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《野球太郎ストーリーズ》楽天2016年ドラフト1位、藤平尚真。最後の夏に念願を叶えた最速152キロの剛腕(1)


ドラフト会議のシーズン到来。週刊野球太郎では球界の最前線で活躍する現役選手の野球人生ドキュメントを連載します。ドラフト会議直前企画第2回目は、18才にして楽天の連敗を2度も止めたルーキー・藤平尚真の野球人生ドキュメントをお届けします。

最後の夏に念願を叶えた最速152キロの剛腕


梨田昌孝監督2年目の来季、上位を狙う楽天が単独1位で指名した即戦力投手は「高校BIG4」の一角・横浜高校のエース。負けるたびに成長を遂げた右腕は「打たれないストレート」を追い求める鍛錬の日々を過ごした。(取材・文=大利実)




最速152キロの本格派右腕王


 潜在能力とスケールの大きさを評価した楽天がドラフト1位で指名。自らの名が読み上げられた瞬間、藤平尚真は「驚きのち笑顔」の表情を浮かべていた。

「1位指名でくるのかなと不安な気持ちはあったんですけど、このように1位で指名していただきとてもう嬉しかったです」
 武器は186センチ84キロの均整の取れた体から投げ込むストレート。最速152キロで、アベレージでも140キロ台中盤を記録する。右バッターの外、左バッターの内側に鋭く曲がり落ちるスライダー、高速フォーク、シンカーと変化球の質も高い。

 3年夏の甲子園、2回戦の履正社戦では「初戦の後に練習した」という新球・シンカーを左バッターの外に配し、打たせて取るうまさを見せた。「152」の数字が注目されるが、変化球を器用に操る術を備えている

 ドラフト当日、取材陣から高校野球の思い出を聞かれると、「悔しい思い」というフレーズを二度繰り返した。「高校野球ではとても悔しい思いをしながら成長してきたので、プロ野球でもまた悔しい思いをして、少しずつ成長していきたいです」

 喜びよりは悔しさの方が多い3年間だったといえる。いかにして悔しさを力に変えて、ドラフト1位の座をつかみとったのか。投手人生の軌跡を振り返ってみたい。

2年秋の敗戦が藤平を変える


 ドラフト会議のおよそ1年前の11月1日――。

藤平は失意のどん底にいた。

 県大会では自己最速となる151キロを記録するなど好投を続け神奈川を制するも、関東大会の初戦で常総学院に1対3の逆転負け。5回、宮里豊汰にシュート回転の高めのストレートを完璧にとらえられ、逆転2ランを浴びた。
「自分のせいで負けた」と自らを責めた。試合後の挨拶を終えた瞬間にその場で泣き崩れ、仲間に抱えられながらベンチ前に。報道陣の取材に応えられる状態ではなく、藤平の取材は中止となった。

「私自身もショックを受けています」と語ったのは、新チームから指揮を執る平田徹監督。のちに、「あの時は監督である私も前のめりになりすぎていた」と明かす。監督も選手もチーム力には自信を持っていただけに、立ち直るのには時間がかかった。チームには3日間の休みが与えられ、敗戦から4日目に練習再開となった。

「自分のせいで負けたので、みんなに合わせる顔がない。でも、練習に出ると、みんなが新しい気持ちで臨んでいた。この悔しさを晴らすには夏しかない」

 気持ちを少しずつ奮い立たせ、夏に向けて始動した。ただ、悔しさは時間とともに薄れていくものだ。特に公式戦のない冬はモチベーションの維持が難しい。そこで悔しさを忘れないためにも、目標設定シートを書く決意をした。


次号「目標設定シートに込めた決意」




(※本稿は2016年9月発売『野球太郎No.021 2016ドラフト総決算&2017大展望号』に掲載された「28選手の野球人生ドキュメント 野球太郎ストーリーズ」から、ライター・大利実氏が執筆した記事をリライト、転載したものです。)

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