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ドラフト上位候補が揃う! 北海道、東北の大学生投手に注目

 今年のドラフト戦線を見ると、大学生では東京六大学リーグの通算安打記録更新が期待される明治大・?山俊など上位指名候補選手が並ぶ。その中でも、例年と比較して、北海道、東北の大学に所属する投手のレベルが高い。先日行われた全日本大学選手権では評価を上げた選手、逆に登板できず不完全燃焼に終わるなど、様々な人間模様が見られた。今回は今秋のドラフト会議で注目を集める3人の投手を紹介する。

熊原健人(仙台大)


 体を開き気味に構えるセットポジション、そして両手と左足を高々と上げる独特な投球フォームで投げる。178センチ80キロと体はそれほど大きくはないが、150キロを超えるストレートを武器にする。


 柴田高時代は無名の存在だった熊原。しかし、昨年、大学3年春に投球フォームを現在の形に変更すると、急成長し、一気にエースの座を奪った。迎えた仙台六大学リーグで、東北福祉大、東北学院大という強豪から次々と白星を奪い、67季ぶりのリーグ優勝に貢献した。さらに大学選手権でもベスト8に進出、そして、秋には台湾で行われた21Uワールドカップの日本代表にも選ばれた。プロやドラフトで指名された選手たちと遜色ない投球を見せ、一躍ドラフト上位候補に躍り出てきた。

 今春はリーグ戦で4試合連続完封と、さらなる成長を遂げ、仙台大を2季ぶりの優勝に導いた。つい先日、行われた大学選手権では九州産業大と対戦し、自らのミスなどもあって0−3で敗れ、初戦で姿を消した。しかし、それでもプロのスカウト陣からの評価は高く、今後も目が離せない。

多和田真三郎(富士大)


 その熊原とは逆に、大学選手権では登板できず不完全燃焼に終わったのが、富士大の多和田真三郎だ。体をグッと低く沈み込ませるフォームが特徴的で、伸びのあるストレートを投げ込む。

 そんな多和田の高校時代は中部商高2年夏の沖縄大会準優勝が最高成績。プロ志望届を提出するも、ドラフトでの指名はなかった。一躍注目を集めたのは、その1年後、2012年の明治神宮大会。1年生ながらも、初戦の国際武道大戦に先発すると、友永翔太(現中日)や現在も1軍で打率3割をキープしている西野真弘(現オリックス)と、のちにプロ入りする選手がいる打線に対して、ノーヒットノーランを達成した。

 その後、2年春、3年春、秋とリーグ戦のMVPを獲得して着々と成長を遂げる。

 今春もエースとしてリーグ戦優勝に貢献したものの、リーグ戦終盤に右肩を痛めた影響で大学選手権では登板を回避。チームも東農大北海道に敗れた。大学選手権は不本意な形で終わったものの、ドラフト上位候補には変わりない。もし多和田が指名されれば、富士大からは山川穂高、外崎修汰(ともに西武)に続く3年連続のプロ野球選手誕生となる。

井口和朋(東農大北海道)


 多和田擁する富士大に対して、14三振を奪って完投勝利を挙げたのが、東農大北海道の井口和朋だった。マウンド度胸の良いピッチングが持ち味で、ストレートとスライダーのコンビネーションを中心にバッターを打ち取っていく。

 神奈川・武相高時代は3年夏にベスト8。大学では1学年上の風張蓮(現ヤクルト)、玉井大翔(現新日鐵住金かずさマジック)の影に隠れる存在だったものの、昨秋の明治神宮大会・2回戦の上武大戦に先発し、6回無失点の好投で脚光を浴びる。さらに続く準決勝の駒澤大戦でも3回無失点。試合には敗れたものの、井口は高評価を受けた。

 今年3月には大学日本代表の選考合宿に参加し、今夏のユニバーシアードに出場する日本代表入りを果たす。春のリーグ戦ではリリーフ中心で登板し、防御率0.49をマーク。そして、この大学選手権の活躍となった。

 秋のドラフトで、どの球団から何位で指名を受けるのか、もちろん楽しみだが、7月に韓国・釜山で行われるユニバーシアードで、世界を相手にどんな活躍をしてくれるのか、期待したい。

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