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『野球太郎No.008』P18・高校日本代表選出の理由が明らかに!

 3月10日に『野球太郎No.008 2014プロ野球&ドラフト候補選手名鑑』が発売された。その巻頭ページでは様々な企画コーナーが行われ、色々なタイプの注目すべきプロ野球選手や、今年開催される世代別大会の代表選手を『野球太郎』編集部とライターの独断と偏見が入りつつも、平等な意識を持って選出した。

 実際の雑誌では、選ばれた選手が掲載れているが、どのような過程で決まっていったのか、なぜこの選手が選出されているのか、疑問に感じる部分もあるだろう。といったところを解決するべく、その選考過程を記事にしました!

 いきなりですが『野球太郎No.008』巻頭ページの順番をふっ飛ばして、今がまさに主役である、高校球児が出場する『第10回 BFA 18Uアジア選手高校日本代表』の選考を公開します。


■昨年からの有名どころが多い投手陣

菊地:今年夏に行われる18Uアジア選手権に出場する高校日本代表を選びたいと思います。センバツの前なので、まだ全員を見たわけではないですけど、知っている範囲でリストアップしてみました。去年はピッチャーの枠が7人。今回も7〜8人ぐらいになりますか。

キビタ:投げられる状態であれば、安樂智大(済美)、高橋光成(前橋育英)、小島和哉(浦和学院)あたりは当確でしょう。


▲高橋光成(前橋育英)


久保:岸潤一郎(明徳義塾)と立田将太(大和広陵)もいます。佐藤雄偉知(東海大相模)はどうですか? いいフォークを初球からバンバン投げますよ。

菊地:デカいですし。東海大相模なら、1年生で149キロを出した吉田凌もいます。

キビタ:左だったら、伊藤将司(横浜)も候補かな。杉内俊哉(巨人)のような将来性を感じるんですよね。スピード表示以上に球がピッとくる。

久保:テークバックでの力の抜け具合や、技巧派と見せかけて、意外と真っすぐで押してくるあたりは、確かに杉内っぽいです。

菊地:美里工の伊波友和はドラフト候補ってタイプではないですけど、カットボールを駆使して試合を作れると評判です。

久保:瀬戸内にいた山岡泰輔(東京ガス)のような凄みがあるんですか?

菊地:そこまでの凄みはないんですけど。凄みがないで思い出したのが、大分商の笠谷俊介。済々黌の大竹耕太郎(早稲田大)みたいなタイプで、こういう左は国際大会で役立つんじゃないかと思ってリストアップしました。

キビタ:だったら田嶋大樹(佐野日大)は左のサイドで140キロ以上出るから、入れておいた方がいいんじゃない。

持木:田嶋は生で見てどうだった?

キビタ:怖さはありますよ。実際に左バッターにぶつけたりもしていました。地域的なバランスを考えると、選ばれていないのは中国地方かな。

久保:となると、新庄の山岡就也ですか?

菊地:左ピッチャーなら、笠谷か山岡就也、どちらかを入れたいですね。

■最後の1枠に秦匠太朗(二松学舎大付)

キビタ:キャッチャーは栗原優心(春江工)が中心になるのかな。


菊地:九州大会で清水優心(九州国際大付)を見ましたけど、彼はドラフト指名確実のレベルにいます。体がしっかりしていて、飛ばせるツボを持っています。若生正廣監督が言うには「高城俊人(DeNA)以上」の選手だそうですよ。

キビタ:若生監督は新しい選手が出てくると、すぐに記憶が「上書き」されてしまうからな。「ダルビッシュ有(レンジャーズ)より上」とか(笑)。

菊地:内野手は岡本和真(智辯学園)、北條裕之(八戸学院光星)、高濱祐仁(横浜)、?原樹(常葉学園菊川)、宗佑磨(横浜隼人)の5人はほぼ確定ですかね。

久保:宗は当確ですか! うれしいですね。でも内野に転向して日が浅いですから……。

菊地:外野も視野に入れての選考です。

持木:使い勝手で選んだら、報徳学園の岸田行倫。去年までショートをやってて、今年からキャッチャーです。

菊地:九州国際大付の古澤勝吾はいいショートです。九州大会で一番印象に残っている内野手です。守備もいいし、バッティングもいい。

久保:高濱はショートをやっていますけど、ショートタイプじゃないんだよな。

菊地:?原や宗もショートをやらされていますけど…。やらされている感があるショートが多い中、古澤はショートらしいショートです。

持木:守りだけなら、日大三のショートもうまいよ。船山貴大。

キビタ:横浜の川口凌も実戦向きの内野手ですよ。何がなんでも塁に出るみたいな泥臭さがあります。外野は浅間大基(横浜)が確定として、あとは沖縄尚学の選手をどう評価するか……。

