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【2016夏の高校野球】《北北海道観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月15日〜21日(旭川スタルヒン球場ほか)

最北の地で好素材が続々と芽を出した!
横一線の状況下で夢切符をつかむのは?

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●十勝っ子、プロも視界に


 全国的に無名だが、知る人ぞ知る左腕が古谷優人(江陵)だ。細身の体をしならせ、腕をやや遅らせ鋭く振り抜くため、スピード表示よりも打者の体感は速い。ストレートは148キロを計測しているが、球速よりも球質がよく、真横に滑るスライダーなど変化球もいい。配球面など課題はあるが「打ちづらい球」を投げられることが最大の魅力だ。

 右腕では経験豊富な中川裕元(北見工)が群を抜く。抜けたフォークでタイミングをずらして打ち取ってきた巧投手だったが、着実に力をつけて最速145キロをマーク。古谷にも共通するが、いい意味で下級生時代のように気楽に投げ込みたい。

 1年春から注目された山田智則(旭川龍谷)も投球スタイルを微妙に変えて最後の夏に挑む。小さく踏み出しコンパクトに強く腕を振るスタイルでストレートとスライダーを制球よく投げ込む。夏への課題は連投を見据えたスタミナ強化。山田との2本柱を形成する清水拓莞も似たタイプだが、四球からの失点がやや目立つ。変化球の精度を高めたい。

 楽しみな大型右腕は小野寺蒼吏(滝川西)。恵まれた体を生かせるようになり、一冬越えてストレートは140キロに届いた。昨秋の道大会では力を出し切れずに序盤で降板。大舞台で見たい投手だ。

 2年生では左の石田圭樹(武修館)、右の坂本匠玄(旭川西)に注目したい。ともに小柄だが投げっぷりがいい。石田は四球からリズムを崩す面があり、まずは心とストレートを磨きたい。コースへしっかり投げ込む坂本はこの冬に急成長。力を入れて投げる130キロ中盤のストレートは見た目以上にキレがある。


▲古谷優人(江陵)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●投打に優れる好素材


 この地区を代表する野手なら陣翔大(旭川実)だろう。中学時代から知られた選手でKWBボールの釧路選抜では投手も兼ねて日本一に貢献。前出の山田、清水とは釧路選抜でチームメートだった。走攻守に優れ、準優勝に輝いた昨夏も勝負強い打席が目立った。昨夏以降、注目されながらも結果を残せず、最後の夏へかける想いは強い。

 同様にエース・主将・中軸として活躍を誓う橋本球道(白樺学園)は芽室西中で全国出場、昨夏の甲子園は5番・三塁手でフル出場。冬に投手を封印し、打撃がパワーアップ。春の帯広大谷戦では2本塁打を記録。1本はバットの根元にくっきりとボールの跡を残しながらも力でスタンドへ運んだ。広角に打ち分ける技術も道内屈指だろう。昨夏の甲子園を知る後藤博希、岡田拓巳(ともに白樺学園)もタイプは違うが右の強打者だ。後藤はスピードと柔らかさを兼ね備えた3番タイプ、岡田はドカベンタイプの長距離砲だが状況判断に優れ、柔軟な打撃ができる。

 186センチの遠藤暉世己(稚内大谷)は投打に期待されるが、右の大砲候補として注目したい。成長著しい2年生では長距離砲の文入魁斗(武修館)、広角に打ち返す金原瑶(クラーク記念国際)、捕手としての雰囲気がずば抜けている古間木大登(遠軽)あたりが一戦ごとに力をつけてくるだろう。


▲陣翔大(旭川実)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●どこが勝っても不思議じゃない


 昨秋、今春の戦績で追えば連覇を狙う白樺学園がリードし、激戦の旭川支部で昨春から負けなしの旭川西が追う展開だ。だが実情は勢力ピラミッドに掲載した学校がほぼ横一線。混戦模様にますます拍車がかかる。白樺学園は前年の甲子園経験者の存在とまとまりのよさ、旭川西も攻守の粘り強さとたたみかける集中打で第1グループに。第2グループは個々の能力では他を圧倒する旭川龍谷、旭川実、春に打力を高めてきた遠軽に期待。夏までにどこまで成長できるか。

地区勢力ピラミッド

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