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今季もトリプルスリー達成者は現れるか? 中日・平田良介の可能性に迫る


 昨季は、ソフトバンクの柳田悠岐とヤクルトの山田哲人が達成したトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)。ただ、1980年以上のプロ野球の歴史のなかでわずか10人、西武時代の松井稼頭央が2002年に成し遂げて以来、13年も経過していたように、そう簡単に到達できる数字ではない。

トリプルスリー達成の可能性を秘めた選手は?


 パ・リーグでは、糸井嘉男(オリックス)、松田宣浩(ソフトバンク)、秋山翔吾(西武)、陽岱鋼(日本ハム)あたり、セ・リーグでは、梶谷隆幸(DeNA)、丸佳浩(広島)、といったところが、技術とスピードとパワーを兼ね備えている代表格となるが、ケガやスランプもあって届かない数字でもあり、到達できていないのが現状だ。

 そんな可能性秘めた選手たちに名を連ねそうなのが、中日の平田良介だ。

 2015年の平田は、自身最多となる130試合に出場し、ベストナインにも選ばれた。「プレミア12」や、先日の台湾との強化試合でも活躍。侍ジャパンに欠かせない存在となりつつある。


進化し続ける平田良介


 トリプルスリーの対象となる部門は、打率.283、13本塁打、11盗塁。これだけ見ると、道のりは遠い印象を受けるが、ひとつずつ見ていくと、「なくはない」のだ。

 打率は、2013年に規定打席未到達ながら(33打席不足).289をマーク。その後は2013年が.277、2014年が.281と、やや落としてはいるが、これは決して不可能な数字ではないだろう。

 本塁打は、100試合以上出場するようになった2011年以降、11〜15本の間をうろうろしている。ただ、大阪桐蔭時代は、通算70本塁打を放ったパワーの持ち主。昨年の8月1日の対巨人戦では、東京ドームのレフトスタンド上段にある「キリン一番搾り」の看板にブチ当てている(東京ドーム発表の飛距離は135メートル)。

 ちなみに、トリプルスリーを達成した柳田は、本塁打34本を昨年記録しているが、その前年は15本。1年で19本も上乗せした。同じ1988年生まれ(学年は平田がひとつ上)の平田にも可能性はある。

走力も侮れない!


 盗塁は、レギュラーとして定着した2011年からの3年間はわずか1個ずつだったのが、2014年は7個、2015年は11個と少しずつではあるが増やしている。

 脚力の潜在能力で言えば、50メートル走は5秒台後半で、中学時代には大阪府の陸上競技会100メートルの部で優勝したこともあるほど。なお、山田も2014年の15盗塁から、15年は34盗塁にジャンプアップさせて、偉業達成を果たしている。

 このように、各部門で、その資質は十分に感じられるのだ。

 チーム事情に目を向ければ、中日は3年連続Bクラスと苦境にあえいでおり、4年連続となれば、2リーグ制が発足した1950年以降、球団ワーストの記録となってしまう。

 Aクラス入りを目指すためにも、今季の主将に指名された平田が、各部門の数字を上乗せしてチーム浮上の原動力となることが期待される。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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