菊地:沖縄尚学の3番打者の西平大樹なんですけど、神宮大会ではやたら打っていました。彼はドラフト候補というより、単純に「打つ」ということで候補にしました。

キビタ:興南にいた我如古盛次(立教大)みたいに、大きな大会で局地的に当たったのか、それとも根拠があって打っているのか、イマイチ見えてこないタイプだよね。

菊地:フォームも決してカッコよくはないんですけどね。身長も175センチぐらいなんだけど、どっしり構えて右に左に二塁打を打っていました。

久保:沖縄尚学だったら、2番ライトの久保柊人が一番実用的だと思います。打てて、守れて、リリーフもできる。

キビタ:久保は背番号4で外野に入って、シートノックでいい返球をしていました。「肩のいい背番号4だな」と思っていたら、試合後半にマウンドにも上がりました。エースの山城大智の足の上げ方も面白かったけど、試合の印象度では久保かな。

菊地:駒大苫小牧の伊藤優希はめちゃくちゃ足の速い選手で、50メートル5秒7ぐらい。陸上選手としても注目されていた選手です。

久保:走れる選手は1人入れておきたいですね。

菊地:飯塚悟史(日本文理)や松本裕樹(盛岡大付)はピッチャーの枠ですけど、打力もあるので外野兼任と考えています。

キビタ:松本のバッティングはいいですよ。

菊地:最初のリスト以外から、誰か追加はいますか?

持木:もっと野手を入れたいの?

久保:やっぱり外野が少ないですよね。投手兼任が何人かいますけど。

菊地:安樂だって外野で出られます。

キビタ:安樂はちょっと野手慣れしてないから……。それだったら小島も今年は浦和学院で3番を打っています。森士監督も「今年は小島ぐらいしか打つヤツがいないから」って言ってましたよ。

持木:二松学舎大付の秦匠太朗は入れてあげたい。


キビタ:二松学舎大付は他にもいい選手はいるけども、その中でも秦は代表に入れても遜色ないレベル。だいぶドアスイングが改善されてきて、ライトにホームランを打てるようになってきました。

持木:東京大会の準決勝では満塁ホームランを打っています。

キビタ:秦がバットを持ったら、カラーバットを振っているように見えますよ。1年からクリーンアップを打っていて、体重はあるんですけど、そんなにおデブな感じじゃなくて、がっちりしています。以前は三塁側のファウルを何本も打っていましたけど、そのうちの何本かがフェアゾーンに入るようになってきました。去年の秋からよくなってきて、面白いかな。

菊地:秦を入れましょうか。関西や中国地区の選手はライターの谷上史朗さんに補足してもらってから、20人を正式に決めたいと思います。


『野球太郎』が選ぶ、18U日本代表〈20名〉
右投手
安樂智大(済美高)、高橋光成(前橋育英高)、飯塚悟史(日本文理高)、松本裕樹(盛岡大付)、岸潤一郎(明徳義塾高)、立田将太(大和広陵高)

左投手
小島和哉(浦和学院高)、田嶋大樹(佐野日大高)、笠谷俊介(大分商高)

捕手
栗原陵矢(春江工高)、清水優心(九州国際大付高)、岸本朋也(関大北陽高)

内野手
岡本和真(智辯学園高)、北条裕之(八戸学院光星高)、?濱祐仁(横浜高)、?原樹(常葉学園菊川高)、宗佑磨(横浜隼人高)、古澤勝吾(九州国際大付高)

外野手
浅間大基(横浜高)、秦匠太朗(二松学舎大付高)


<選考メンバー>
『野球太郎』編集部:持木秀仁、菊地高弘
ライター:キビタキビオ、本木昭宏、谷上史朗

選考メンバー・構成=久保弘毅(くぼ・ひろき)/テレビ神奈川アナウンサーとして、神奈川県内の野球を取材、中継していた。現在は野球やハンドボールを中心にライターとして活躍。ブログ「手の球日記」

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