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初々しさよ、再び。シーズン終了間際の今だからこそ振り返る2016年の開幕カード《パ・リーグ編》


 各チーム120試合以上を消化し、あと1カ月ほどでレギュラーシーズンが終わろうとしている。あっという間だったと感じる読者の方も多いのではないだろうか。そう考えるとペナントレースは長いようで短い学校生活のようにも思える。

 そこで、初々しかった頃の気持ちを思い出すべく、各チームの開幕カードで起きた出来事を振り返りたい。今回はパ・リーグ編だ。

福岡ソフトバンクホークス


 攝津正が球団史上初となる5年連続の開幕投手を務めた。これは前身の南海時代から含めても史上初。杉浦忠などのレジェンドも成し遂げていない大記録だ。

 開幕投手を務めた回数を見ても5回は球団2位タイ。球団記録は南海時代の山内新一の6回だ。来シーズン以降、攝津が球団記録に並ぶ可能性はあるのだが……。

 ソフトバンクの今シーズンの初勝利は開幕3戦目に武田翔太がもたらした。これを見て筆者は“攝津から武田にエースの座が移った”と実感したことも付け加えておきたい。


北海道日本ハムファイターズ


 大谷翔平がダルビッシュ有(レンジャーズ)以来の2年連続開幕投手として登板。奇しくも大谷、ダルビッシュともに3年目から開幕投手を務めている。ダルビッシュは5年連続で開幕投手を務め、海を渡った。果たして大谷はどうなるのだろうか。

 日本ハムの今シーズンの初勝利は開幕3戦目。9回のマウンドには増井浩俊がいた。誰がこの時、増井がシーズン半ばに先発へ転向し、完封まで記録する姿を想像しただろうか。


千葉ロッテマリーンズ


 千葉に移転してから初めて開幕戦チケットが前売りで完売。これには完売の方程式が存在した。

《開幕戦×ユニフォーム配布×大谷先発(日本ハム)=前売り完売》

 開幕時はこう思ったが、今シーズンのユニフォーム配布試合のチケットの売れ行きを見ると大谷が先発せずとも「開幕戦×ユニフォーム配布」で完売していただろう。

 この試合では、涌井秀章が現役最多の開幕戦5勝目を挙げ、打線も大谷を攻略。ロッテが波に乗るきっかけとなったのは間違いない。

埼玉西武ライオンズ


 本拠地での開幕カードで西武は3戦連続完売を記録した。これはチーム名に“埼玉”の冠をつけてから初めてのことだった。毎年、観客動員数で下位に低迷している西武にとっては快挙だ。

 実は、これには裏がある。ロッテがユニフォームを配布したように、西武も開幕カードでフリースを無料配布した効果があったのだ。“球場を満員にする”という意気込みは評価したい。


オリックス・バファローズ


 開幕2戦目の西武戦でなんとチーム史上39年ぶりの内野手全員失策が記録された。開幕2戦目の先発という大役を任されたルーキー・近藤大亮は味方からプロの洗礼を浴びた格好だ。

 楽天は開幕戦をコーディエの乱調で落とした翌日に“守乱”で連敗。今シーズンの悪夢はこの時に決まっていたのかもしれない。


東北楽天ゴールデンイーグルス


 プロ野球で48年ぶりに“薄暮開幕試合”が行われた。楽天の本拠地であるKoboスタ宮城は3月下旬だと昼間は暖かいが客足が伸びず、夜は真冬並の寒さが訪れる。その配慮から16時試合開始という折衷案が取られ、薄暮開幕が決まったのだ。

 この試合では、則本昂大が新人から4年連続開幕投手というプロ野球記録を達成。試合も王者ソフトバンクに勝利し絶好のスタートを切ったはずだったが……。


 また、パ・リーグ全体の出来事を付記すると、この開幕カード(全9戦)を通してホームランゼロという珍記録も生まれている。

 これはすべてほんの半年ほど前の出来事だが忘れていた(思い出したくなかった)読者も多いことだろう。

 プロ野球は順位争い、タイトル争いだけじゃない。熱くなりがちな終盤戦だがファンにはちょっとした息抜きも必要だ。ふと立ち止まって開幕カードを振り返るのもいいのではないだろうか。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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