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人気、旬とは違う、ネタになる選手の引きの強さ【第3回】

 「野球芸人」第1回のトータルテンボス・藤田憲右さんに続いて登場するのは、ナイツ・塙宣之さん。

 大の巨人ファンとして知られる塙さん。ナイツのお家芸とも言える「ヤホーで調べました」の漫才ネタは、実は「野球」がヒントになっていたそうです。

 そんな塙さんに全4週に渡って、野球と漫才について語ってもらう短期連載第3回。今回は「ネタにしやすいプロ野球選手」について。

プロ野球チームとのつながり

 子どもの頃から大のジャイアンツファンで、野球ネタも「長嶋茂雄」「王貞治」「巨人打線」「松井秀喜」「清原和博」といった巨人ネタが多いんですが、なぜか最近はパ・リーグから声がかかることが増えてきたナイツ・塙です。

 去年の年末は、ソフトバンクホークスの納会に余興として呼んでいただきました。博多華丸さんからお誘いを受けた仕事だったんですが、納会ですし、やっぱりアウェーですから、最初は誰もネタを見てくれなかったんですよ。

 でも、徐々にハマってくれて、最後には皆さんから拍手をもらえました。「よう知ってんなー」と言っていただけたりして、こっちはもう知識では負けてない自負がありますからね。嬉しかったです。

 それと、選手の関係性も垣間見えて楽しかったですね。小久保(裕紀)さんと松中(信彦)さんが一番前に座るんですが、若手はやっぱり、その横には行きたがらないんですよ。でも、よくわかってない新人の武田翔太選手なんかが、いつの間にか松中さんの横で捕まってるみたいな(笑)。

 一方で森福(允彦)さんとか内川(聖一)さんといった中堅どころは真ん中のちょうどいい場所に座ってるんですよ。内川さんはしっかりネタを見てくれたんですけど、森福さんはずっとコンパニオンと喋ってましたね(笑)。

 2012年には、千葉ロッテマリーンズ主催の「ナイツでナイト!」というイベントをQVCマリンフィールドでやらせていただきました。

 始球式と、試合終了後にグラウンドで野球漫才をやったんですが、もともと僕は生まれが千葉県の我孫子市ですし、土屋も千葉県船橋市育ちですから、千葉とは縁もありますしね。まあ、その日だけはロッテファンということにして(笑)。

 あと、僕と土屋が創価大学出身なんですが、その創価大野球部の岸雅司監督の息子さんが日本ハムで球団職員をやっている関係もあって、今年の春は日本ハムのキャンプにもお邪魔しました。小谷野栄一とか大塚豊とか後輩も多いですからね。そんな縁もあって、パ・リーグは3つくらいファンになっちゃってます。

「イチロー」の引きの強さ

 そうは言っても、「ジャイアンツが一番好き」というのはずっと変わらないですね。特に今年は、強さがえげつないじゃないですか。それと不思議なことに、ジャイアンツが強い方がネタにしやすいんですよ。

 ジャイアンツファンだから、というのももちろんあるとは思うんですけど、もし自分が中日ファンだとしても、巨人が優勝とか日本一になった方が、ネタに入りやすいと思います。

 ただ、以前に比べると、「ネタにしやすい選手」というのは減っている気がします。「打順の言い間違え」ネタにしても、ラミレス・小笠原ではできても、坂本・長野だとどうにも上手くハマらないんですよね。それがどうしてなのか、というと、なかなか説明が難しいんですが。

 もちろん、有名かどうか、というのも大きな要素なんですが、例えば「大谷翔平」「藤浪晋太郎」といった今話題の選手でも、いまひとつネタにしづらいんですよ。

 例えばこれが「イチロー」や「松井秀喜」ならものすごく引きがあるんですが、「松坂大輔のスゴさを語る」「ダルビッシュの半生を語る」となっても、まだ引きが弱いんですよね。いや、本当に イチローの引きの強さっていったらスゴいですよ。

 そう考えると、昔の外国人選手はネタにしやすいというか、引きのある選手が多いですよね。

 「タイゲイニー」とか、「ブレイザー」「オバンドー」とか、名前聞いちゃうだけでなぜだか笑っちゃうのもありますし。プレーは思い出せないんですけどね。一時期、「オバンドー温めますか?」っていうコンビニネタをやってました。

 今年ソフトバンクに入った「ラヘア」とか、横浜の「モーガン」とか、言い間違えしやすそうな名前の選手は結構いるんですけどね。でも、ただの言い間違いじゃなくて、引きがあるかどうかっていうのがまた違うんですよ。不思議ですよね。



塙宣之(はなわ・のぶゆき/写真左)
1978年生まれ、千葉県出身。漫才コンビ「ナイツ」(マセキ芸能社)のボケ担当。内海桂子の弟子として寄席にも登場し、「浅草の星」と呼ばれる。2008年M-1グランプリ3位、2011年THE MANZAI準優勝。実兄は芸人のはなわ。大の巨人ファンとして知られる。

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