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炎のストップウオッチャー的・2013ドラフト指名選手ランキング

◆今年の野手の能力を一塁かけ抜けで分析

 2013年のドラフトは、一部メディアからは「不作」などと言われていたようだが、ことストップウオッチによるタイム計測の視点からすれば、どうだったであろうか?

 以下は、今年指名された野手について、『野球太郎No.006』(発売中)の「炎のストップウオッチャー」に掲載した内容に若干測定を追加、整理し、左右別にランキング化したものである。

 測定基準は、振ったバットにボールが当った瞬間をスタート、一塁ベースに触塁した瞬間をゴールとしている。

 なお、プロのトップクラスの左打者であれば、そのタイムは4秒を切るし、若干一塁ベースから遠い右打者でも4秒10台やそれより早く走る選手はいる。よって、ドラフトレベルとしては4秒20より遅いタイムの場合は、小数点第1位でくくり、「4秒20台」と“台”をつける表現とした。

★  ★  ★


▼2013年ドラフト指名選手 かけ抜けランキング〈左打者〉

【1位】3秒99
日本ハム6位 岸里亮佑(花巻東高)

【2位タイ】4秒04
DeNA5位 関根大気(東邦高)
広島3位 田中広輔(JR東日本)

【4位】4秒17
ソフトバンク4位 上林誠知(仙台育英高)

【5位】4秒20
阪神2位 横田慎太郎(鹿児島実高)

【6位タイ】4秒20台
巨人4位 奥村展征(日大山形高)
中日6位 藤澤拓斗(西濃運輸)

【8位】4秒30台
オリックス5位 吉田雄人(北照高)

◆左打者・現時点でプロでも俊足と言えるのは3人

 まずは上の左打者から見ていこう。最も速い選手は、日本ハム6位指名の岸里亮佑(花巻東高)で3秒99。


 そして、DeNA5位指名の関根大気(東邦高)と、広島3位指名の田中広輔(JR東日本)が揃って4秒04で2位タイ。恐らく、プロの世界で「俊足」の部類に含むことができるのは、現時点ではここまでだろう。

 たとえば、今年悲願の日本一となった楽天でいえば、聖澤諒や岡島豪郎あたりは、これらとほぼ同程度のタイムであることが多い。

 これがさらに3秒90台の世界になると、そこには大島洋平(中日)や、衰えたとはいえイチロー(ヤンキース)もまだこの域をキープしている。そして、さらにさらに石川雄洋(DeNA)や藤村大介(巨人)といった走ることをメシダネにしている連中が3秒80台、まれに3秒70台を記録することもある。それが、かけ抜け社会のレベル構成だ。

◆右打者・「坂本系」と「おかわりくん系」が多し

 続いて、右打者のランキングに移ろう。結果は以下のとおりである。

▼2013年ドラフト指名選手 かけ抜けランキング〈右打者〉

【1位】4秒20台
日本ハム1位 渡邉諒(東海大甲府高)


【2位タイ】4秒30台
ヤクルト2位 西浦直亨(法政大)
巨人2位 和田恋(高知高)
ロッテ3位 三木亮(上武大)
日本ハム3位 岡大海(明治大)
オリックス4位 園部聡(聖光学院高)
西武4位 金子一輝(日大藤沢高)

【9位】4秒40台
西武2位 山川穂高(富士大)

【10位】4秒70台
ロッテ5位 井上晴哉(日本生命)

【未計測(スイマセン!)】
阪神3位 陽川尚将(東京農業大)、オリックス6位 奥波鏡(創志学園高)

 右打者は一塁ベースから遠い分、タイムは左打者より遅くなるが、例年なら4秒10台の選手がいてもおかしくない。そう考えれば、今年は右のスピード豊かな選手が少ないのは確かだ。ちなみに、新人時代の荻野貴司(ロッテ)は脅威の3秒80台を出したことがある。

 だが、これには訳がある。わかりやすい例として、野手のタイプを「アライバ系」、「坂本系」、「おかわりくん系」の3つに大別したとしよう。

 すると、今年の指名選手はほとんどが「坂本系」か「おかわりくん系」なのだ。

 「坂本系」はあくまで三拍子のバランスがメイン。かけ抜けタイムは遅くはないがやや落ちる傾向にある。この中で「アライバ系」になり得るのは三木くらいか? 逆に言えば、三木が根元俊一や鈴木大地に肩を並べるには、今後どれだけスピードを上げられるかがカギを握る、という見立てになる。

◆まとめ

 ということで、2013年のドラフト指名野手は、このランキングから見る限り、スピードよりバランス重視だったと言えそうだ。これは、一時期一芸タイプの指名が流行っていたときと比べると、指名傾向が変わりつつあることを意味しているように思う。

 今の時点では、「不作」か「豊作」かを論ずるよりも、こうした現状を覚えておくことが大切であろう。その結論を判断するのは、将来の伸び方をみてからでも決して遅くはないはずだ。


ライタープロフィール
キビタキビオ…1971年生まれ、東京都出身。野球のあらゆる数値を測りまくる「炎のストップウオッチャー」として活動中。元『野球小増』編集部員で取材経験も豊富。8月には『ザ・データマン〜スポーツの真実は数字にあり〜』(NHK-BS)に出演するなど、活躍の場を広げている。

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