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今年は侍ジャパン大学代表が世界へ! 東都大学リーグの下級生で代表候補となった好選手を先取りチェック!

 今夏に韓国・光州で行われるユニバーシアード大会。これに関する日本代表候補選手が1月中旬に発表された。候補に選ばれた31人は3月17日から予定されている選考合宿を経て、最終的に22人に絞り込まれる。

 東都大学野球リーグからは8人が名を連ねた。昨秋、日本一に輝いた駒澤大からはエース・今永昇太が選出。ドラフトの目玉とも謳われる彼については、以前に伝えたが、最終メンバーに残れば初めて「侍ジャパン」として世界と戦うことになる。

▲大学日本代表でもエースとして期待がかかる駒澤大・今永昇太 ●大学ジャパン入りを果たすのは誰だ!? 意外性を持つ若い戦力に注目!

 同じく投手からは専修大の高橋礼(2年・専大松戸高)が候補に。昨秋、ルーキーながらチームの2部優勝、1部復帰に大きく貢献したメンバーの一人である。186センチの大柄な体からアンダースローとタイプとしては珍しい。

▲アンダースローの専修大・高橋礼

 大学デビューは秋季リーグ。初めは中継ぎとしての起用だったが、終盤は2試合に先発し、いずれも1失点完投勝利を収めた。特に最終戦は勝てば優勝の大一番。逆に敗れれば優勝を逃すという大切な試合にも堂々たるピッチングを見せた。

 とはいえ、今回の選出には驚きがあった。対戦したバッターからは、

「アンダースローの割にはストレートのキレがある」
「真っすぐが手元で思ったよりも来る」
「おどおどせずに1年生らしい感じがなかった」

 という声が聞こえるなど、もちろん評価は悪くない。ただ、正直に言えば日本代表候補として見た際に少し疑問が残る。しかし、アンダースローなど外国ではめったに見かけない投手だけに、対海外という目で見た際には非常に面白い存在になるだろう。

 また、全国のトップクラスの選手たちが集まる合宿を経験することで、高橋自身に大きなプラスになることは間違いない。技術だけにとどまらず、他選手の取り組む姿勢や振る舞いを見て得ることもある。これまで選考合宿に参加した選手からは、その後の結果いかんに関わらず、そのような意見を耳にしているし、もちろんその成果をチームに持って帰ることで仲間たちにも好影響を与える。高橋が日の丸を背負って戦うことになればこれ以上ないことだが、まずは31分の1に選ばれたことに自信と誇りを持ってほしい。 ●野手注目株はあの右バッター〜「今では選ばれても自信を持てています」〜

 捕手では亜細亜大の北村祥治(4年・星稜高)が選出。3年生までは二塁手として試合に出場。1年春の開幕戦では延長11回にダメ押しとなるソロホームランを放つデビューを飾った。チャンスメークもでき、勝負強いバッティングで得点を奪えるバッティングに加え、堅い守備が魅力的な選手であり、3度のベストナイン受賞歴がある。

 内野手からは、以前にドラフト候補としても紹介した亜細亜大・藤岡裕大(4年・岡山理大付高)、國學院大・柴田竜拓(4年・岡山理大付高)。外野手では亜細亜大・桝澤怜(4年・八王子学園八王子高)と青山学院大・吉田正尚(4年・敦賀気比高)、東洋大・笹川晃平(3年・浦和学院高)が選ばれている。

 笹川は昨夏のハーレムベースボールウィークに続いての日本代表候補入り。その時は代表入りを逃しているが、昨秋にはプロ・アマ混合チームとなる21U代表では侍ジャパンの一員として準優勝に輝いた。1年時からチームの主軸を担い、昨春には首位打者を獲得。だが、入学以来過ごしている2部リーグから脱することは叶っていない。

▲チームを1部に押し上げる活躍も期待したい東洋大・笹川晃平(※写真は2013年のもの)

 前回の選考合宿で、笹川は冗談まじりだったと言いながらも「2部の選手」という目で見られたと振り返っていた。だから「自分が行ってもいいのかな」という気にさえなっていたという。しかし、U21代表での経験が彼を変えた。

「高いレベルを自分で見ることができたのが収穫。技術的な面や体格の面でも全てに参考になり、意識もそうでした。どこが、というよりは全体的なプロとアマチュアの差。これから自分がそうなっていくには、というのを逆算できるような時間になったと思います」

 出場自体は決して多くなかったし、成績を残したともいえない。だが学生野球を超えて“プロ”の世界に一時的ながら飛び込んで得たものは何物にも代えがたいものになった。誰もが踏み込むことができる環境ではないだけに、謙虚に自分が与えられた役割も理解している。

「明治神宮大会とかで他の選手が出られなかったという巡り合わせで、自分が選んでもらったと思う。だからこの経験を生かしてもっとチームに伝達することもあるし、2部でもこういう選手がいるということを証明していきたいと思います」

 同時にこの期間中、自分が目指すべき選手像の確固たるものを掴んだ。陽岱鋼(日本ハム)である。

「右打者が上の世界で残っていくには陽選手のように、走れて守れてバッティングもいい選手。残りの2年間で、その部分を追い求めていきたいです」

 昨年は選考合宿に参加することに自信が持てなかった笹川。しかし、U21代表の経験が彼を後押しし、堂々と振る舞うことができるようになったという。また、シーズンを経る毎に大きくなっていく体も成長の証。

 まさに心技体に進化を遂げている笹川晃平の1年に、今年も目が離せない。


■ライタープロフィール
山田沙希子(やまだ・さきこ)/東京都出身。早い時期から東都大学リーグの魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速。ナックルボールスタジアム主催のイベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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