週刊野球太郎
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高校野球と乃木坂46と私〜後編〜

「日本一可愛い高校野球ファン」とも言われる乃木坂46・衛藤美彩さんに、高校野球好きとなったきっかけや、高校野球から学ぶこと通じることを聞いてきた本連載。最終回は、選抜メンバー入りまで2年かかった衛藤さんだからこそのメッセージが凝縮されたインタビューとなった。


衛藤美彩(えとう・みさ)・・・1993年1月4日生まれ。大分県出身。身長162cm。ミスマガジン2011グランプリに輝いた後、乃木坂46の一期生オーディションに合格。輝かしい経歴で加入するも、7thシングル『バレッタ』で初めてシングルの選抜メンバー入りを果たすなど苦労人の一面も持つ。最近では選抜メンバーに入ることが多く、バラエティ番組でも存在感を放っている。「日本一可愛い高校野球ファン」との異名も持ち、今回の連載で満を持して『週刊野球太郎』に初登場!

地元で終わりたくなかった


――各地から選りすぐりの子が集まってきて、そこで勝負するというのも、高校野球強豪校のような環境と、乃木坂46は似ている気がします。衛藤さんは大分でも活動はされていましたが、高校卒業後、東京へ来たんですよね?

衛藤 はい。今宮さん(健太/ソフトバンク)も前にインタビューで、『(明豊高に進学した時の気持ちを)弱いチームじゃなくて強いチームで自分の力を試したかった』みたいなことを言っていたんですよ。それって多分、自分に自信があるからで、それだけの練習をしてきたからこそ、それが言えるんだと思います。
 私の場合はどうなんだろう……。でも、やっぱり“地元で終わりたくない”そう思ったのは、私のなかでもう少しできるとか、もっと大きなところで自分の力を試したいという気持ちがあったんだと思います。

――小さい頃から、東京に出てアイドルになれると思っていましたか?

衛藤 いえ、全然そんなことなくて。歌うことは好きだったですけど、アイドルになりたいとかはなかったんです。でも、高校卒業を機に上京し、そこで大好きな歌を人前で歌う喜びも知って。スイッチが入ってからは、一直線に頑張ってきたつもりです。

地元にも帰りたくなかった苦しい2年間


《上京後初めて受けたオーディションとなる『ミスマガジン』で、いきなりグランプリに輝いた衛藤さん。その後、高校野球でいうところの「鳴り物入り」で乃木坂46に加入した衛藤さんだったが、そこで待っていたのは試練の日々だった。》

――ミスマガジン獲得後に乃木坂46加入と、華々しい経歴で加入も、高校野球でいうところのレギュラー、シングルの選抜入りを果たすまでに約2年の月日を要しました。その頃の心境は?

衛藤 冠だけデカイというか、“美彩は慣れてるから、できて当たり前でしょ”みたいに見られているようで、それが苦しい時もありました。それが原因で辞めたくなる時はなかったけど、2年間アンダー(控え)だったので、“乃木坂として私は使いづらいのかな?”と思っちゃうこともありました。


――地方から強豪校に入った子がレギュラーを獲得するまでは、帰省したくなかった、というような話も聞いたことがあるのですが、衛藤さんの場合はいかがでしたか?

衛藤 私も同じで、大分に帰っていなかったんです。そこで自分は負けず嫌いというか、変なプライドがあるんだな、って気づいた。親に“帰っておいで”って言われても、私が選抜に入ったCDを渡したかった。

大事なこと、大切な人


――くすぶるような感情を持った球児もたくさんいると思いますが、そんな状況でこそ“大事なこと”はどんなことですか?

衛藤 私が思うのは、“目標が叶うイメージをすること”ですね。高校野球とアイドルというのは、やっていることは違うけど、イメージすることが早く叶う子、遅く叶う子がいます。
 私もそうだったんですが、最初にレギュラー入り(選抜メンバー入り)を果たした子が自分のすごく仲良い子だったら、(嬉しくも悔しくもあり)辛いと思うんです。
 でも、そこで“アイツいいなあ”と妬むんじゃなくて、自分を信じて、焦らないで目標を持ち続ければ、高校もしくはその先の人生で、それはいつか絶対叶う、報われると思います。今、私は選抜メンバーに入れなかった時に思っていたことが、一つずつ叶っているから、それは胸を張って言えますね。

――苦難の2年間を味わった衛藤さんだから、重みがある言葉ですね。今後の抱負を聞かせてください。

衛藤 乃木坂の活動が今年で4年目に入り、私たちは第2章に入ると思っていて。だから、私自身も逃げたりしたくないので、しっかり時間をかけて、もう一回大きな目標を立てます。

――“衛藤美彩の第2章”も始まると。

衛藤 なんかカッコつけてるみたいですね(笑)。でも、ブレブレですよ。それをファンの方が直してくれます。ファンの方たちの生の声を、アイドルは握手会の時にいただけるので、やっぱり“応援されること”の大切さにも実感しています。

――高校野球でも、応援が本当に後押ししてくれるというのはよく聞く話ですね。

衛藤 高校野球の応援に球場へ行く人って、応援席を除けば、どっちの応援じゃない人も多いじゃないですか。だからこそ、そういった人たちをファンとして掴んでほしいですね。あと、私はどんなに細かいことでも、ココの部分! と決めたことは、絶対他の人に認められるぐらい練習しようと……というか、自分で練習してます、って言うのは好きじゃないんですけど、自分に自信が持てるぐらいの練習をしています。「誰にも負けないぞ」という部分を作ってほしいです。


 高校野球とアイドル、そのフィールドは違うも、目標に真摯に取り組み、もがき苦しんできた衛藤さんだからこその、球児や私たちにも伝わる熱いメッセージを聞くことができた。衛藤さんの飛躍、そして衛藤さんら高校野球ファン全員が期待する熱い夏の訪れを、楽しみに待ちたい。

企画原案及びキャスティング(取材協力):柳川貴裕

インタビュー:高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動開始。大学野球を中心にアマチュア野球、ラグビー、ボクシングなどを取材している。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』は随時更新中。Twitterアカウントは@you_the_ballad(https://tiwitter.com/you_the_ballad)

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