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澤村拓一の大暴投こそ「消える魔球」!? 2016年プロ野球 勝手に珍プレー大賞「ハプニング編」!


 今回で3回目を迎える「2016年プロ野球 勝手に珍プレー大賞」。第1回は「痛い編」、第2回は「ブチ切れ編」をお送りしたが、これらはまさしく「珍プレーの華」といったところか。

 第3回は試合中に起こった珍しいプレーの数々を紹介する「ハプニング編」。ハプニング度合いを独断で「○○%」と定め、今回もベスト5をカウントダウン形式で振り返っていこう。

メヒアの流れ作業が生んだハプニング!?


【第5位】メヒア(西武)
ハプニング度「40%」
(8月13日/西武対オリックス/西武プリンスドーム)

 選手によってはルーティンな「流れ作業」になりがちな、アウト後のボール回し。この日のメヒア(西武)のボール回しは、まさに「ソレ」だったのかもしれない。

 6回、先頭の小田裕也(オリックス)がセーフティーバントを仕掛けるも、一塁を守るメヒアのもとへ打球が転がりタッチアウト。

 メヒアはベースカバーに向かっていた二塁手・浅村栄斗に「流れ作業」的にボールを回す。しかし、浅村は引き返そうとすでに反対方向を向いており、メヒアの放ったボールは浅村の頭にコツン。救いだったのはアンダーハンドトスでやさしくボールを放ったため大事には至らず、ちょっとした笑いで済んだことか。


ナバーロとデスパイネが追いかけっこ!?


【第4位】ナバーロ、デスパイネ(ともにロッテ)
ハプニング度「60%」
(6月8日/ロッテ対阪神/QVCマリンフィールド)

 同じ打球でも、どの塁にいるかで見え方が異なり、ときに判断も異なる。その典型がこの場面だった。

 1死一、二塁から鈴木大地(ロッテ)が放ったライト頭上を襲う打球に対し、二塁走者・デスパイネは一旦帰塁。タッチアップに備えるためだ。一方、一塁走者・ナバーロは抜けると確信し二塁へダッシュ。結果ヒットとなったため、デスパイネは慌ててスタート。このときすでにナバーロがすぐ後ろで爆走していた。

 2人は巨体を揺らしながら追いかけっこのように本塁まで猛ダッシュし、ともに生還。ベンチに戻ると互いに肩で息をしていたのは言うまでもない。

倉本寿彦の忍者走塁がさく裂


【第3位】倉本寿彦(DeNA)
ハプニング度「80%」
(5月17日/巨人対DeNA/荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた)

 今季から導入されたコリジョンルールにより生まれたハプニングもあった。そのひとつが、倉本寿彦(DeNA)の「忍者走塁」だ。

 DeNAが同点で迎えた6回1死一、三塁。戸柱恭孝(DeNA)の一塁ゴロの間に三塁走者・倉本が本塁突入。捕手・小林誠司(巨人)のタッチをかいくぐるも倉本はホームベースを越え、小林と正対する。

 ホームベースに触れていなかった倉本の万事休すかと思いきや、倉本は再度タッチを試みた小林の脇をすり抜け、身を翻しながらベースに触れホームイン。

 これは捕手のブロックを禁止したルール、すなわちコリジョンルール導入が生んだ珍プレー、というより、「神業」といった方がいいのかもしれない。


サファテ、まさかの自己申告ボーク


【第2位】サファテ(ソフトバンク)
ハプニング度「90%」
(7月29日/日本ハム対ソフトバンク/札幌ドーム)

 ボークは、投手にとって百害あって一利なし。ヒットや本塁打を打たれたり、四死球を与えることなく、無条件に走者を進めてしまう。自らの首を絞めるミス以外の何物でもない。しかし、この日のサファテ(ソフトバンク)はそんなボークを自己申告したのだ。

 場面はソフトバンクが2点リードで迎えた9回2死一塁。フルカウントからサファテはけん制球を投げるのだが、一塁手がベースカバーに入っておらず、無人のベースに投げる結果になり悪送球。走者を三塁まで進めてしまった。そこでボークの自己申告が起こる。

 ポイントは一塁手がベースカバーに入っていなかったことに加え、ボークだと二塁までしか進塁が認められないこと。ピンチを拡げたくないが故の自己申告だった。

 しかし、この自己申告は認められず、試合再開。その後、サファテは得点を与えることなく試合を締めたが、なんとも珍しい場面に遭遇したものだ。


澤村拓一が思わぬ形で「消える魔球」を披露


【第1位】澤村拓一(巨人)
ハプニング度「100%」
(9月4日/巨人対中日/東京ドーム)

 野球界で「消える魔球」といえば、フォークボールなどの変化が鋭すぎる場合に「比喩的」に表現されることが多い。だが、この日の澤村拓一(巨人)は違った形で「消える魔球」を披露してしまった。

 1点ビハインドの9回にマウンドへ上がった澤村だったが、1死一塁で左の高橋周平(中日)に対する初球がとんでもない角度で放たれ、ボールがテレビの画面から「消えた」。

 サッカーでは「明後日の方向」にシュートを外すことを「宇宙開発」と揶揄されるが、まさにそう言いたくなるほどの大暴投だ。

 ボールは弧を描き三塁ベンチ上に着弾。バウンドしたボールがフィールドに戻ってくるも、慌てて捕手・小林が捕球したときには走者は三塁まで進んでいた。さらに澤村は、その三塁走者を再び暴投で本塁に還すという、ある意味での「神業」を成し遂げ、オチも十分。文句なしの1位となった。

 後日、澤村は公共の電波で「かかとがマウンドにひっかかってしまった」と釈明したが、決してそれだけでは終わらない「消える魔球」だった。


文=加賀一輝(かが・いっき)

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