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《プロ野球・2017年の展望を探る!》蜘蛛の糸を離すな! 今季、戦力外から這い上がるのは誰だ!?


 毎年、10月半ばを過ぎると多くの選手が戦力外の通告を受ける。しかし、崖っぷちに立たされた男たちのうち幾人かは“プロ野球選手であること”を諦めない。再び、グラウドに立つため、トライアウトやテストなどを受け一縷の望みをつなぐ。

 今回は、戦力外通告を受けた選手のなかから、移籍先を見つけ、今シーズンも現役続行の道をつかみ取った選手に注目したい。

二度目の戦力外から復活を期す柳瀬明宏(ソフトバンク→阪神)


 ソフトバンクで通算216試合に登板し、中継ぎとして活躍した柳瀬明宏。戦力外通告の後に12球団合同トライアウトを経て阪神への入団が決まった。

 昨シーズンの1軍での登板数は2試合だったものの、2軍では32試合に登板。しかし、防御率4.80と成績は今ひとつ。自身二度目の戦力外となった。

 一度目の戦力外通告は2010年オフのこと。トミー・ジョン手術のリハビリ期間と考慮され、育成選手として再契約した。2012年のシーズン中に再び支配下登録される。2014年までの3年間で119試合に登板するなどの活躍で復活を果たした。

 その後2年間、1軍での登板機会は大きく減ってしまったが、阪神に移籍して心機一転、今シーズンの復活を果たすことができるだろうか。ベテラン右腕の粘投に期待したい。


榎本葵(楽天→ヤクルト)の長打力が目覚めるか!?


 2015年オフに、オリックスを自由契約となった坂口智隆と、日本ハムを戦力外となった鵜久森淳志を獲得したヤクルト。彼らは揃って新天地でチームに貢献。そして今オフ、ヤクルトは楽天を戦力外となった榎本葵を獲得した。榎本には「長打が打てる左打ちの外野手」としての期待がかかる。

 2015年オフに育成契約となった榎本は、昨シーズンは支配下登録を勝ち取れず、1軍での出場はない。しかし、2014年に行われたIBAF 21Uワールドカップではオーバーエイジ枠として日本代表に選出。8試合に先発出場し、チームを引っ張った。まだ年齢的にも若くブレイクの可能性を秘めている。

 ヤクルトの左打者を見ると、巧打者タイプが多く、長打を期待できるのは雄平、新外国人選手のグリーンくらい。高校通算47本塁打の長打力を武器にプロ入りを果たした榎本の打棒に期待したいところだ。今シーズンこそ、自慢の長打力を開花させ「プロ初本塁打」を見たい。

テスト入団組の柴田講平(阪神→ロッテ)と猪本健太郎(ソフトバンク→ロッテ)


 今オフに阪神を戦力外となった柴田講平、ソフトバンクを戦力外となった猪本健太郎の両選手はロッテの秋季キャンプで入団テストに合格。支配下契約を勝ち取った。

 柴田は入団3年目の2011年には104試合に出場し、打率.271をマーク。しかし、翌年以降は徐々に出番を減らし、昨シーズンはわずか10試合の出場にとどまった。

 今シーズン中に31歳を迎えるが、老け込むにはまだ早い。プロ初本塁打を放ったZOZOマリンスタジアム(当時QVCマリンフィールド)が本拠地のロッテで復活を果たしたい。

 猪本は2008年にソフトバンクに育成4位で入団。その後、5年間の育成選手期間を経て、2013年オフに支配下契約を勝ち取った。以降、1軍で8試合に出場するも昨シーズンオフに無念の戦力外通告。今シーズンは新天地で心機一転、1軍での出場機会を増やし、自慢の長打力を発揮したい。

 また、登場曲として使用していた故・高倉健の「唐獅子牡丹」に代わる新たなパフォーマンスも楽しみだ。


現役にこだわった男・田中浩康(ヤクルト→DeNA)


 昨シーズン途中に「引退・コーチへの転身」を打診されたものの現役にこだわり、12年間在籍したヤクルトを戦力外となった田中浩康。二塁の守備、バントなどの小技を期待されてDeNAへの入団が決まった。

 今季、DeNAの二塁は石川雄洋、エリアン、白崎浩之らで争うことが予想されていたが、そこに田中も争いに加わることになる。2007年、2012年と2度ベストナインに輝いている田中だけに、ベテランの意地を見せたいところだ。


文=勝田 聡(かつた・さとし)

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