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背番号「55」奪還計画スタート!? ロマン砲・大田泰示、復活へのカギは「オレ流」練習術

☆フォームを変えて、いい面が失われてしまった

 高校時代から、類まれな体格とパワーから「和製ジーター」と呼ばれていた大田泰示選手。ドラフトで巨人が獲得すると、松井秀喜さんの背番号「55」を与えるなど、未来の主砲として大きな期待をかけていました。

 そんな球団の想いに応えるかのように、2軍で入団から2年連続で15本以上のホームランを放ち順調な成長ぶりを披露。少しずつ1軍でのプレー機会も与えられたのですが、そこで結果を残せなかったことで、徐々に歯車が噛み合わなくなってきます。

 持ち前の豪打が鳴りを潜めたため、打撃に集中するために外野手に挑戦しましたが、今のところあまり効果は見られていません。大田選手に至っては、むしろそういった外的要因を探すより、まずはいい時のフォームを徹底的に研究した方が早く直りそうな気も……。


 そこで今回は、「いい時」と「悪い時」のフォームを比較しながら、大田選手が巨人の4番にふさわしい選手になるためのおせっかいレクチャーをしていきます。

☆「懐の深さ」と「背中の反射」が飛距離の源泉!

 まず最初に、大田選手の特徴を紹介してきましょう。
 1つ目は「懐の深さ」。この言葉、どこかで耳にしたことがありませんか? 野球における懐の深さというのは、「バットを振ることで生じる遠心力と、自分の重心との距離が長いこと」を指します。

 大田選手のバッティングフォームは、スイングの際に股関節を深く曲げ、重心をとる骨盤を背中側に引き込むというもの。バットの遠心力と重心の距離が、長く保てていますね。こうしてできた深い懐が、大きなスイングを可能にしていました。

 もう1つは、大田選手はワップアップという背骨の反射を使った打ち方をしています。それまで力が抜けて猫背のように丸くなっていた背骨が、バットとボールのインパクトの瞬間に伸びることで、爆発的なパワーが生まれていました。

「懐の深さ」と「背骨の反射」。この2つが噛み合えば、惚れ惚れするような飛距離の打球も放っていました。まさに鬼に金棒と思います。2012年までや調子がいい時の大田選手は、安定してこの「いいフォーム」で打っていました。


▲2011年6月の試合での構え

☆「オレ流」で直すバッティングのマイナス面

 ところが、なかなか1軍での結果が出なかったこともあったからでしょうか、大田選手の真骨頂である「背骨の反射」を使ったインパクトに至る体幹部の動きがころころ変わってくるようになりました。背中を伸ばして構えたり、丸めて構えたり、打撃フォームが変わるのは、インパクトのタイミングに迷っているからです。

 特に、意識的に背骨を真っ直ぐにしている構えをしている時は調子が悪い状態です。ここから一度、背骨の力を抜き(背中を丸めて)、背骨を伸ばそうとする力感のある動きを使おうとして打ちにいくので、結局のところ、1つ余計な(無駄な)動きが入り、今までのタイミングで振ろうとすると差し込まれることが増えます。それを嫌って、始動を早め、前腕の三角筋でバットを振り出そうとすると、内角球はファウルになり、外角の逃げる変化球にはバットが届きません(この現象を「肩の開きが早い」とも呼びます)。

 こうして深みにハマってしまった大田選手には、「背骨の反射でインパクトするまでのプロセスをどのようにするか?」という事を考えて、取り組んでもらいたいです。そこで、現役時代に2度の三冠王に輝いた落合博満さん(元ロッテほか)を参考にしてほしいです。


 落合さんはピッチングマシンの真正面に立ってボールをマシンの方に打ち返す、という「正面打ち」を行っていました。この正面打ちにより、前腕の落下内旋で打ち出すことで肩の開きが抑えられ、背骨の反射を使ったインパクトのタイミングを合わせていくことができます。大田選手のウイークポイントの克服につながる練習と言えるでしょう。

 今の大田選手がこの練習をしたら、引っ張ることしかできないはず。しかし、正面に打つというテーマを持って臨めば、落合さんのように体幹を使って打てるようになれます。この練習の動画はYouTubeにアップされていますから、大田選手にぜひ見てもらいたいですね。

☆誰もが認める巨人の4番打者になるために

 背番号をはじめ、松井さんが使っていた寮の部屋を与えられるなど、とことん“松井二世”と扱われていた大田選手。

 東海大相模高時代に結果を残していたとはいえ、18歳の少年に背負わせるには、あまりにも大きな期待だったと思います。ここまでいい結果を残せなかったのは、そのプレッシャーも無関係ではなかったでしょう。

 しかし改善すべき点が見つけられるということは、まだまだ伸びしろがあるということ。参考にするべき落合さんも高い壁ですが、松井さんと同じく巨人の4番として活躍していた選手。今日からは落合さんを師と思って、練習に励んでほしいと思います。


■タイツ先生プロフィール
1963年生まれ、栃木県出身。本名は吉澤雅之。小山高時代は広澤克実(元ヤクルトほか)の1学年下でプレーし、県大会準優勝を経験。現在は「自然身体構造研究所」所長として、体の構造に基づいた動きの本質、効率的な力の伝え方を研究し、幅広いスポーツ選手の指導にあたっている。ツイッター:@taitsusensei では、国内外問わず、トップアスリートたちの動きについて、つぶやいている。個々のレベルに合わせて動画で指導を行う、野球の個別指導サービス「アドバンスドベースボール(http://www.advanced-baseball.jp/)」での指導も始まった。

文=森田真悟(もりた・しんご)
1982年生まれ、埼玉県出身。地元球団・埼玉西武ライオンズをこよなく愛するアラサーのフリー編集者兼ライター。現在は1歳半の息子に野球中継を見せ、日々、英才教育に勤しむ。今季はできるだけ現地観戦をしたい。

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