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【ドラフト特集】2016ドラフト候補怪物図鑑〜今夏の甲子園優勝投手・今井達也(作新学院)

 ドラフト候補選手の魅力をたっぷりとお伝えする「2016ドラフト候補怪物図鑑」。

 今年のドラフト会議での上位指名が濃厚な目玉選手9名と、来年のドラフト会議で要注目の3名を4週間に渡って徹底解剖。新人ライターの山岸健人さんが、『野球太郎』持木秀仁編集長に根掘り葉掘り質問しまくります。

 この「ドラフト候補怪物図鑑」と『野球太郎No.020 ドラフト直前大特集号』(全国書店にて絶賛販売中)があればドラフト会議の予習はバッチリ!!

 今回は夏の甲子園で作新学院(栃木)を54年ぶりの優勝に導いたシンデレラボーイ・今井達也投手に迫ります!


今井はプロのスカウト好みの投手


山岸:今年の夏の甲子園優勝で一気にドラフト1位候補に躍り出た今井達也投手ですが、プロのスカウトはどう見ていると思いますか?

持木:今井投手はプロのスカウト好みのタイプの投手だと思いますね。

山岸:スカウト好みとは?

持木:今井はすらっとした体型で、まだ体ができているとは言えませんよね。

山岸:体重はまだ72キロ。細身ですね。

持木:体ができていないだけに伸びシロがある。つまり、プロに入ってからの夢が広がるということです。

山岸:体ができてくると……

持木:「160キロも夢ではない」と、プロのスカウトは大きな魅力を感じているんじゃないでしょうか。

山岸:実際、夏の甲子園では細身ながらあれだけの強く速いボールを投げ込んでいました。

持木:「高校BIG3」の藤平尚真(横浜)、寺島成輝(履正社)、高橋昂也(花咲徳栄)のようにある程度、体ができている投手達と比べても、潜在的なポテンシャルは引けをとりません。この夏は、スカウトの評価が一気に上がったのもうなずける見事なピッチングだったと思います。


スピードだけではないピッチング術


山岸:それにしても急に頭角を現しましたね。

持木:素材としてよい投手だということは知られていましたが、春まではそこまで騒がれた存在ではありませんでした。ところが夏に一気に評価を上げました。一塁を守る入江大生が、今井が頭角を表す前は主戦格のピッチャーだったんですよね。

山岸:それほどの急成長ながら、甲子園でのマウンドさばきは終始安定していました。ピッチングでは最速152キロのストレートが話題を呼びましたが、技術的な面はどうでしょうか?

持木:技術的には体をしなやかに使いつつ速い球を投げられています。左打者が苦手なのかなと思いきや、対策としてカットボールを投げたりと器用な面も持ち合わせていますね。

山岸:作新学院の小針崇監督は、冬の間は1人で練習するよう今井に指示をしていたようですね。

持木:「野球は投手が頑張らないと勝つことは難しい。投手にしかできないことをひとりで意識してほしかった。自分に向き合う時間が長ければ長くなるほどいい」と小針監督が話していました。その指導の成果も出ましたね。

プロでの活躍イメージと課題


山岸:プロではどういった活躍が期待されますか?

持木:1年目から1軍で活躍するのは求められていないと思います。前田健太投手(ドジャース)と田中将大投手(ヤンキース)という同級生ふたりを例に挙げれば、前田投手のように、最初の1年間は体を作りながら、2軍で先発投手としてローテーションをこなし、3年目くらいに1軍で活躍するイメージの投手だと思います。

山岸:プロで活躍するために求められるものは何でしょうか?

持木:フォークボールも使っているようでしたが、フォークに磨きをかけることがタイプ的にも必要になってくるのではないかと思います。

山岸:大会後半で見られたシュート回転も気になりますよね。

持木:大会序盤はしっかりと右打者のアウトローに投げられていたものが、後半はやはり疲れから体の開きが早くなって、ボールがシュート回転してしまったんでしょうね。高校生の打者が相手ならシュート回転した球がファウルになりますが、プロでは長打にされてしまう可能性があります。

山岸:ちょっと心配です。

持木:そのあたりは体の成長とトレーニングで改善されていくのでは、という声もあります。逆にシュート回転を利用してコースを攻められれば、それは武器になりますし。

山岸:昨夏の栃木大会では四死球を多く出すなど、コントロールの不安もありましたが、そういった点は?

持木:今年の夏は、コントロールは改善されたように見えました。でも、本当のところはまだわかりませんね。プロに入って体が成長して、パワーがつくとボールが暴れてきたりするので、そこをどう調整できるか。それもプロで活躍する為の鍵ですね。


 シンデレラボーイといわれるように今井投手が超高校級の投球を見せたのはわずか1カ月半程。この力をプロで存分に生かすために、まずは2軍での体作り、実戦経験が必要だと思われる。数年後、球界を代表するエースに成長した今井投手の姿に期待したい。


文=山岸健人(やまぎし・けんと)

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