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上原浩治だけじゃない! 206勝&193セーブの江夏豊など100勝&100セーブ列伝

文=藤山剣

上原浩治だけじゃない! 206勝&193セーブの江夏豊など100勝&100セーブ列伝!
 今年の5月、上原浩治(巨人)が現役引退を表明。1999年の入団1年目に20勝4敗でいきなり最多勝のタイトルを獲得するなど、キャリアの前半はおもに先発として登板。2007年に抑えに転向して32セーブを挙げて以降は、のちに移籍したメジャー時代も含めておもにリリーバーとして活躍した。

 その結果、日米通算で134勝128セーブと、勝利数とセーブ数がどちらも大台を突破(さらにホールドも104を記録)と輝かしい成績を残した。

 上原以外に、100勝&100セーブを記録した投手は7人。今回はそんないずれ劣らぬ上原以外の名投手たちをピックアップしていきたい。

ダブル大台だけでなく奪三振記録もすごい


■江夏豊(阪神→南海→広島→日本ハム→西武)
206勝193セーブ

 100勝&100セーブを達成した8人のなかで、唯一、200勝を超えているのが江夏豊だ。しかも、セーブ数も限りなく200に迫る。先発、抑えで活躍した投手の第一人者と言っていいだろう。

 最多勝利2回、最多セーブ5回、最優秀防御率1回など、数々のタイトルを獲得しているが、忘れてはいけないのが奪三振だ。最多奪三振は6回記録しており、そのなかでも1968年に達成したシーズン401奪三振は、今も日本球史に燦然と輝く大記録。次位が稲尾和久(元西鉄ほか)の353で、昨年まで5年連続で最多奪三振のタイトルを獲得している則本昂大(楽天)がキャリアハイで222個(2017年)という状況を見ると、いかに江夏の記録がすごいかがわかろうというもの。肩ヒジの保護政策が進んだ昨今の投手事情を考えると、この先、まず抜かれることはない数字だ。

ヒゲでおなじみタフネス投手


■斉藤明夫(大洋/横浜、現DeNA)
128勝133セーブ

 現役選手、指導者、解説者と立場は変わってもトレードマークのヒゲは健在の斉藤明夫。

 大阪商業大からドラフト1位で大洋に入団した斎藤は、1977年のルーキーイヤーから先発20試合、リリーフ18試合とマルチタスクをこなす。2年目も47試合に登板し(先発26、リリーフ21)、16勝15敗4セーブで、完投もリーグ最多の12試合。1982年からはほぼリリーフ専業となり、この年は30セーブで最優秀救援投手に初めて輝いた。

 1988年からはあらためて先発へ復帰。チーム事情や自身の故障もありながらの措置とはいえ、心身ともにタフでないと、こうも頻繁な配置転換には対応できないだろう。100勝&100セーブを初めて達成した右投手でもある。

メジャーに行きかけたサウスポー


■山本和行(阪神)
116勝130セーブ

 タテジマ一筋で現役を終えたサウスポー。数年ごとに先発中心、リリーフ中心を切り替えるような現役生活を送り、最優秀救援投手を2回獲得。年間2ケタ勝利は5回記録している。阪神が日本一となった1985年も、19セーブの中西清起とともにダブルストッパーとして山本も11セーブをマーク。吉田義男監督の胴上げに貢献した。

 1984年のオフにはドジャースへの入団が内定し、現地での住居や背番号も決まっていたが、最終的には保有権の問題がクリアできず断念したという個性的なエピソードも持つ。そのあたりのルールがまだ整備されていなかった1980年代。山本に時代が追いついていなかった。

軟式出身のドラフト外入団から大出世


■大野豊(広島)
148勝138セーブ

 社会人(出雲信用組合)の軟式野球部出身でドラフト外入団という異色の経歴を持つ大野豊は、1980年代から90年代にかけて広島投手陣の大黒柱として、先発に抑えに奮闘。150キロに迫るストレートと多彩な変化球を駆使し、最優秀防御率2回、最優秀救援投手1回、沢村賞1回と活躍した。

 なお、100勝&100セーブを達成した8人のなかで、通算防御率が2点台なのは大野と江夏のみ(江夏が防御率2.49、大野が防御率2.90)。江夏は広島に移籍後、同じ「豊」で左腕だったこともあり、当時、プロ2年目だった大野をつきっきりで指導している。知る人ぞ知る師弟関係でもあったのだ。

まだいるダブル大台達成の名投手


 ほかに、佐々岡真司(元広島)が138勝&106セーブ、台湾出身の郭源治(元中日)が106勝&116セーブ、斎藤隆(元横浜ほか)が日米通算112勝&139セーブを記録している。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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