会場全体がジャンプしながら「オオオオオ♪」と連呼している動画を見つけたんです。その動画をTwitterで山崎選手に送り、「ハマスタを、こんな風にしたいんですよね〜」と伝えたんです。

ゾンビネーションにあわせてジャンプ
節丸 すると山崎選手も喜んでくれて。そして、このTwitterでのやり取りをたくさんのファンの方に見ていただいたようなんですね。僕自身、このやり取り以降は意識的にニコ生でも歌うようになりましたし、あとはスタジアムDJの南隼人さんとも仲がいいのでこの話をしたところ、「応援団もたぶん協力してくれるんじゃないか」と話がどんどん盛り上がっていった感じです。

「今日って誰が喋ってたっけ?」という反応が、理想的なアナウンサー像


 ニコ生では歌ったり、パフォーマンスを促したりと自由奔放な節丸アナ。ただ、これはあくまでも「ニコ生」という媒体特性を考慮しての実験的なキャラクターだ。

節丸 自分の本来の実況スタイルは、解説者や映像を活かすことだと思っています。いかにその解説者の良さを出していくか。そこに気を配っています。

 ひと口に「実況アナウンサー」といっても、マシンガンのように矢継ぎ早に言葉をつないでいくタイプもいれば、絶叫タイプ、冷静沈着タイプと様々だ。その中にあって節丸アナの理想とするアナウンサー像は、今日、誰が喋っていたのか気づかれない中継。つまり、ニコ生中継とは真逆のスタイルだという。

節丸 子どもの頃から野球が大好きで野球中継をずっと見てきましたが、アナウンサーが誰だったかを意識したことはありません。うまいアナウンサーほど言葉に無駄がないし、結果として、存在に気づかれないこともあると思います。本当に良いアナウンサーほど、試合と野球を見せているはず。普段の中継では、目立たないアナウンサーでありたいと思っています。

(次回の1月26日号に続く)

<節丸裕一 プロフィール>
1999年にフリーアナウンサーとなり、プロ野球・MLBを中心にスポーツ専門アナウンサーとして活動中。World Baseball Classicでは、2006年の第1回大会、2009年の第2回大会で、ともに準決勝、決勝などの中継を担当した。

聞き手・構成=オグマナオト(おぐま・なおと)
1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務を経てフリーライターに転身。「エキレビ!」「R25」などでスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)、『高校野球100年を読む』(ポプラ社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。著書に『福島のおきて』(泰文堂)、『爆笑!感動! スポーツ伝説超百科』(ポプラ社)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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