週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

それぞれの初陣はどうだった!? プロ野球2016シーズン開幕投手を務めた男たちの悲喜交々

 球春到来。今年もプロ野球が無事に開幕したことを心から喜んでいる。

 3月25日、全国6球場での開幕戦に訪れた観衆はおよそ20万人。テレビ・ラジオなどで観戦したファンも含めれば、本当にたくさんの人が開幕の瞬間を待ちわびていたに違いない。

 これまでの今連載では、各チーム1人しかいない「開幕投手」の座に就く男は誰かを考えてきた。いよいよその答え合わせの時間だ。

則本が初の地元開催で熱投、大谷は立ち上がりに痛打浴びる


★楽天vs.ソフトバンク
@Koboスタ宮城(7-3で楽天が勝利)

楽天・則本昂大
7回 6安打3失点11奪三振4与四球(勝利投手)

ソフトバンク・攝津正
3回 7安打6失点0奪三振5与四球(敗戦投手)

 2005年の球団創設から2度目となる、ホームでの開幕戦。楽天のエース・則本昂大は7回3失点にまとめ、オープニングゲームを白星で飾った。


 新人のシーズンから4年連続の開幕投手に任命された則本だが、2回までに3失点。暗雲が漂うも、味方が逆転した3回以降は尻上がりに調子を上げていった。

 一方のソフトバンク・攝津正は2回に一挙5点を奪われるなど、3回で降板。「何もできなかった」と試合後に話したように、5つの四球を与える制球難。投球の制御が利かないまま、開幕のマウンドを終えた。


★西武vs.オリックス
@西武プリンスドーム(5-4で西武がサヨナラ勝ち)

西武・菊池雄星
6回 7安打2失点6奪三振1与四球(勝ち負けつかず)

オリックス・金子千尋
6回2/3 4安打3失点7奪三振7与四球(勝ち負けつかず)

 6試合で先発投手に唯一勝ち負けがつかなかったゲーム。終盤までもつれた一戦は、西武がサヨナラ勝ちを収めた。

 西武は菊池雄星が自身初の開幕投手に立った。両軍無得点の4回、ボグセビックに2点タイムリーを浴びるも、その後は粘りの投球。6回を2失点にまとめ、初陣ということを思えば上出来か。


 オリックス・金子千尋は自慢の制球に狂いが生じ、与えた四球は自己ワーストの7個。6回までは何とか無失点に抑えるも、続投を志願した7回に3点のリードを吐き出してしまった。


★ロッテvs.日本ハム
@QVCマリンフィールド(ロッテが3-2で勝利)

ロッテ・涌井秀章
7回 4安打無失点7奪三振0与四球(勝利投手)

日本ハム・大谷翔平
7回 5安打3失点9奪三振3与四球(敗戦投手)

 自身7度目の開幕投手を務めたロッテ・涌井秀章が、球界の若きエース・大谷翔平(日本ハム)に投げ勝ったゲーム。気温10度以下に落ち込んだ千葉の夜を熱くさせた。


 涌井は初回、2死二塁のピンチを背負うも4番・中田翔を三振に斬って取る。これで波に乗ると、7回まで無失点ピッチングを披露。「開幕男」ぶりを遺憾なく発揮し、白星を手にした。これで開幕戦通算5勝目で、史上8人目の快挙も併せて達成だ。

 一方の大谷は唯一の懸念とされる、立ち上がりを攻められての敗戦。初回にアルフレド・デスパイネ、井上晴哉にタイムリーを浴び3失点。涌井と対照的な内容となってしまった。

初めての大役を担った大野、井納が白星を挙げる


★巨人vs.ヤクルト
@東京ドーム(巨人が3-1で勝利)

巨人・菅野智之
7回 5安打無失点4奪三振0与四球(勝利投手)

ヤクルト・小川泰弘
6回 2安打1失点2奪三振1与四球(敗戦投手)

 グラウンド外での問題に何かと目が向いてしまう中、巨人が開幕戦勝利を飾った。高橋由伸新監督は初陣で白星。この後の2試合も勝利を収め、開幕3連勝をマークした。


 指揮官が「なった時から決めていた」という菅野智之の先発。背番号19はその期待に応え、7回無失点の好投を見せた。2回無死二、三塁の場面では、タッチアップで本塁を狙った走者を完璧な中継リレーでタッチアウトに。バックもエースを盛り立て、白星につなげた。

 一方のヤクルトは小川泰弘を立てるも、長野久義の一発に泣いた。本人は「まずまずの投球ができた」とある程度の手ごたえを掴んでおり、次回以降のピッチングに期待したい。


★阪神vs.中日
@京セラドーム大阪(中日が5-2で勝利)

阪神・メッセンジャー
6回2/3 10安打4失点5奪三振6与四球(敗戦投手)

中日・大野雄大
7回2/3 5安打2失点3奪三振2与四球(勝利投手)

 昨季と同じカード、同じ球場で行われた開幕戦。昨季は阪神が逆転勝ちを収めたが、今季は中日が逆転勝ち。見事にリベンジを果たした。


 中日・大野雄大は初の開幕投手で8回途中まで投げ続け、2失点に抑える粘投。「かっこつけず、泥臭く、1つのアウトを取っていこう」と結果にこだわる姿勢が実を結んだ。開始初球のストレート宣言が話題を呼んだが、相手の1番・高山俊から空振りを奪い、こちらでも勝利だ。

 阪神・メッセンジャーは昨季に続いての初陣も、中盤以降小刻みに点を積み重ねられた。一方、攻撃面では来日初の盗塁を記録。開幕戦に懸ける想いは伝わってきた。


★広島vs.DeNA
@マツダスタジアム(DeNAが2-1で勝利)

広島・ジョンソン
8回 3安打2失点8奪三振4与四球(敗戦投手)

DeNA・井納翔一
7回 3安打無失点4奪三振1与四球(勝利投手)

 DeNAは新年早々に開幕投手を公表された山口俊が、右足首のケガで登板を回避。代わりにマウンドへ登った井納翔一が7回3安打無失点の快投。敵地・広島のファンを黙らせた。

 ラミレス新監督に訪れたいきなりの試練。代役を託された井納は、ピンチの際に山口や欠場中の梶谷隆幸らの姿が頭に浮かび、不安をかき消していったという。「誰かのために戦う人間は強い」ことを証明した格好だ。


 広島・ジョンソンは球団4人目の外国人開幕投手を担い、8回2失点の好投。昨季の最優秀防御率を獲得した実力を見せたが、相手の出来が上回っていたと切り替えるしかない。

 振り返ってみると全体的に緊迫した展開が多く、「さすが開幕戦」といった感じだ。独特の雰囲気に包まれる中、開幕戦の先発に投げることを許された12人。それに敬意を表すと同時に、今シーズンの活躍に期待したい。

文=加賀一輝(かが・いっき)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方